クアラルンプールの観光スポット、チャイナタウン。
様々な人が行き交い、雑踏とした昔ながらの雰囲気が色濃く残るチャイナタウンは、エキゾチックでエネルギッシュな興味深いスポットです。
クアラルンプールのチャイナタウン(中華街)
ごちゃごちゃした感のあるクアラルンプールのチャイナタウン。
下調べせずに行くと、どこに何があるのかわからずに迷ってしまう&歩くだけ疲れてしまうこともあります。
効率良く観光するための第一ステップは、
チャイナタウンの全体像を把握すること
クアラルンプールのチャイナタウンはそれほど大きな規模ではないものの、ざっくりとした全体のイメージを頭に入れておくと、街歩きをする時に楽です。
KLチャイナタウンのイメージマップ
チャイナタウン中心部にあるJalan Petaling、英語でPetaling Street(プタリン・ストリート)がクアラルンプールのチャイナタウンを象徴する通りになります。(ピンクで色づけしている部分)
チャイナタウンエリアにある定番観光スポットとしては、
- セントラルマーケット
- スリ マハマリアマン寺院
- 關帝廟
このあたりが有名です。
また、Jalan Balai Polis周辺にあるJalan PanggongやLorong Panggung周辺は、2019年から新しいお店が続々とオープンし、Kwai Chai Hongのストリートアートと合わせ、新しい観光スポットとして注目を集めている要チェックのエリアです。
チャイナタウンの象徴、プタリンストリート
プタリンストリートには、Jalan Tun Tan Cheng Lock側とJalan Sultan側にゲートが一つずつあります。
Jalan Sultan側にあるゲート。
Jalan Tun Tan Cheng LockにあるJalan Petaling(Petaling Street)のゲート。
茨廠街の由来
Jalan Petalingの漢字表記は茨廠街。
茨廠街には、Starch Factory Street(スターチ工場ストリート)という意味があります。
葉亞來はクアラルンプールの歴史における重要人物です。
チャイナタウンの治安
治安は昔よりずっと良くなったと言われ、そこまで危ないというわけではありません。
再開発の手も加わり、新しくなってきているエリアでもあるので、実際にチャイナタウンを歩いていて昔よりも「怖い…」という雰囲気は減ったように感じています。
ただし、クアラルンプールの中でも特にスリやひったくりなどに気をつけた方が良い場所です。
人が増える夜間はもちろんのこと、比較的人が少ない昼間でも、念のため貴重品の管理には十分注意してください。
チャイナタウンの行き方【アクセス方法】
Jalan Petaling(Petaling Street)へ直接アクセスする場合、チャイナタウンから一番近いPasar Seni駅の利用がおすすめです。
Pasar Seni駅からは、
- Jalan Sultan側からアクセス
- Jalan Tun Tan Cheng Lock側からアクセス
…という2つの行き方があります。
どちらの通りからも道のりはシンプルです。
Jalan Sultan側からアクセスする方法
Jalan Sultan側からアクセスする場合は、MRT・Pasar Seni駅のA出口利用が便利です。
Pasar Seni駅のA出口。
A出口から真っ直ぐ歩いて行くと、左手側にJalan Petaling(Petaling Street)のゲートが見えてきます。
徒歩にして3〜4分程度です。
Jalan Tun Tan Cheng Lock側からアクセスする方法
Jalan Tun Tan Cheng Lock側からアクセスする時は、LRT・Pasar Seni駅方面の利用が便利です。
同じエリアにバスターミナルもあります。
LRTのPasar Seni駅を出たところです。
奥に見える水色の建物がセントラルマーケット。
セントラルマーケットを目指してまっすぐ歩き、セントラルマーケットがある前の通りを右に曲がります。
そこがJalan Tun Tan Cheng Lockになります。
このまま歩いて行くと、右手側にJalan Petalingのゲートが見えてきます。
LRTとMRTのPasar Seni駅はすぐ近くにあるので、実際のところはどちらの公共交通機関を使っても、Jalan Petalingへのアクセスは便利です。
MRTの路線図。
Bukit Bintang駅から2つ目にある駅がPasar Seni駅になります。
LRTはKelana Jaya Lineを利用します。
KL Sentral駅からは1駅、KLCC駅からは4駅でPasar Seni駅に到着します。
