マレーシアの公共交通機関を利用する時に便利なTouch ’n Go(タッチアンドゴー)。
この記事では、マレーシアのTouch ’n Go(タッチアンドゴー)の概要と2022年に新しく登場したNFCカードの詳細、購入場所やチャージ方法ついて紹介します。
目次
マレーシアのTouch ’n Go(タッチアンドゴー)とは?
Touch ’n Go(タッチアンドゴー)は、マレーシアで広く利用されているプリペイド式のスマートカードになります。
Touch ’n Goを略して、TnGと記載されることもあります。
タッチアンドゴーの基本機能
…などが基本的な機能で、公共交通機関や高速道路をキャッシュレスで利用することができます。
上記画像は、クアラルンプールのLRT改札機。
「Touch Card or Token Here」と書かれた赤い部分にカードをタッチして使います。
公共交通機関については、LRT、MRT、モノレール、KTM、バスのほか、KLIAエクスプレスもTouch ’n Go(タッチアンドゴー)で乗車可能です。
Touch ’n Goが導入された歴史と背景
Touch ’n Go(タッチアンドゴー)が、マレーシアにはじめて導入されたのは、今から26年以上前の1997年。
高速の料金所に導入されたシステムで、現金ではなくカードを利用することでスムーズな流れを生み出し、料金所における混雑を緩和するために開発された技術になります。
進化を続けるタッチアンドゴー
高速道路でのサービスからはじまり、駐車場や公共交通機関にサービスを横展開、さらに機能の向上など、進化を続けています。
2017年に開始されたTouch ’n Go eWalletは、タッチアンドゴーの電子マネー決済システムのアプリで、多様な機能を持ちます。
NFC機能が搭載された新しいタッチアンドゴー
2022年に新しく登場したNFC機能付きのTouch ’n Go(タッチアンドゴー)。
NFCはNear Field Communication、日本語で近距離無線通信を意味します。
NFCカードはシンプルなものから、デザインが施された限定版のカードも販売されています。
また、NFCのTouch ’n Go(タッチアンドゴー)には、カード型だけではなく、限定版のキーホルダー型の商品もあり、バッグにぶら下げて使うことができます。
Touch ’n Go NFCカードは何が異なる?
従来のタッチアンドゴーにはない新機能として、NFC対応の新カードには、
…という特徴があります。
NFCが搭載されたスマホとTnGのNFCカードがあれば、TNG eWalletのスマホアプリ経由で、いつでもどこでも、好きな時にチャージすることができ、以前よりも利便性が大きく向上しています。
Touch ’n Go eWallet(イーウォレット)は、マレーシア人に限らず、外国人でも登録は可能です。
ただし、公式サイトの情報によると、アプリの登録にはマレーシアまたはシンガポールの電話番号が必要となっています。(2023年2月時点の情報に基づきます)
今後サービスの範囲を拡大する可能性はあるものの、現時点では在住者向けのサービスになっています。最新の情報はTouch ’n Go公式サイトで確認することをおすすめします。
TnGのeウォレットにチャージする際、クレジットカードを選択して入金できますが、マレーシアやシンガポール以外で発行されたクレジットカードはチャージに使えないようです。(2023年2月時点)
調べてみたところ、「Wiseのデビットカード利用でTnG eWalletに入金できた!」という口コミ投稿がありました。
Wise自体がマレーシアをはじめ海外旅行に便利なので、旅行前にカードを発行しておくと役立ちます。
また、Wiseカードは海外のATMで現金の引き出しもできます。(特定の制限内であれば、手数料がかかりません。)
Touch ’n Goに有効期限はある?
有効期限はあり、カードの種類によって異なる年数になっています。
- 従来のタッチアンドゴー:10年
- NFCのタッチアンドゴー:7年
1年間全くチャージしたり利用していない場合は、休眠カードとなり、使えなくなってしまうので注意してください。
カードの有効期限は、カードの裏に記載されています。
EXPのところに記載されている数字が有効期限を示します。
「01/29」であれば、2029年1月が有効期限になります。
マレーシアを訪れる旅行者にTnGは必要?
