中国語を話す時、発音や声調を少しでも間違えるとネイティブスピーカーに
「はっ?」と聞き返される
…これはよくある話です。
日本人からすると何となく攻撃的なニュアンスに聞こえてしまい、「はっ?」と言わて凹んだ経験がある方も少なくないはずです。
そんな時に使える救世主的アイテムが翻訳アプリ。
しかしながら、「この単語、ちゃんと訳せないの?」というものも結構あります。
この記事ではGoogle翻訳アプリを台湾旅行で使うことを想定して、誤訳を防ぐための使い方のポイントや誤訳が出てしまった時の対処方法について解説します。
目次
Google翻訳アプリの便利な機能
まずはGoogle翻訳アプリの便利な機能について簡潔に紹介します。
台湾旅行中に手軽に利用できるGoogle翻訳アプリの便利な機能は以下の3つ。
- 音声&会話翻訳機能
- カメラ翻訳機能
- 手書き翻訳機能
旅行中にわからないことがあったら、音声&会話・カメラ・手書き機能を使って翻訳すれば、割と色々なことが解決します。
それぞれの機能の説明や操作方法については、下記の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
Google翻訳アプリは無料で利用できます。
Google翻訳アプリの弱み
特定の単語や地名などの固有名詞のなかには、日本語で音声入力した時に、Google翻訳アプリが認識できるもの・できないものがあります。
台北にある地名や観光スポットで例えると・・・
- 台北駅
- 故宮博物院
上記の単語はGoogle翻訳アプリが正しく認識できています。
一方で、その他の観光スポットや地名は認識できないケースがたくさんあります。
そのため、Google翻訳アプリが認識できない単語を使うと、翻訳結果が「おかしい…」ということになります。
そこで、どんな単語やフレーズが正しく訳せないのか&どんなことに注意すべきかということについて、実際にGoogle翻訳アプリを使って調べてみたので紹介します。
台湾旅行中に音声翻訳機能を使う時のポイント(単語編)
台湾旅行中によく使うだろうなと思う単語をいくつかピックアップして、音声翻訳で日本語→中国語に変換した時の翻訳の正確性をチェックしてみました。
例えば食べ物に関わる単語。
- タピオカミルクティー
- マンゴーかき氷
- パイナップルケーキ
- 牡蠣オムレツ
どれも旅行者がよく口にする台湾グルメです。
結果は以下の通りです。
アプリの翻訳 | 正しい翻訳 | |
タピオカミルクティー | 木薯奶茶 | 珍珠奶茶 |
パイナップルケーキ | 菠萝蛋糕 | 鳳梨酥 |
マンゴーかき氷 | 芒果刨冰 | 芒果冰(芒果刨冰) |
牡蠣オムレツ | 牡蠣煎蛋 | 蚵仔煎 |
タピオカミルクティーだと誤訳になる?!
「タピオカミルクティー」と日本語で音声入力した時の中国語訳がこちら。
「木薯奶茶」という翻訳結果が出ました。
木薯(mùshǔ)はタピオカの原材料そのものであるキャッサバを指します。
奶茶(nǎichá)はミルクティーという意味です。
木薯奶茶がどんなニュアンスになるのかと言うと、マクドナルドに行ってポテトフライを注文する時に「じゃがいもください」と言っているイメージです。
タピオカミルクティーは「珍珠奶茶」が正解
タピオカミルクティーに使われているタピオカパールは珍珠と呼ばれていて、タピオカミルクティーの正しい中国語訳は珍珠奶茶(zhēnzhū nǎichá・ジェンジューナイチャー)です。
ちなみに、大きなタピオカパールが使われたタピオカミルクティーは波霸奶茶(bōbà nǎichá)と呼ばれています。
正しい中国語訳を引き出すために、日本語で何と言えばいい?
