マレーシアの料理やお菓子作りに使われるPandan Leaf(パンダンリーフ)。
一見、何の変哲もない普通の葉っぱに見えますが、香りづけと色づけに使われる優しい香りを持つ葉で、伝統的な料理からケーキやお菓子などの各種デザートにも活用される素材です。
この記事ではPandan(パンダン)について紹介します。
目次
Pandan Leaf(パンダンリーフ)とは?

学名はPandanus amaryllifolius。
英語ではScrewpine(スクリューパイン)、またはPandanという言葉を使って、Pandan Leaf(パンダンリーフ)や複数形でPandan Leaves(パンダンリーブス)と呼ぶ形も一般的です。
なお、マレーシアでは単純にPandan(パンダン)と呼んでいます。
Pandanus amaryllifoliusは日本語でニオイタコノキ。
縦に長い葉が特徴で、東南アジアの料理やお菓子に使われていることが多い素材になります。
パンダンはどんな香り?
Pandan Leaf(パンダンリーフ)は、ほんのりとした優しい香りを持ちます。
強い香りはなく、ふんわりとした香りを与えてくれるので、料理やお菓子作りの隠し味的な働きをしてくれます。
パンダンのような香りがするココナッツがある
本題から逸れますが、マレーシアにはPandan(パンダン)のような香りがするココナッツがあり、このタイプのココナッツはパンダンココナッツと呼ばれています。
パンダンココナッツはほかのココナッツにはない独特の清涼感があり、パンダンが使われているわけではないのにパンダンの味がする…そんな不思議なココナッツです。
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パンダンはどこで購入できる?
マレーシアにおいて、市場やスーパーでフレッシュなPandan Leaf(パンダンリーフ)を購入することができます。
小分けにしたパンダンは日本円にして数十円という価格で販売されています。
また、マレーシアの園芸ショップに行くと、鉢植えのPandan(パンダン)が購入可能です。

あまり手をかけなくても勝手に育っていく扱いやすい植物で、植木を庭で育てているローカルの人も多く、路上で雑草のように生えていることが多い植物でもあります。(バナナの木ほど多くないものの、割と色々なところに生えています。)
冷凍や乾燥パンダンについて
フレッシュなパンダンが手に入らない地域では、冷凍のパンダンを購入できるケースがあります。
また、乾燥させたパンダンもありますが、香りが劣化するため、フレッシュなパンダンが手に入らない時は乾燥させたパンダンよりも冷凍したものを購入する方がおすすめです。
Pandan Leaf(パンダンリーフ)の使い方
Pandan(パンダン)の使い方は、
- 香りづけ
- 色づけ
…この2通りです。
パンダンの使い方①:香りづけ

Pandan Leaf(パンダンリーフ)を香りづけに使う時は、葉をクルッと結び、そのまま鍋などに入れます。
香りづけに使ったあとはパンダンを取り出します。
パンダンの使い方②:色づけ(天然着色料)

Pandan Leaf(パンダンリーフ)を色づけに使う時は、葉をブレンダーにかけて天然色素を抽出します。
簡単に作ることができるパンダン抽出液

まずは、Pandan Leaf(パンダンリーフ)を水でよく洗い、葉についている砂や汚れをしっかり落とします。

次にハサミを使ってPandan Leaf(パンダンリーフ)を細かくカット。

細かくカットしたパンダンをブレンダーのなかに入れ、少量の水を加えた上で、ブレンダーで攪拌します。
乳棒と乳鉢を使う伝統的な方法もありますが、ブレンダーを使う方がずっと簡単です。

しっかり攪拌したら、茶こしなどを使って漉します。
この時にスプーンなどを使ってグッと押しつけるようにすると、しっかり抽出できます。
後片付けが楽なので茶こしを使っていますが、布巾も使えます。

これで天然色素のパンダン抽出液(Pandan Extract/Pandan Juice)が完成です。
マレーシアのスーパーでは市販のパンダンエキスが販売されていますが、パンダンリーフされあれば簡単に天然着色料を作ることができるので、手作りがおすすめです。
パンダンが使われているマレーシアの食べ物
「こんなとこにも、あんなとこにも」…というくらい、色々な料理やお菓子に使われているPandan(パンダン)。
Pandan Leaf(パンダンリーフ)が具体的にどんなマレーシアの料理やお菓子に使われているのかについて、いくつか紹介します。
Nasi Lemak(ココナッツライス)