チャイナタウン(中華街)のグルメ
チャイナタウンには多くのお店があるので、エリア別に「この辺りにはこんなお店があるんだな…」ということを把握しておくと便利です。
ここでは、
- メインストリート周辺
- Jalan Sultanエリア
- Kwai Chai Hongエリア
…の3つのエリア別のグルメ情報を紹介します。
チャイナタウンで食事をするなら、Kwai Chai Hongエリアが一番おすすめです。人気のカフェやレストランがたくさんあります。
メインストリート周辺のグルメ
Jalan PetalingとJalan Hang Lekirが交わるエリア。
多くの観光客でひときわ賑わっているエリアです。
KIM SOYA BEAN
KIM SOYA BEAN(義钦豆腐花&豆浆水)は、豆腐花(豆花)や豆漿水などの豆乳商品を販売する老舗です。
お店の前には、マハティール前首相もKIM SOYA BEAN(義钦豆腐花&豆浆水)の豆腐花を好んで食べていたという記事があります。
こちらが豆腐花。
豆腐花にかけるシロップは、白糖または黒糖から好きなものを選ぶことができます。
潮州式のKIM SOYA BEANの豆腐花は、大豆のナチュラルなテイストがしっかり残っていて、素朴な味を堪能することができます。
冠記
冠記雲呑麺(Koon Kee Wantan Mee)はチャイナタウンにある有名なワンタンミーのお店です。
ワンタン麺以外にも、色々なメニューがあります。
汁なしのドライワンタン麺。
ドライのワンタン麺にはスープが別途ついてきます。
こちらはスープワンタン麺。
クアラルンプール出身のローカルの友人の中には、冠記のワンタンミーが好き&美味しいと言っている人もいますが、ほかのお店の方が美味しいという人もたくさんいます。
私自身はほかのお店と比較して、冠記のワンタンミーはごく普通…だと感じていますが、有名店なので興味がある人は食べてみても良いかな…と思います。
曼煎粿のお店
冠記雲呑麺(Koon Kee Wantan Mee)の前にある小さなお店。
マレーシアで親しまれている曼煎粿(パンケーキ)を販売しています。
曼煎粿にはふかふかの厚い生地タイプのほか、薄いクリスピータイプのものがありますが、こちらのお店ではふかふかタイプの曼煎粿を販売しています。
中にはたっぷりのピーナッツが入っています。
甘過ぎず、ほんのりとした甘さがある美味しいパンケーキです。
こちらはココナッツが使われたペナンスタイルのパンケーキ。
馬來糕のお店
冠記や曼煎粿のお店のすぐ横には、油條や蘿蔔糕、馬來糕などを販売するお店があります。(ただし、日によってお店が出ていない時もあるので注意してください)
おすすめは馬來糕。
このお店の馬來糕はすごく美味しいです。
漢記
冠記と同じ並びにある漢記(Hon Kee Porridge)。
刺身がセットになった魚のお粥が人気で、朝ごはんを食べに来るお客さんが多いお店になります。
漢記のお粥はトロトロになるまで煮込んだタイプのもので、滑らかな口あたりのお粥です。
我来也&龍記
Jalan Hang Lekirには、我来也と龍記というマレーシア生まれの有名な肉乾(バクワ)のお店があります。
日本を含め、肉の加工品の持ち込みを禁止している国が多いので、お土産には適していませんが、現地で消費する分に購入したり、肉乾を使ったサンドイッチを購入してみても良いと思います。
金蓮記
KL名物の福建麺を販売する金蓮記(KIM LIAN KEE)も有名です。
ただ、金蓮記も冠記雲呑麺と同じように有名店ですが、こちらも味は普通です。
Madam Tang Muar Chee
金蓮記(KIM LIAN KEE)の近くで営業するMadam Tang Muar Chee。
麻芝と呼ばれる伝統餅を販売しています。
Madam Tangのお店はPetaling Streetにあります。
恭和堂
亀ゼリーや涼茶が有名な恭和堂(Koong Woh Tong)。
漢方の味が苦手な方にはおすすめしない場所ですが、涼茶はクールダウンに良いと言われているので、観光中に火照りを感じた時は涼茶を飲んでみてください。
Kedai Kopi Lai Foong
Jalan Tun Tan Cheng Lock側のJalan Tun H S LeeにあるKedai Kopi Lai Foong。
チャイナタウンで有名なコピティアムで、チキンライス、炒粿條、雲呑麺などを販売しています。
牛肉麺。
貝入りのスープ麺(La La Noodles)。
Jalan Sultanエリアのグルメ
Jalan Sultanには、ローカルグルメが楽しめる場所とカフェがあります。
このエリアにはクレイポットチキンライス、肉骨茶、板面、雲呑麺など色々なお店があります。