珍珠奶茶という正しい中国語訳を日本語の音声翻訳から引き出したい時は「パールミルクティー」と言ってみてください。
「珍珠奶茶」という正しい中国語訳が返ってきます。
パイナップルケーキの翻訳も正しくない
パイナップルケーキは台湾で鳳梨酥(fènglí sū・フォンリースー)、台湾語の発音でオンライソーと呼ばれています。
Google翻訳アプリを使って中国語に訳してみると・・・
菠萝蛋糕(bōluó dàngāo)という言葉に翻訳されました。
これも「パイナップル(菠萝)」と「ケーキ(蛋糕)」をそのまま直訳したもので、本来の正しい翻訳が引き出せていないケースにあたります。
そもそもパイナップルという言葉は少し特別で、中国・香港・マカオでは菠萝(bōluó)と呼ばれていますが、台湾では鳳梨(fènglí)と呼ばれています。
ただ、パイナップルケーキに関しては鳳梨酥と言わなくても、台湾で「パイナップルケーキ」と言えば伝わるので、音声翻訳は必要ないかな…と思います。
牡蠣オムレツ
牡蠣オムレツと日本語で音声入力すると「牡蠣煎蛋」という翻訳結果が出ましたが、こちらも直訳されたものです。
牡蠣オムレツは台湾で蚵仔煎と呼ばれていて、台湾語ベースの発音でオアジェンと呼ばれることが一般的です。
*正確にはオアジェンではなく、少し喉を詰まらせた感じで発音するのですが、カタカナで表すことが難しいので、オアジェンと表記しています。
中国語名の名詞を日本語で音声入力すると変な翻訳になる
台湾グルメとして人気の小籠包・魯肉飯は、中国語の発音をベースにそれぞれ「ショウロンポウ」「ルーローファン(ルーローハン)」という方が多いと思いますが、これらの言葉で日本語音声入力すると、翻訳結果が少し変になります。
日本語で小籠包(ショウロンポウ)と音声入力した時の翻訳結果は「小竹子」。
魯肉飯に関しては「ルーローファン」「ルーローハン」「豚そぼろ飯」など、色々な形で音声入力してみましたが、Google翻訳アプリは言葉を正しく認識できませんでした。
台湾旅行中に音声翻訳機能を使う時のポイント(フレーズ&会話編)
現地の人と会話したい時はGoogle翻訳アプリの会話機能が便利です。
翻訳する言語を日本語と中国語に設定した上で、会話をはじめます。
例えば、日本語で「台北駅はどこですか?」と聞いてみます。
すぐに「台北车站在哪里」と中国語に翻訳されます。
中国語で「台北车站在前方的200米。」と回答すると、すぐに日本語訳である「台北駅は200m先にあります。」と翻訳されます。
「トイレはどこですか?」「バス停はどこですか?」「切符を一枚ください」のような旅行中によく使うような一般的なフレーズは、どれも自然な中国語で翻訳できます。
会話翻訳機能を使う時のポイント
会話翻訳機能を使っていて、翻訳を聞いた相手が変な顔をしていたり顔をしかめていたりしたら、それは誤訳になっていたり、不自然な翻訳になっているケースが多いです。
そんな時は言い方(表現方法)を変えてみるということをしてみてください。
より正確な翻訳結果を引き出すためのポイントとしては、以下の3つ。
- できるだけシンプルな言い回しをすること
- 余計な言葉を挟まないようにすること
- 特定の固有名詞を使うと誤訳になる可能性があることを覚えておくこと
言いたいことが長くなる時は、短文を繋げるイメージで話した方が良い印象です。
具体例をあげると、「道に迷ってしまったのですが、警察署はどこにありますか?」と言うよりも、「道に迷いました。警察署はどこにありますか?」と言った時の方がよりナチュラルで正確な翻訳結果を得ることができます。
「道に迷ってしまったのですが、警察署はどこにありますか?」と言った時の翻訳結果はこちら。
- 中国語:派出所在哪裡,雖然我迷路了
言いたいことは通じます。
でも、文章として少し変です。
「道に迷いました。警察署はどこにありますか?」と言った時の翻訳結果はこちら。
- 中国語:我迷路了 派出所在哪裡?
