ココナッツジュース、ココナッツミルク、ココナッツオイルなど、様々な形で活用されるココナッツ(椰子の実)。
料理や美容にとり入れている人も多いアイテムですが、
ココナッツジュースやココナッツミルク&オイルはどのようにして作られているの?
…ということは、なかなかイメージしにくいものがあるかもしれません。
この記事ではマレーシアにおけるココナッツの活用例と共に、ココナッツの基本情報について紹介します。
目次
ココナッツ(ココナツ)とは?

ココナッツはココヤシと呼ばれる椰子の木から収穫される果実です。
ココヤシはココナッツだけではなく、葉を含めた木全体が住宅資材、マット、ロープ、民芸品など、様々な形で活用できる植物として知られています。
ココナッツの栄養素
- カリウム
- ナトリウム
- マグネシウム
- 食物繊維
- カルシウム
- 鉄
…などを含むココナッツ。
ミネラルが豊富なココナッツジュース(ココナッツウォーター)は、汗をかいたあとや火照った身体をクールダウンさせたい時に良いと言われているドリンクになります。
また、近年人気のココナッツオイルはコレステロールフリーであるものの、飽和脂肪酸が多いことから、摂取量に注意が必要とされるものですが、中鎖脂肪酸が多く含まれることから注目を集めています。
アブラヤシとココヤシ

椰子の木にはいくつか種類があり、パーム油やパーム核油が作られる椰子の木はアブラヤシと呼ばれています。

ココナッツオイル(ヤシ油)はココヤシから抽出される油、パーム油やパーム核油はアブラヤシから抽出される油で、それぞれ別のものになります。
未熟果と成熟果のココナッツの用途
ココナッツは大きく分けると、
…この2つに分類されます。
未熟果と成熟果の見た目(色)の違い

未成熟のココナッツは緑色をしています。

成熟したココナッツは茶色い見た目で、モジャッととした髭のように見えるものは繊維質になります。
この繊維質はロープやマットに使われることもあります。
未熟果と成熟果のココナッツの用途の違い

未成熟と成熟したココナッツの主な用途をまとめてみたものが上記の表になります。
マレー語で、ココナッツはKelapa(クラパ)、ココナッツミルクはSantan(サンタン)と呼ばれています。
未成熟のココナッツの用途はココナッツジュース
ココナッツジュース(またはココナッツウォーター)として知られるものは、未成熟ココナッツの液状胚乳。

未熟果のココナッツの上部をカットすれば、なかに入っているジュースをそのまま飲むことができます。
フレッシュココナッツジュース(ココナッツウォーター)はさっぱりした口あたりで、非常に美味しいです。

マレーシアにおいて、生のココナッツジュースは飲食店で提供していることがあるほか、色々な場所にある露店で気軽に購入できます。

販売されている場所によって価格は異なりますが、路上などにある露店で購入する場合、ココナッツジュースは日本円にして100円ちょっとで購入できます。

マレーシアのスーパーでも生のココナッツジュースが販売されています。

上記画像の手前にあるものもココナッツジュース(ココナッツウォーター)ですが、Kelapa Semi Polishedと商品のラベルに記載されているように、ある程度皮を剥いだココナッツになります。
外皮をそのまま残したココナッツよりも軽量です。
未成熟ココナッツはコリコリした固形胚乳も美味しい

未成熟ココナッツのメインはココナッツジュース(ココナッツウォーター)にあたる液状胚乳であるものの、液状胚乳を囲んでいる白い固形胚乳も影の主役です。
固形胚乳はコリコリとした食感を持ちます。
ココナッツが若いほど固形胚乳が薄く、熟していくにつれ固形胚乳が分厚くなっていきます。
Pandan Coconut(パンダンココナッツ)が特に美味しい
ココナッツには様々な品種が存在し、マレーシアには「Pandan Coconut(マレー語でKelapa Pandan)」と呼ばれるココナッツがあります。
パンダンココナッツは、パンダンリーフ*に似た独特な香りを持つココナッツになります。

ココナッツジュースのなかでも、パンダンココナッツは特別な風味を持ち、最も美味しいと感じています。
パンダンが使われているわけではないのに、パンダンの香りがほのかにする…そんな不思議なテイストのココナッツジュースです。
❤︎パンダンの詳細はこちら↓↓↓
パックに入った市販品は美味しい?