マレーシア在住者には便利なタッチアンドゴーですが、旅行者にはあると便利なケースと不要なケースがあります。
あると便利なケース
マレーシア滞在中に、バスや電車に乗る機会が多い場合は、Touch ’n Go(タッチアンドゴー)があると便利です。
クアラルンプールを短期滞在で訪れる旅行者の人には、タッチアンドゴーではなく、KL TravelPassを利用する方法もあります。
KL TravelPassは、KLIAエクスプレスの乗車券(片道または往復)とRapid KLのLRT/MRT/モノレールが2日間乗り放題になったパスで、
- KLIAエクスプレス片道がセットになったパス:RM75
- KLIAエクスプレス往復がセットになったパス:RM120
…で購入可能です。
バス(Rapid KL Bus)やKTMに乗車するには、トラベルパスに別途お金をチャージする必要があります。(2023年2月時点の情報に基づきます。)
KLエクスプレスが往復でRM100程度かかり、タッチアンドゴーのカード代がRM10、それにプラスしてチャージが必要になるので、KL TravelPassは使い方によっては便利です。
KL TravelPassは、KLIAエクスプレスのカウンターで購入できるほか、日本にいながらオンライン購入も可能です。
クアラルンプール観光が中心であれば、乗り降り自由の観光バスのHop-on Hop-off(ホップオンホップオフ)の利用も便利です。
Hop-on Hop-oggの停留所がクアラルンプールの主要観光スポットをほぼ網羅しているので、クアラルンプール観光に便利な乗り物になります。
不必要なケース
移動手段はGrabやタクシー中心で、バスや電車を利用する予定があまりなければ、Touch ’n Go(タッチアンドゴー)がなくても大丈夫です。
もし、LRTやMRTなどを利用する必要がある時は、その都度、切符(トークン)を購入すれば良いので、電車に数回乗車する程度であれば、タッチアンドゴーがなくても特に不便ではありません。
トークン(切符)を購入する方法は以下の記事で紹介しています。
クアラルンプール市内の主要観光スポットはHop-on Hop-offで周遊し、郊外にある観光スポットはGrabを使う…という組み合わせも便利です。
タッチアンドゴーはどこで買える?販売場所
従来のタッチアンドゴーは、マレーシアの色々な場所で販売されています。
例えば、
- Touch ’n Go Hub
- TNGのセルフサービスキオスク(SSK)
- Rapid KL(LRT、MRT、モノレール)の駅のカスタマーサービスオフィス
- ドラッグストア(Watsons)
- 特定のガソリンスタンド
…などがあります。
タッチアンドゴーNFCカードに関しては、需要が供給をオーバーし、発売当初の2022年から在庫が品薄気味で、販売場所が限られているので注意してください。(2023年2月現在)
便利なTouch ‘n Go Hub
KLセントラル駅に直結したショッピングモールのNu SentralにTouch ‘n Go Hubがあります。
Touch ‘n Go Hubで販売されているカードの種類。
Touch ‘n Go Hubでは、新カードのタッチアンドゴーNFCカード(Enhanced TNG Card)の販売もしていますが、タイミングにより在庫がない場合もあると思うので、その点にご留意ください。
(2022年にお店に行った時は在庫なしと言われましたが、2023年になってからは在庫があるケースがあったり、入荷待ちになっているケースがあったり、まだまだ供給不足のようです。)
タッチアンドゴーハブはNu SentralのLevel 2にあります。
Touch ‘n Goのオフィスは、Bangsar Southにもありますが、Nu SentralにあるTouch ‘n Go Hubの方が利用しやすいので、KLセントラルに直結したタッチアンドゴーハブの利用をおすすめします。
TNGのセルフサービスキオスク(SSK)
タッチアンドゴーのセルフサービスキオスクでも、カードの購入ができます。
上記画像は、Touch ‘n Go Hubにあるセルフサービスキオスクになります。
セルフサービスキオスクでは、カードの購入のほか、カード情報の閲覧やチャージができます。
タッチアンドゴーのセルフサービスキオスクは、Touch ‘n Go Hub以外にも設置されていることがあり、上記画像はKLセントラル駅のLRTの切符売場にあるセルフサービスキオスクになります。
購入方法(買い方)
セルフサービスキオスクを使って購入する場合は、画面の表示に従うだけで購入できます。
キオスクのPurchase of Cardの箇所に一連の流れが記載されている通り、
- 言語を選択
- カード購入(Card Purchase)を選択
- リロードしたい金額を選択
- 確認(Confirm)のボタンをタップ
- 現金を投入(必要な金額をぴったり入れる)
- カードとレシートを受け取る
…こんな流れになります。
各窓口で購入する場合は、「タッチアンドゴーを購入したい」と伝えるだけで購入できます。
Touch ‘n Go Hubでは、お店の入口近くに順番待ち用の発券機があるので、券を取ってから呼び出されるのを待ちます。
Touch ’n Goの価格(値段はいくら?)