自然な翻訳になっています。
台湾旅行中にカメラ翻訳機能を使う時のポイント
日本人観光客が多いレストランなどには日本語メニューが用意されていることも多い台湾ですが、ローカルのお客さんがメインの大衆的なお店だとメニューは中国語のみというケースもあります。
そんな時にカメラ翻訳機能を試してみてください。
カメラ翻訳機能も万能ではないので、利用時のポイントについて紹介します。
カメラ翻訳機能の翻訳精度をチェック
中国語のメニューを使ってデモをします。
こちらは、迷客夏(milk shop)というドリンクスタンドの中国語メニューです。
メニューを見てみると・・・紅茶・烏龍・抹茶あたりの漢字はわかるけど、その他の漢字はわからないというケースがあると思います。
こちらのメニューをGoogle翻訳アプリのカメラで撮影して翻訳してみます。
カメラでメニューを撮影してみたところです。
翻訳したい箇所を指でなぞってハイライトすることで、翻訳することができます。
カメラで撮影した時にGoogle翻訳アプリが読み取れた文字は白い枠で囲まれています。白い枠で囲まれていない文字は読み取れていないことになります。読み取れないケースもよくあります。
まずは簡単なところから精度のチェック。
「珍珠鮮奶」を指でなぞってみると「パールミルク」と翻訳されました。日本語的な翻訳だとタピオカミルクですが、「パールミルク」でも何となく想像がつくと思います。
布丁鮮奶は「プディングミルク」と翻訳されました。
布丁はプリンという意味ですが、puddingという英語ベースで翻訳されています。
プディングミルクも何となく意味がわかります。
「桂圓鮮奶」の桂圓はドライロンガンという意味ですが、「竜眼(ロンガン)ミルク」ときちんと翻訳されています。
カメラ翻訳機能を使った時の誤訳例
「大甲芋頭鮮奶」というメニュー名を翻訳してみたら、思いっきり誤訳になりました。
はじめに解説しておくと、大甲芋頭鮮奶は大甲タロイモミルクという意味になります。
「大甲」は固有名詞で、台中にあるタロイモ(芋頭)の産地として有名な地名です。
では、Google翻訳アプリがどのように訳したのかと言うと・・・
日本語訳は「大きな鎧」
大甲芋頭鮮奶という言葉を認識できていないのか、大甲だけをキャッチして大きな鎧と訳してしまった模様です。
大甲は固有名詞で翻訳が難しいと思ったので「芋頭鮮奶」だけを翻訳してみました。
グーグルの答えは・・・
「太郎ミルク」
タロイモミルクの「タロ」が「太郎」に変換されてしまうらしく、結果として太郎ミルクと変換されてしまったようです。
テキスト入力や音声入力で「タロイモ」と入力すると「芋頭」と正しく訳してくれるのですが、なぜかカメラ翻訳機能だと「太郎」になってしまいます…。
「こんな誤訳、勘弁してよ!」と思うかもしれませんが、Google翻訳アプリが認識できない言葉はこんな翻訳を返してくるケースも多いです。
ちなみに、台湾には色々なタロイモを使ったデザートがあります。私はタロイモ餡(芋泥)が使われた包子が大好物です。
こちらがタロイモの包子。
お土産にタロイモケーキもおすすめです。気になる方は是非台湾で購入してみてください。
まとめ
この記事ではいくつか誤訳のケースを紹介しましたが、誤訳を恐れずにどんどんGoogle翻訳アプリを使ってみてください。
台湾には日本語ができる人が多い上、親切な人が多いので、Google翻訳アプリが変な訳をしても、きっとあの手この手で何が言いたいのかということを理解しようとしてくれる人が多いと思います。
特に会話翻訳の機能は便利です。
以上、台湾旅行中にGoogle翻訳アプリを使う時の誤訳を防ぐポイントや誤訳に直面した時の対処方法についての紹介でした!
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