サクサクに焼き上げられたトーストのなかで溶け合うカヤとバター。
…こんなたまらない美味しさを持つマレーシアのカヤトーストには、普通の食パンを使ったものだけではなく、様々なバリエーションがあることをご存知ですか?
この記事では、マレーシアのカヤトーストの概要と種類について紹介します。
目次
カヤトーストとは?
カヤトーストは、こんがり焼いた2枚のパンの間に、ココナッツジャムのKaya(カヤ)やバターを塗ったトーストになります。
マレーシアやシンガポールのコピティアム(コーヒーショップ)で食べる定番の朝食です。
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カヤトーストの歴史
カヤトーストは、イギリスがマラヤを統治していたBritish Malaya(ブリティッシュ・マラヤ)の時代に、中国からマレー半島に移り住んだ海南の人々によって作られたものだと言われています。
なぜ、中国の海南の料理人がカヤトーストを作ったのか?
マラヤに渡ってきた海南の人々はイギリス人の料理人として働く人が多く、そんなマラヤでは英国の影響を受けつつ、独自のアレンジを加えて誕生した料理がいくつかあります。
代表的なものがカヤで、欧米のジャムの製法をアレンジし、現地で入手しやすいココナッツを使って作り上げたものになります。
カヤをパンに塗り、これがカヤトーストになりました。
カヤトーストの食べ方
カヤトーストは、
…と一緒に食べる形が一般的です。
卵やコピにディップ
カヤトーストとハーフボイルドエッグにディップしたり、コピやテーにディップして食べる形も定番です。
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カヤバタートーストにまつわる豆知識
カヤトーストの豆知識について簡単に紹介します。
伝統製法は炭火焼き
パンをトーストする時の伝統製法は炭火。
今でも炭火にこだわってトーストを焼いているお店はあるものの、数はかなり少なめです。
現在は、トースターを使うお店が大半になっています。
上記画像は、ペナンにあるToh Soon Cafeという有名なコピティアムで、炭火でパンを焼いているところになります。
カヤトーストとカヤバタートースト
「カヤトーストください」と言って注文した場合、お店によってバターなしのカヤだけのケースも多くあります。
この場合、
- カヤトースト:カヤ+トースト
- カヤバタートースト:カヤ+バター+トースト
…を区別していて、「カヤバタートースト」と言って注文しないとバターなしのカヤトーストになってしまうので注意が必要です。
はっきり区別しているお店では、
- Kaya Toast(加央烤麵包)
- Butter & Kaya Toast(雪油加央烤麵包)
…などとメニューに記載されていると思います。(Kaya&ButterであったりButter&Kayaであったり多少の表記の違いはありますが、どちらも同じものです。)
中国語表記の場合、カヤトーストは加央烤麵包、カヤバタートーストは雪油加央烤麵包(または加央雪油烤麵包)で、雪油はバター、加央はカヤ、烤麵包はトーストを意味します。
メニューがないコピティアムで不明な場合は、注文時にカヤバタートーストと言うか、お店の人に確認することをおすすめします。
Roti BakerとRoti Kahwin
マレー語でトーストを意味するRoti Baker(ロティバカー)。
Rotiはパン、Bakar(バカー)はグリル(焼く)という意味があります。
マレー語でカヤトーストは、Roti Bakar Kaya、カヤバタートーストはRoti Bakar Kaya Butterになります。
カヤバタートーストを意味するRoti Kahwin(ロティカーウィン)
カヤバタートーストを意味する言葉として、Roti Kahwin(ロティカーウィン)という表現を使うこともあります。
Kahwin(カーウィン)は、マレー語で結婚を意味する言葉です。
カヤとバターを組み合わせるマリアージュという形でRoti Kahwinと呼ぶ点は、マレーシアらしいユニークなポイントになります。
バターとマーガリン
カヤトーストを販売しているお店には、
- カヤ+バター
- カヤ+マーガリン
…という選択肢があるケースがあります。
また、バターがなくマーガリンのみのケースもあります。
選べるパンの調理法
- 焼く
- 蒸す
…の2パターンが定番です。
焼いたパンだけではなく、蒸したパンの選択肢があるところがポイントで、蒸したパンを使ったメニューの表記は、
- Kaya Steamed Bread
- Butter Kaya Steamed Bread
…などのような表現になっています。
蒸したパンを注文すると、パンを蒸籠に入れて提供してくれるお店もあります。
カヤトーストのパンの種類
食パンを使った定番のカヤトースト以外にも、色々なパンの種類があります。
ここでは、代表的なパンの種類について紹介します。
①海南麺包(ハイナンブレッド)
カヤトーストに定番のパンは、海南麺包(Hainanese Bread)。
ふわふわっとした食感の食パンになります。
伝統的なコピティアムで使われている定番のパンで、クアラルンプールだと、Yut Keeで海南パンを使った美味しいカヤトーストを食べることができます。
②太空麺包(バン)
太空麺包も定番です。
英語でBun(バン)と呼ぶパンで、Bunを使ったカヤバターのパンは、Kaya Butter Bun(カヤバターバン)として、販売されていることが多いです。
海南麺包(Hainanese Bread)と比較して、太空麺包はふかふかとした厚みがあるところが特徴です。
太空麺包も焼く調理法に加え、蒸したものを注文できますが、トーストした太空麺包は、外側がサクサク、内側がふわふわでとても美味しいです。
「普通のカヤバタートーストに飽きたな…」という時に、カヤバターバンはおすすめです。
③Benggali Bread(バンガリブレッド)
ペナンのカヤトーストに定番のBenggali Bread(バンガリブレッド)。
バンガリブレッドは、クラストの香ばしさと弾力のあるクラムが特徴のパンです。
