インドネシアを発祥とするレイヤーケーキのLapis Legit(Kek Lapis)。
バウムクーヘンの兄弟のようなものでありつつ、異なる風味を持つLapis Legitは、インドネシア以外にマレーシアやシンガポールでも親しまれているお菓子です。
この記事では、インドネシアのレイヤーケーキの概要とその味について紹介します。
インドネシアのレイヤーケーキとは?
インドネシアのレイヤーケーキ、Lapis Legit(Kue Lapis Legit)。
Lapis(ラピス)はインドネシア語やマレー語で「層」を意味し、その名の通り、幾重にも層を重ねて作られるケーキになります。
英語では、
- Indonesian Layer Cake
- Thousand Layer Cake
…と呼ばれています。
複数のスパイスが味のアクセントになっている
数十個の卵とたっぷりのバターを使って作られるLapis Legit。
- シナモン
- カルダモン
- クローブ
- ナツメグ
…など、複数のスパイス(スパイスミックス)を生地に加えているところが大きな特徴です。
また、ケーキのなかにプルーンを入れて作るレシピも定番です。
フレーバー付きのレイヤーケーキもある
チョコレート、ドリアン、チーズを使ったLapis Legitなど、フレーバー付きのレイヤーケーキを販売しているお店もあります。
緑色をした上記画像のレイヤーケーキは、パンダンを使ったものになります。
フレーバー付きのレイヤーケーキも美味しいものの、レイヤーケーキ本来の味を楽しみたい場合は、オリジナルフレーバーがおすすめです。
Lapis Legitの起源とオランダとの関係
インドネシアでは、Lapis LegitをSpekukと呼ぶこともあり、これはオランダ語のSpekkoekが元になっています。
Spekはオランダ語でベーコンを意味し、Spekkoekを直訳するとベーコンケーキ。
インドネシアのレイヤーケーキがベーコンのような見た目をしていることから、このように呼ばれるようになったと言われています。
なぜ、インドネシアのレイヤーケーキにオランダ語のSpekkoekが使われているのかと言うと、その背景にはインドネシアの植民地時代の歴史が関わっています。
オランダのケーキが原型になっている、フュージョンケーキ
インドネシアのレイヤーケーキは、オランダによる植民地時代に、現在のジャカルタであるBatavia(バタヴィア)に駐在していたオランダの婦人たちが作っていたケーキのレシピが元になっています。
そのケーキは、Spit Cake(スピットケーキ)と呼ばれるもので、バウムクーヘンのように芯を回しながら生地を重ねて焼き上げるヨーロッパのお菓子になります。
ヨーロッパのケーキのレシピをベースに、インドネシアのスパイスをミックスして誕生したものがLapis Legitです。
ただ、Lapis Legitはスピットケーキやバウムクーヘンとは異なる焼成方法で、型に生地を流し入れ、平面状に層を重ねて作る手法が用いられています。
インドネシアのレイヤーケーキはどんな味?
基本的にはバウムクーヘンと似ているものの、ほんのりとしたスパイスの風味を感じることができます。
お店によってスパイスの香りの強さやケーキの質感が異なることがあるものの、日本で食べるバウムクーヘンと比較すると、油分が多いと感じることが多く、しっとり感が強めです。(食べ過ぎると胃がもたれることがあります。)
そのため、大きめサイズで販売されているLapis Legitを購入した時も、薄めの一口サイズにスライスして食べることが一般的です。
蒸して作るKue Lapis(クエラピス)との違い
インドネシアには焼いて作るレイヤーケーキ以外に、蒸して作るレイヤーケーキがあります。
層を重ねて作る…という調理ステップは同じであるものの、材料や調理方法、そして味が大きく異なります。
マレーシアでは、蒸して作るタイプのレイヤケーキを、クエラピス(Kuih Lapis)と呼び、日常的に口にするお菓子になります。
お店によって、焼き菓子のレイヤーケーキをKueh Lapisという商品名で販売していることもありますが、同じレイヤーケーキでも、焼く/蒸すの違いがあり、異なるお菓子になります。
Kek Lapisから進化したマレーシアのレイヤーケーキ
Lapis Legitをベースにして、マレーシアのSarawak(サラワク)州で進化したものがKek Lapis Sarawakと呼ばれるレイヤーケーキになります。
Sarawak州の名物であるKek Lapis Sarawakは、明るい色づかいと、多岐に渡るフレーバーを持つところが特徴です。
インドネシアのレイヤーケーキはマレーシアのどこで購入できる?
ここでは、クアラルンプールとペナンにあるお店について紹介します。
クアラルンプールで購入する場合
クアラルンプールで購入したい場合、便利なお店はAmbon Boenda。
インドネシア出身の女性オーナーが経営するお店で、上記画像の店舗はミッドバレーのThe Gardens Mallにある店舗になります。
Ambon Boendaでは、オリジナルフレーバーのほか、パンダンやプルーン、クランベリーなどのフレーバー付きのレイヤーケーキも販売しています。
こちらはモカチョコレートフレーバーのレイヤーケーキ。
The Gardens Mallにあるお店では、コーヒーなどのドリンクも注文できます。
ちょっとお茶したい時に便利なスポットです。
The Gardens MallにあったAmbon Boendaの店舗は、Mid Valley Megamall(ロケーション:LGC-05)に移動しています。
ミッドバレーに移転した店舗も閉店してしまい、現在はお店のオンラインショップから購入する形になっているようです。
ペナンで購入したい場合
ペナンで購入するなら、Tanjung BungahにあるSunflowerというお店がおすすめです。
オリジナルやプルーン入りレイヤーケーキのほか、コーヒーフレーバー、パンダンフレーバー、チョコレートフレーバー、オレンジフレーバーなどのレイヤーケーキも販売されています。
住所:546 C, Jalan Tanjung Bungah, 11200 Tanjung Bungah, Pulau Pinang
まとめ
インドネシアのレイヤーケーキは、調理に手間と時間がかかるため、高めの価格に設定されていることが多いものの、リッチな風味とスパイスの香りを堪能することができる美味しいケーキです。
また、バウムクーヘンに慣れ親しんでいる日本人の口に合うお菓子であるとも言えます。
以上、インドネシアのレイヤーケーキのLapis Legitについての紹介でした!