肉にかわりうるタンパク源として高いポテンシャルを持ち、近年、欧米を中心に世界で高い注目を集める代替肉(だいたいにく)。
豆類などの材料を用い肉の味や食感を再現した植物性の食品で、健康・環境・動物福祉、そして食糧問題などの観点から、代替肉という新たなオプションを取り入れる動きが食品&飲食業界で加速しています。
そんな代替肉ビジネスの先駆者と言われ、業界を牽引するのはBeyond Meat(ビヨンドミート)。
マクドナルドの2021年新商品、McPlant(マックプラント)をマクドナルドと協同開発したことでも知られ、世界から高い関心を集めています。
この記事ではBeyond Meat(ビヨンドミート)の詳細と同社が販売する代替肉の味についてレビューします。
目次
BEYOND MEAT(ビヨンドミート)とは?
2009年、Ethan Brown(イーサン・ブラウン)氏によってアメリカで創業したBeyond Meat(ビヨンドミート)。
✔︎肉を作るのにどうして動物が必要なのか?
✔︎植物から直接作ることはできないのか?
…という疑問が代替肉の開発に繋がり、植物由来の素材で作った遺伝子組み替えなし・大豆なし・グルテンフリーの代替肉の製造&販売をする企業として急成長しています。
Beyond Meat(ビヨンドミート)公式サイトの情報によると、2020年12月31日現在、世界80ヵ国以上、122,000をこえる店舗で同社の商品が広く販売されています。
ビヨンドミートの商品ライン
- Beyond Meatballs(ビヨンドミートボール)
- Beyond Breakfast Sausage(ビヨンドブレックファーストソーセージ)
- Beyond Burger(ビヨンドバーガー)
- Cookout Classic(クックアウトクラシック)
- Beyond Sausage(ビヨンドソーセージ)
- Beyond Beef(ビヨンドビーフ)
- Beyond Beef Crumbles(ビヨンドビーフクランブル)
…など色々な商品があります。
ビヨンドミートは何で作られているの?主要な原材料は?
動物性の肉の味や食感に近づけるだけではなく、代替肉から得ることができる栄養素を肉と同等、またはそれ以上にする…という考えのもと、以下の素材を中心に代替肉が作られています。
- タンパク質:エンドウ豆、ムング豆(緑豆)、ソラマメ、玄米
- 脂質:ココアバターやココナッツオイル、エクスペラープレスされたキャノーラ油
- ミネラル:カルシウム、鉄、塩、塩化カリウム
- 色やフレーバー:ビートルート・りんご・ザクロの抽出液など
- 炭水化物:ポテトスターチ、メチルセルロース
ほかにも、ヒマワリレシチンなどが使われています。
ベジタリアンレストランのなかには、大豆を活用してお肉に似せた料理を提供しているケースがよくありますが、ビヨンドミートの代替肉は大豆を使用していないということも特徴の1つです。
Beyond Meat(ビヨンドミート)の商品パッケージにも、大豆が使われていないことを示す「NO SOY」という表記があります。
ソイフリー(大豆フリー)商品も一種のトレンドとして増えてきていると感じています。
植物性パティであるBeyond Burger(ビヨンドバーガー)の原材料表示。
上記で紹介した素材が使われていることがわかります。
Beyond Burger(ビヨンドバーガー)にピーナッツは含まれていないものの、エンドウ豆やムング豆などマメ科植物が使われていることから、ピーナッツに対して強いアレルギー反応が出る人は念のため摂取に気をつけるようにとの表記があります。
マクドナルドとマックプラントを協同開発
以前からCarl’s Jr.(カールスジュニア)やSubway(サブウェイ)のほか、KFC(ケンタッキー)やPizza Hut(ピザハット)など、アメリカの大手ファーストフードチェーンとコラボしていたBeyond Meat(ビヨンドミート)ですが、マクドナルドとの協同でも知られています。
2019年、Beyond Meat(ビヨンドミート)の植物ベースのパティを使ったハンバーガーのテスト販売をカナダのオンタリオで実施。
2020年11月、マクドナルドは新商品のプラントベースのハンバーガー、McPlant(マックプラント)の販売を2021年から開始することを発表しました。
このMcPlant(マックプラント)はBeyond Meat(ビヨンドミート)がマクドナルドと一緒に開発したもので、2020年11月時点ではBeyond Meat(ビヨンドミート)がサプライヤーになるのかどうかということが明確になっていませんでしたが、マクドナルドと3年間に渡るグローバル戦略提携したことを2021年2月25日づけのプレスリリースでBeyond Meat(ビヨンドミート)社が発表しています。
同日、KFC(ケンタッキー)・Taco Bell(タコベル)・Pizza Hut(ピザハット)を傘下に持つYum! Brands(ヤムブランズ)との数年に及ぶ提携も発表しています。
代替肉や培養肉というキーワードが取り上げられることが増えてきた近年。
Beyond Meat(ビヨンドミート)のほかにも、プラントベースの代替肉を販売する企業が増えています。
Beyond Meat(ビヨンドミート)と肩を並べるライバル企業が同じくアメリカのImpossible Foods(インポッシブル・フーズ) 。
BURGER KING(バーガーキング)がImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)のパティを使った商品をアメリカ市場でImpossible Whopperとして販売するなど、インポッシブルの人工肉を使ったハンバーガーを販売しているお店が増えてきています。
ビヨンドミートの味は?美味しい?