Touch ‘n Go Hubでは、普通カード1枚あたりRM10で販売されています。
従来のカードもNFCカードも、同じ価格のRM10です。
ただし、これはカード本体の価格で、チャージなしの値段になるため、カード購入時や利用前にチャージ(リロード)することを忘れないようにしてください。
Watsonsのドラッグストアの会員カードにタッチアンドゴーの機能がついたカードは、RM20で販売されています。
Watsonsで買い物する時に会員専用の割引価格が適用されたり、カードを有効化するとボーナスポイントがもらえたりと様々な特典があります。
Touch ’n Go NFCカードはスーパーのポイント利用で購入できる
マレーシア在住者向けの情報になりますが、タッチアンドゴーNFCカードは、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルのVillage GrocerやBen’s Independent Grocer、Leisure Grocer、BSC Fine Foodsにて、Bitesポイントとの交換(950ポイント)で購入することが可能です。
2022年12月末から開始されたBitesメンバー向けのサービスで、サービスカウンターで声をかけると対応してくれます。
NFCカード自体で品薄で在庫に限りがあるので、店舗によってはカードがないケースも考えられますが、Bitesポイントが余っていてNFCカードが欲しい場合は、スーパーで購入する方法も一案です。
チャージ(リロード)方法
タッチアンドゴーがチャージできる場所は、多岐に渡りますが、
- 手数料が無料の場所
- 手数料(50セント)がかかる場所
…があります。
ここでは簡単な方法として、公共交通機関の駅に設置されているセルフサービスキオスクを使ったチャージ(リロード)方法について紹介します。(チャージ料金がかからない方法になります。)
Touch ’n Goのマークがついた機械があれば、画面操作をするだけで簡単にチャージできます。
まずは、サービスの選択をします。
ここでは、Touch ‘n Go Cardをタップ。
続いて、Reloadのボタンをタップします。
キオスクを使ってカードの残高だけを確認したい時は、Balanceボタンを押します。
Insert card hereと書かれている場所にカードを差し込みます。
紙幣を投入します。
画面に記載されているように、複数の紙幣を投入する時は、1枚ずつ入れます。
また、機械によって使えない紙幣もあるので、念のため画面の注意事項に目を通してください。
お金を投入したら、チャージが完了する画面が表示されるのを待ったのち、最後にレシートとカードを受け取って手続きが完了です。
チャージができる機械には色々なものがありますが、リロードの流れは基本的に同じです。
利用したいサービスを選択します。
ここではチャージをしたいので、「Touch ’n Go Reload」のボタンをタップします。
機械のカード置き場に、カードを置いてくださいという指示が出ます。
「Place card here」と書かれたところにタッチアンドゴーを置き、画面の「PROCEED」ボタンをタップします。
カードを置くと、読み取りが開始するので、次の画面が表示されるまでそのまま待ちます。
チャージしたい金額(Reload Amount)を画面で選択すれば、チャージ完了です。
画面に残高や有効期限が表示されます。
NFCタッチアンドゴーとTNG eWalletのリンク方法
NFCのタッチアンドゴーを持っていて、かつeWalletを使っている場合は、スマホからチャージする形が便利です。
事前準備として、NFCカードとeWalletをリンクする必要がありますが、リンク方法は簡単です。
Touch ’n Goのアプリを起動させ、トップの画面にあるTNG Cardのアイコンをクリック。
Add Cardの+のマークをタップします。
「スキャンの準備ができました」という表示が出たら、NFCカードをスキャンします。
NFCカードをスキャンする時は、上記イラストのように、スマホの裏側にカードを接触させ、5秒ほどそのまま待ちます。
カード情報の読み取りが完了したことを知られる表示が出ます。
タッチアンドゴーの10桁のシリアルナンバーが表示されるので、間違いがなければ、Addボタンをタップします。
複数のカードを登録する場合、管理しやすいように、カードに名前を設定することも可能です。
従来のカードをeWalletに登録する時は、シリアル番号を手入力する必要がありましたが、NFCカードはタップするだけになっています。
これでTNF eWalletにNFCカードのリンクが完了です。
アプリ上で、タッチアンドゴーの残高や有効期限を簡単に確認することができる上、いつでも好きな時にチャージが可能です。
eWalletを利用して、タッチアンドゴーNFCカードにチャージしたい時は、アプリの画面にある「Reload」ボタンをタップして、手続きを進めていきます。
カードは最大5枚までeWalletに登録することができ、アプリの画面を横にスワイプすることで、カードの表示の切り替えができます。
まとめ
マレーシアの公共交通機関を使う時に非常に便利なTouch ’n Go(タッチアンドゴー)。
旅行者の人には必要なケースと、必要ではないケースがありますが、電車に乗ることが多い場合はリピーターの方は一枚持っていると便利です。
以上、マレーシアのTouch ’n Go(タッチアンドゴー)についての紹介でした!