Pandan(パンダン)が使われている代表的な料理と言えば、ココナッツライスのNasi Lemak。
お米にココナッツミルクを加えて作るマレーシアの国民食とも言えるローカルグルメで、ご飯の香りづけにPandan Leaf(パンダンリーフ)を使います。

洗ったお米に、ココナッツミルク、水、Pandan Leaf(パンダンリーフ)、生姜、レモングラス、塩などを入れて炊くだけで作ることができる香りの良いご飯がNasi Lemakです。
Pandan Leaf(パンダンリーフ)の活用方法のなかで、一番簡単な使い方です。
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クエ

伝統菓子のKuih(クエ)にもPandan Leaf(パンダンリーフ)は欠かすことのできない定番の素材です。
Kuih Talam、Seri Muka、Ondeh-Ondehなど、緑色が象徴的なクエの色づけに使われています。
また、ココナッツミルクやグラマラッカと一緒に煮込むなど、クエに使用する素材の香りづけにも多用しています。
不自然に明るい緑色は市販の着色料を使っていることがあるものの、優しい緑色をしたクエにはPandan(パンダン)の葉から抽出した天然色素を使っているケースが多いと言えます。
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カヤ

ココナッツジャムのKaya(カヤ)にもPandan(パンダン)が使われています。
風味づけだけに使うレシピと色づけに使うレシピがありますが、緑色をしたKaya(カヤ)はパンダン抽出液が色づけに使われています。
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チェンドル

マレーシアで人気のデザートのCendol(チェンドル)。
緑色をしたゼリーの色づけにPandan(パンダン)を使うほか、ココナッツパームシュガーのGula Melaka(グラマラッカ)シロップの風味づけにもパンダンを使います。
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スープ系デザート

Bubur Cha Cha(ボボチャチャ)、Bubur Pulut Hitam(ボボプルッヒタム)、Tangyuan(タンユエン)など、スープ系伝統デザートにもPandan Leaf(パンダンリーフ)が使われています。
スープベースの香りづけに使うことがメインですが、マレーシアの湯圓(タンユエン)はスープの風味づけと団子の色づけにパンダンを使うことがよくあり、ほかの中華圏で一般的な湯圓とは異なる南洋ならではのユニークなレシピになっています。
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伝統ビスケットやお餅

チャイニーズニューイヤー(春節)に食べるマレーシアの伝統的なクッキーやお菓子、お餅の香りづけにもPandan(パンダン)が使われていることが多いです。(ただ、必ず使われているというわけではなく、パンダンを使っていないケースもあります。)
伝統的なクッキーであれば、Kuih KapitやKuih Bangkit。
Kuih Bahuluについては、パンダンを風味づけに使うほか、パンダンで色づけした緑色の商品もあります。
年糕(Niangao)は中華圏で春節に食べるお餅として知られていますが、マレーシアの伝統的な年糕のなかには香りづけにパンダンリーフを加えて作られているものもあり、マレーシア特有の伝統レシピとして知られています。
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パンダンシフォンケーキ

マレーシアでPandan(パンダン)が使われたケーキと言えば、パンダンシフォンケーキ。
パンダンの香りがふわっと漂うふかふかで美味しいケーキです。
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パンダンロールケーキ

ロールケーキのスポンジ生地にパンダンで色づけした緑色のパンダンロールケーキもマレーシアで定番です。
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パンケーキ

パンダンを使ったパンケーキを販売しているカフェもあります。
上記画像のパンダンパンケーキに添えられているシロップはメープルシロップではなく、Gula Melaka(グラマラッカ)のシロップで、南洋テイスト溢れるパンケーキになっています。
❤︎パンダンパンケーキが美味しいお店の詳細はこちら↓↓↓
アイスクリーム(ソフトクリーム)

パンダンのソフトクリームも美味しいです。
❤︎パンダンソフトクリームが美味しいお店の詳細はこちら↓↓↓
まとめ
マレーシアの料理とお菓子に必要不可欠なPandan Leaf(パンダンリーフ)。
色々な形で活用できる素材です。
以上、Pandan(パンダン)についての紹介でした!