マレーシアのPahang(パハン)州の郷土料理であるIkan Patin Masak Tempoyak。
Tempoyakと呼ばれるドリアンを発酵させたペーストと唐辛子やターメリックなどを使ったソースに、マレー語でIkan Patin(イカンパティン)と呼ばれるナマズの一種のPatin(パティン)を加えて作る料理です。
パハンの名物料理であるものの、クアラルンプールにもIkan Patin Masak Tempoyakを提供しているお店が少ないながらもいくつかあり、なかでもPantai Dalam(パンタイダラム)にあるKak Nik Patin Houseが有名です。
この記事ではKak Nik Patin Houseについて紹介します。
目次
クアラルンプールにあるKak Nik Patin House
クアラルンプールのPantai Dalam(パンタイ ダラム)にあるKak Nik Patin House。
いつも非常に多くのお客さんで賑わっている場所です。
Kak Nik Patin Houseで提供されている料理には、Masak Pais、Masak Tempoyak、Masa Pedas、Masak Lemak、Masak Goreng Kunyitなど様々な調理法が用いられています。
Masak(マサッ)はマレー語で調理法を意味し、例えばMasak Paisはバナナリーフに包んで調理する方法、Masak TempoyakはTempoyakを使った調理法で、ほかにもココナッツミルクを加えて煮込んだもの、ターメリックで味つけして揚げたものなど、様々な料理があります。
Kak Nik Patin Houseの看板料理はナマズのパティンを使ったIkan Patin Masak Tempoyak。
chili padi(チリパディ)を含む唐辛子とフレッシュターメリックでペーストを作り、それに水やドリアンを発酵させたペーストのTempoyakを混ぜたベースにパティンを加えて煮込んで作る料理がIkan Patin Masak Tempoyakになります。
黄色い色味はターメリックによるものです。
Kak Nik Patin Houseには、ナマズ以外にも様々なシーフードがあります。
貝や魚。
ココナッツミルクを使った貝料理。
料理に添えるサラダ類。
野菜類には火を通した料理(野菜炒め)もあります。
上記画像は苦瓜を卵と一緒に炒めたゴーヤチャンプル的な料理になります。
お店はセルフサービスのビュッフェスタイルで、お皿に白いご飯をよそって、メインディッシュやおかずを好きなだけ選ぶことができるようになっています。
お持ち帰りする時は、プラスチックのタッパーや袋に好きなものを入れて、レジカウンターで精算します。
発酵ドリアンを使ったナマズ料理!Ikan Patin Masak Tempoyak
Kak Nik Patin Houseのナマズ料理には、
- Patin Sangkar Sg Pahang
- Patin Buah Liar Sg Pahang
…というメニューがありますが、お店で提供しているナマズはPatin Sangkar(パティンサンカー)がメインです。
Patin SangkarのSangkar(サンカー)という言葉にはかごや檻という意味があり、Patin Sangkarはケージのなかで育った養殖魚になります。
一方、Patin Buahは天然のパティンになります。
天然のパティンは高級魚、養殖がメイン
淡水魚のPatin(パティン)。
東南アジアが原産の淡水魚として知られていて、マレーシアにおいては、Pahang(パハン)州がIkan Patin(イカンパティン)の産地として有名です。
特にSungai Pahang(パハン川)の近くにあるTemerlohという場所が最も有名です。
天然のパティンは数が減少していることから価格が非常に高く、高級魚として位置づけられていて、口にすることが多いパティンは養殖のものになります。
Kak Nik Patin Houseで料理に使われている魚の写真。
ほぼ淡水魚で、オニテナガエビのUdang Galahも淡水の海老として知られています。
Ikan Patin Masak Tempoyakは美味しい?
Ikan Patin Masak Tempoyakは甘さのなかにピリピリとする辛さ、そして味噌のような深いコクがあり、そしてドリアンの風味がする…というテイストで、非常に美味しいです。
普通の唐辛子に加え、強烈な辛さを持つchili padi(チリパディ)を使っていることから、ピリピリとした辛さがありますが、甘みもしっかりあります。
Kak Nik Patin HouseのPatin(パティン)は非常に滑らかかつ柔らかい食感で、淡水魚特有の臭みを感じることはありません。
Ikan Patin Masak Tempoyakは白いご飯によく合い、ご飯がすすみます。
Tempoyakとは?どうやって作られるの?
Tempoyakはドリアンを発酵させたペーストである…ということは本記事の冒頭部分で簡単に紹介しましたが、「そもそもTempoyakって、どうやって作られているの?」と疑問に思うことがあると思います。
種を取り除いたドリアンの果肉に塩を加え、よく混ぜ合わせてペースト状にしたものを密閉容器に入れ発酵させる形でTempoyakは作られています。
塩のほか、少量の砂糖を加えて作るTempoyakのレシピもあります。
Tempoyakに使うドリアンは、余ったものや安いもの、質の低いもので、高価なものは使われません。
一般的にはKampung Durian(カンポンドリアン)と呼ばれる安いドリアンが使われています。
Tempoyakは旬が過ぎた後にドリアンを保存する方法として、昔からマレーシアのマレー系の人やインドネシアの人々の間で用いられている手法になります。
Tempoyakの発音について(テンポヤック?タンポヤ?)
Tempoyakは日本語的にそのまま読むとテンポヤックになりますが、最後のkは発音しません。
カタカナで表現すると、テンポヤやタンポヤになりますが、どちらかと言うとタンポヤ(タンポヤッ)という方がマレー語本来の音に近いものがあります。
唐辛子を加えたSambal Tempoyak
調味料として使われるTempoyak。
Ikan Patin Masak TempoyakはTempoyakを使った代表的な料理の1つですが、アンチョビやプタイという豆と一緒に調理されることもよくあります。
また、唐辛子を加えたものはSambal Tempoyakと呼ばれています。
Kak Nik Patin Houseでは、Sambal Tempoyakの販売をしています。
Sambal Tempoyakは白いご飯に合わせたり、鶏肉や魚料理のディッピングソースにしても美味しいです。
野菜スティックにもよく合います。
自宅でサンドイッチを作った時に、スプレッドとしてSambal Tempoyakを使ってみたところ、意外と美味しかったです。
アイディア次第で色々な使い方ができる優れた調味料です。
ただ、チリパディが使われているので、ピリピリする辛さがあり、ドリアンの味もしっかりあるため、「ドリアン好き!辛いもの好き!」という人におすすめの調味料です。
Kak Nik Patin Houseのロケーション
住所:102, Lebuhraya Baru Pantai, 59200 Kuala Lumpur
最寄駅を挙げるとすればKTMのPantai Dalam駅になりますが、お店へのアクセスは車利用をおすすめします。
クアラルンプールでPatin Tempoyakが食べたい時におすすめ
ドリアンが好きではない人は、ドリアンを発酵したペーストが使われている…と聞いただけで苦手意識を持ってしまうかもしれませんが、Ikan Patin Masak Tempoyakはドリアン好きにはたまらない美味しい料理です。
「ドリアンが大好き!」という人は、ぜひ試してみてください。
また、Kak Nik Patin Houseは、Ikan Patin Masak Tempoyak以外のほかの魚料理も安くて美味しいです。
以上、Kak Nik Patin Houseについての紹介でした!
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