海南麺包と似ているため、同じものとして扱われることもありますが、クアラルンプールで海南麺包と呼ばれるパンとは一線を画す香りと食感があります。
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バンガリブレッドはペナン特有のもので、ペナンの多くのコピティアムで昔から使われているパンになります。(一部、バンガリブレッドを使っていないお店もあります。)
いわゆるイギリス食パンのようなものですが、ペナンで食べるカヤトーストが格別に美味しく感じるのは、このバンガリブレッドによるところも大きいと感じています。
例えば、以下の記事で紹介しているお店は、バンガリブレッドと自家製の美味しいカヤを使ったカヤトーストを提供しています。
Hutton Lane Roti Bakarは、様々なトースト料理とロティチャナイを販売しているお店になります。
インド系イスラム教徒のMamakの人が経営するお店で、カヤはMamakの人がよく使うタイプのすごく甘いものを使っていますが、トーストの焼き方が絶妙でとても美味しいです。
④牛角包(クロワッサン)
カヤ+バターをクロワッサンで挟んだカヤバタークロワッサンもあります。
クロワッサン自体にたっぷりのバターが使われているものの、カヤ+バターを合わせるとさらに美味しくなります。
カヤバタークロワッサンを販売するお店では、ハム+エッグサンドイッチなどのメニューがあることが多いです。
クロワッサンとカヤの組み合わせは比較的新しいメニューなので、扱っていないコピティアムの方が多いものの、クアラルンプールでは割と色々なところでクロワッサンカヤトーストを提供しています。
例えば、Thong Kee Cafe。
Thong Kee Cafeは、クロワッサンのほか、ベークルやドーナツなども扱っていて、パンの種類が非常に豊富です。
クアラルンプールのチャイナタウンにある人気コピティアムの何九海南茶店。
伝統あるコピティアムですが、カヤバタークロワッサンやハム&エッグのクロワッサンも提供しています。
同じくクアラルンプールのチャイナタウンにあるKafei Dian。
Kafei Dianでは、カヤバタークロワッサンのほか、カレー、チーズ&エッグ、チーズ&ハム、鶏肉の肉鬆(チキンフロス)のクロワッサンメニューがあります。
トーストのバリエーション
マレーシアには、カヤ+バター、カヤ+マーガリン以外にも、色々なバリエーションのトーストがあります。
生熟蛋烤麵包(Half Boiled Egg Toast)
カヤトースト以外のバリエーションとしてよくあるのが、生熟蛋烤麵包(Half Boiled Egg Toast)。
Half Boiled Egg(ハーフボイルドエッグ)をトーストの上にのせたパンになります。
マレー語ではRoti Bakar Telur Goyangと呼ばれています。
卵をツンツンすると、黄身がトロトロと溢れ出て、トーストに絡み合います。
Sugar Butter Toast
トーストの上にバター(またはマーガリン)を塗り、砂糖をまぶしたシュガー&バタートースト。
素朴な味の美味しいトーストです。
Peanut & Kaya Toast
ピーナッツを使ったパンも一般的です。
上記画像は、カヤとピーナッツをサンドしたPeanut & Kaya Bun(ピーナッツカヤバン)。
Roti Titab
トーストの上に、ハーフボイルドエッグとカヤをのせたRoti Titab。
パンの4角にカヤがのっているユニークな見た目が特徴です。
Roti Titabのパンはしっかりした厚みがあり、フレンチトーストのような味がします。
クランタン州のKota Bharu(コタバル)で人気のカヤトーストで、Kopitiam KitaというコピティアムのRoti Titabが非常に有名です。
Roti Titabはクアラルンプールにはあまりないものの、Petaling Jaya(プタリン・ジャヤ)にあるNasi Pak Manというお店のRoti Tik TakがRoti Titabに似ています。
❤︎Nasi Pak Manの詳細はこちら↓↓↓
マレーシアのカヤトーストの価格
マレーシアのコピティアムにおけるカヤバタートーストの値段は、RM3〜RM4程度です。
日本円で90円〜120円というイメージになります。
また、カヤバタークロワッサンはもう少し高くなり、RM6〜RM7くらい(約180円〜210円)程度になります。
ただ、これらはコピティアムで食べる時の平均的な価格で、おしゃれなカフェやレストランだともう少し高めの価格設定になっていることが多いです。
また、OldTown White CoffeeやToast Box、Ya Kun Kaya Toastなどのフランチャイズ系のお店も、一般的なコピティアムよりも少し高めに値段になっています。
Toast Box(トーストボックス)とYa Kun Kaya Toast(ヤクンカヤトースト)は、シンガポール発のお店になりますが、マレーシアにも店舗があります。(ただ、オールドタウンほど店舗数は多くありません。)
また、ヤクンカヤトーストは、日本に進出しています。
カヤバタートーストは自宅で作ることができる?
できます。
カヤバタートーストは、
…というシンプルな素材で作られているため、これらの材料があれば自宅でも簡単に作ることができます。
ただ1つだけキーポイントがあり、それは、
美味しいカヤを手に入れること。
マレーシアでは、安いものでRM5程度(約150円)でカヤを購入することができるので、日本で美味しいカヤトーストを楽しみたい時はお土産に購入する形がおすすめです。
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まとめ:マレーシアのカヤトーストは美味しい
マレーシアで定番のカヤトースト。
パンには色々な種類があり、海南麺包を使った定番のカヤトーストを食べたことがある場合は、バンやクロワッサンなどを試してみる形もおすすめです。
バンガリブレッドを使ったカヤトーストはとても美味しいので、ぜひペナンで食べてみてください。
以上、マレーシアのカヤトーストについての紹介でした!
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