最近はパック化されたココナッツウォーター商品をスーパーで見かけることが増えてきています。
パック化された市販品とフレッシュなココナッツジュースを比較すると、生のココナッツジュースの方が自然な味で美味しい…と感じているものの、パック化されたココナッツジュースは開封前であればある程度長く保存できるところが利点です。
また、ライムやレモンを加えて飲むとモクテルのようになり美味しくいただくことができます。
❤︎市販のココナッツウォーターを美味しく飲む方法はこちら↓↓↓
成熟したココナッツの用途はココナッツミルクやオイル

ここからは成熟したココナッツについて紹介します。
成熟したココナッツの固形胚乳(白い部分)からは、ココナッツミルクやココナッツオイルが作られます。
成熟したココナッツはマレーシアで行われるタミル系ヒンズー教のお祭りであるthaipusam(タイプーサム)に欠かせないものとして知られています。
タイプーサムでは地面にココナッツの実を投げつける…という慣しがあり、毎年大量の成熟したココナッツが使われています。
細かくしたココナッツはクエなどに使われている
成熟したココナッツの固形胚乳を削り取り細かくしたものは、Grated CoconutやShredded Coconutと呼ばれています。

Ondeh-Ondeh(オンデオンデ)やKuih Kosui(クエコスイ)などのクエ(伝統菓子)に使われています。
❤︎クエの詳細はこちら↓↓↓
上記の記事ではパンダンリーフについても紹介しているので、「パンダンってどんなもの?」と疑問に思ったら、目を通してみてください。
また、細かいフレーク状にしたココナッツに火を通して、軽くトーストしたものはNasi Ulam(ナシウラム)やNasi Kerabu(ナシクラブ)などマレー系のご飯ものに使われています。
❤︎ナシクラブの詳細はこちら↓↓↓
ココナッツミルク(ココナッツクリーム)
固形胚乳を抽出して作られるココナッツミルク。
東南アジア諸国の料理に使われているものですが、マレーシアの料理に欠かすことができない素材の1つです。

ココナッツミルクを使った代表的なグルメと言えば、ココナッツライスのNasi Lemak。
❤︎Nasi Lemakの詳細はこちら↓↓↓
また、Curry Mee(カリーミー)をはじめとしたカレー系の料理、デザート関連ではKuih(クエ)やBubur Cha Cha(ボボチャチャ)、Pulut Hitam(プルヒタム)など様々な料理&デザートにココナッツミルクが使われています。
また、カヤトーストに使われているココナッツジャムのKaya(カヤ)にもココナッツミルクが使われています。
❤︎ボボチャチャの詳細はこちら↓↓↓
❤︎カヤの詳細はこちら↓↓↓
フレッシュココナッツミルクは美味しい

ココナッツジュースと同じように、ココナッツミルクもフレッシュなものが一番美味しいです。
料理やお菓子作りに使った時の風味が異なる…と感じています。
フレッシュココナッツミルクはマレー語でSantan Segar。
Santan=ココナッツミルク、Segar=新鮮(フレッシュ)という意味になります。