お肉を食べているような満足感があります。
代替肉に限らず色々なプラントベースの商品を試してみて、「これは失敗…普通の方が良い」と思うことがよくあるのですが、Beyond Meat(ビヨンドミート)は率直に美味しいと感じました。
特にビヨンドバーガー(パティ)については想像以上に肉感があり、パティをレタスやチーズなどと一緒にハンバーガーにして食べると、「普通のハンバーガー食べてる!」という感覚があります。
ビヨンドバーガー(パティ)の作り方
ここからは実際にBeyond Meat(ビヨンドミート)の商品を食べてみたレビューについて紹介します。
まずはBeyond Burger(ビヨンドバーガー)。
パティは2つ入っています。
ビヨンドバーガーの栄養成分表時
カロリーのほか、飽和脂肪酸やナトリウム、カルシウムや鉄分などの栄養成分表示。
ビヨンドバーガーの作り方
冷凍している場合は、冷蔵庫で解凍してから調理します。
焼き時間の目安は片面あたり4分。
一度解凍したものを再冷凍はしないようにとの注意事項が記載されています。
スキレットを使って焼いてみました。
焼いていると、本物の肉のパティのように「肉汁」が出てくることにちょっとした驚きがありました。
焼き上がり。
バンズにパティを挟み、レタス、レッドオニオン、トマトのほか、チーズを加えて食べてみたら、普通のお肉を使ったハンバーガーと変わらない味がしました。
パティ自体にしっかりと味がついているので、ソースなしで、パティ+野菜+チーズだけで十分美味しいです。
合い挽き肉を練って作ったパティと比較すると、若干ポロポロした食感があるものの、植物由来の素材でここまで肉感を再現したのはすごい…と感じています。
Beyond Burger(ビヨンドバーガー)のパティを単体で口にすると、肉のパティと少しだけ違うな…と思うところはあるものの、バンズに挟んで食べてみると普通のハンバーガーにひけをとりません。
ビヨンドソーセージの作り方
続いてBeyond Sausage(ビヨンドソーセージ)。
いくつかフレーバーがありますが、上記はオリジナルフレーバーです。
ビヨンドソーセージの作り方
ビヨンドバーガーと同じように、冷凍している場合は解凍してから調理します。
スキレット・グリラー・鉄板、それぞれの調理方法が記載されていますが、私はスキレットでの調理を選択しました。
この場合、中火で約6分焼きます。
解凍したBeyond Sausage(ビヨンドソーセージ)。
ころころ転がして焼いていきます。
ソーセージからも油が出てきます。
外側の皮はパリッと仕上がります。
本物のソーセージとほとんど変わらない味です。
Beyond Sausage(ビヨンドソーセージ)を焼きすぎてしまった時は、ややパサパサ感が気になることがありましたが、パッケージに記載されている時間をしっかり守って焼いてみたら、ジューシーに仕上がったので、火を入れすぎないように注意するとより美味しく仕上がると思います。
Beyond Sausage(ビヨンドソーセージ)は普通のソーセージと同じように、ホットドックにしたり、粒マスタードをつけてそのまま食べても美味しいです。
粒マスタードはMAILLE(マイユ)の商品をよく使っています。
自宅でピザを作った時に、調理前のビヨンドソーセージ(解凍した状態のもの)をスライスしてピザ生地にのせてオーブンで焼いてみたことがありますが、ソーセージから汁が出て生地がベトっとしてしまったので、ビヨンドソーセージを別途調理してから後のせする方が良かった…と感じました。
ビヨンドソーセージをアレンジして使う場合は、注意した方が良いかもしれません。
まとめ
日本においても、モスバーガーのソイパティや無印良品の大豆ミートなど、大豆をベースにした植物性代替肉を販売する動きが見受けられ、代替肉は世界的なトレンドとして今後爆発的に進化していくビジネスであると感じています。
代替肉が体に良いのかどうかについては色々な意見がありますが、私自身は肉以外のオプションがあることは良い…と感じているので、加工食品であるということは理解した上で気になるプラントベース食品を普段の食生活のなかに取り入れています。
肉感がごく本物に近く再現されているBeyond Meat(ビヨンドミート)は肉の代替えとして「アリ」です。
以上、Beyond Meat(ビヨンドミート)についての紹介でした!
❤︎植物性ミルクのおすすめはこちら↓↓↓
❤︎プラントベースの素材を使ったお米の詳細はこちら↓↓↓