生のココナッツミルクは非常に傷みやすい一方、保存しやすい…という意味においては、パック入りのココナッツミルクが便利です。
私はフレッシュなココナッツミルクを購入する方が多いものの、ストック用には上記画像のAyam Brand(アヤムブランド)のココナッツミルクを買っています。
パック入りのココナッツミルクも一旦開封すると傷みやすくなるため早めに使い切る必要があります。(冷凍保存もできますが、冷凍すると味が落ちる…と感じています。)
ココナッツオイル
ココナッツオイルは成熟したココナッツの固形胚乳から抽出して作られています。
中鎖脂肪酸(MCT)を含むココナッツオイル
ココヤシやアブラヤシから採ったオイルに含まれる中鎖脂肪酸。(読み方は「ちゅうさしぼうさん」)
この中鎖脂肪酸(英語でMedium Chain Triglycerides、略してMCT)の働きが注目されたことにより、中鎖脂肪酸を多く含むココナッツオイルの人気が高まっています。
ただし、ココナッツオイルは香りに強いクセを感じる人もいるので、好き嫌いが分かれるオイルになります。
また、ココナッツオイルは全ての料理やお菓子作りに合う…というわけではないので、レシピによってケースバイケースで使い分けが必要ですが、バナナケーキを作る時など一部のお菓子作りにココナッツオイルは割と合う…と感じています。
また、オートミールを使ってケーキを焼く時にもココナッツオイルを使っていますが、オートミールケーキにもよく合います。
料理に関しては、ココナッツミルクを使うカレーを作る時にココナッツオイルを活用することがありますが、この使用方法だと違和感なく使えます。
中鎖脂肪酸100%のMCTオイル
ココナッツオイルのなかでも、中鎖脂肪酸だけを抽出して作られたMCTオイル。
普通のココナッツオイルは炒め物などの加熱調理に使うことができますが、中鎖脂肪酸100%のオイルは高温の加熱調理に適していません。(発煙温度が低く引火しやすいため)
中鎖脂肪酸100%のオイルは、そのまま飲んだり、コーヒーに入れてバターコーヒーのようにして飲む人が多く、一部の人の注目を集めているオイルです。(ただ、気分が悪くなったり体調が悪くなる人もいるので、口コミの評価は良いものと悪いものがあります。)
私はコーヒーに入れるほか、スムージーやオートミールに数滴入れて食べることが多く、特にオートミールなどのシルアルに入れると、違和感なく食べることができると感じています。
MCTオイルにはココナッツ由来100%のもの以外に、パーム油から採った中鎖脂肪酸を含む商品もあるので、MCTオイルを購入する時は、ココナッツ100%のものか、パームオイルが含まれていないか確認してみることをおすすめします。
バターコーヒーにはギーも人気で、MCTオイルとギーをミックスした商品もあります。
ギーはインド料理によく使われる油ですが、クセがなく料理に使うという場合はココナッツオイルよりもずっと使いやすいです。
ヘアケアやスキンケアにも使えるココナッツオイル
ココナッツオイルはスキンケアやヘアケアにも使えます。
私はヘアケアとスキンケア用にマレーシアブランドのTANAMERAのエキストラバージンココナッツオイルを使っています。
濡れた髪に数滴のココナッツオイルをなじませ髪を乾かし、ドライヤーで乾かした後にも毛先に少量のココナッツオイルをつけると髪のまとまりがよくなります。
アルガンオイルやホホバオイルも好きで使っていますが、ココナッツオイルもスキンケアやヘアケアに使いやすいと感じています。
❤︎TANAMERAの詳細はこちら↓↓↓
ココナッツの殻
成熟したココナッツの殻も色々な形で活用されています。
民芸品のお土産として定番のものは、成熟したココナツの殻を磨いてツルツルの状態にして作った容器。

上記画像のココナッツは、ビーチが直結したマレーシアのリゾートホテルの客室の前に設置されているフットウォッシュステーション。
ビーチから帰ってきた時に客室の前で砂がついた足を洗うことができるようになっているもので、水をすくう容器にココナッツの殻が使われています。
自然の趣がある素敵な民芸品です。
ココナッツパームシュガー(グラマラッカ)

ココヤシから作られる砂糖と言えば、ココナッツパームシュガー。
マレーシアではGula Melaka(グラマラッカ)として親しまれています。
グラマラッカは深いコクを持ち、クエをはじめとしたお菓子、チェンドルなどのデザートに使われています。
チェンドルはココナッツミルクとグラマラッカがたっぷり使われているデザートです。
❤︎チェンドルが美味しいお店の詳細はこちら↓↓↓
また、マレーシアの一部のカフェでは、グラマラッカを使ったラテなどのドリンクを提供しているところもあります。(これがかなり美味しいです。)
まとめ
成熟前のココナッツはココナッツジュース、成熟したココナッツはココナッツミルクやココナッツオイル、そして繊維質や葉、殻まで活用されているココヤシはまさに全てが活用できる万能な木であると言うことができます。
以上、マレーシア料理に欠かせないココナッツについての特集でした!
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