マレーシア風のおでん、Lok Lokのお店。
鴻記瓦煲雞飯
鴻記瓦煲雞飯(Hong Kee Claypot Chicken Rice)はクレイポットチキンライスとポルトガルスタイルのグリルフィッシュが有名なお店です。
チキンのほか、チャイニーズソーセージ、鹹魚(塩漬けの魚)が入っています。
クレイポットチキンライスはよくかき混ぜてからいただきます。
ポルトガル式グリルフィッシュのメニュー。
数種類の魚から好きなものを選ぶことができる上、海老やシーフードミックスもあります。
Stingray(スティングレイ)のグリルフィッシュ。
少し塩っぱい味つけです。
ちなみに、クアラルンプールでクレイポットチキンライスを食べるなら、Puduにある禤記(Heun Kee)というお店がおすすめです。
鳳凰餅家
2021年12月にJalan Sultanにリニューアルオープンした鳳凰餅家(Fung Wong Biscuit)。
鳳凰餅家自体は老舗ですが、新たにオープンした新店舗はレトロ感のあるおしゃれな内装になっていて、注目を集めています。
Floccus Floccus 福粿
鳳凰餅家の隣にあるFloccus Floccus 福粿。
伝統のクエをアレンジした創造的なクエを販売しています。
南香
チャイナタウンにある有名な海南チキンライスのお店の南香(Nam Heong)。
ホワイトチキン+焼肉(Siew Yoke)。
ローストチキン+焼肉(Siew Yoke)。
ホワイトチキン+叉焼(チャーシュー)。
チキン単体だけではなく、色々な組み合わせで注文することができます。
南香はマレーシアのミシュランのビブグルマンに認定されています。
雞容海南雞飯茶餐室
Restoran Nasi Ayam Kam Kee(雞容海南雞飯茶餐室)も海南チキンライスのお店です。
チキンはローストやスティームなど、好きなものを選ぶことができます。
ローストチキン。
Kampung chicken(カンポンチキン)です。
Kampung(Kampong)には田舎、村という意味があり、放し飼いにして育てられた鶏を意味します。
海南チキンライスを食べるなら、サイドディッシュとしてもやしを一緒に注文することをおすすめします。
leaf & co. cafe
Jalan Sultanには雰囲気の良いカフェがいくつかあり、その1つがleaf & co. cafe。
美味しいコーヒーを飲みながらのんびり寛ぐことができる場所です。
Kwai Chai Hongエリアのグルメ
Jalan Petalingのゲート外にあるJalan Petalingのほか、Jalan Bulai Polis・Jalan Panggong・Lorong Panggungという通りにあるお店について紹介します。
このあたりは再開発が行われ、2019年以降、新しいお店が続々とオープンしているエリアで、注目のスポットになります。
チャイナタウンでカフェ利用や食事をするならこのエリアがおすすめです。
人気店は、
- 何九海南茶店
- Luckbros Kopi
- Kafei Dian
…このあたりになります。
Ho Kow Haimam Kopitiam
クアラルンプールのチャイナタウンで最も有名な食事スポットは、何九海南茶店(Ho Kow Hainam Kopitiam)。
チャイナタウンで長年商売をしている老舗のコピティアムですが、2018年に店舗を移転して、新しくオープンして以来、超人気スポットになっています。
朝ごはんを食べる場所としておすすめですが、常にかなり混み合っているお店なので、並ぶことを覚悟した方が良いかもしれません。(開店前から並んでいる人が多いお店です)
Malaya Garden
何九海南茶店の隣にあるMalaya Gardenというレストラン&カフェもおすすめです。
SNS映えするおしゃれな店内が人気になっています。
メニューも充実していて美味しいものが多いです。
品泉茶室
エッグタルトが有名な品泉茶室(Bunn Choon Restaurant)。
店内では点心を食べることもできます。
Kafei Dian
旧郵便局のオフィスだった建物をリノベしたカフェレストランのKafei Dian。
独特のレトロな雰囲気があり、あらゆるマレーシアの料理が揃っているので、色々なものを食べてみたい時におすすめのスポットです。
何九海南茶店ほど混み合わず、メニューが豊富なので、個人的におすすめのお店です。
Luckbros Kopi
Luckbros Kopiも人気の食事スポットで、休日のランチタイムは行列ができていることがあります。
濃いめに淹れるローカルコーヒーのKopiが美味しいです。
Beryl’s Lot18
マレーシアで購入するお土産として人気のBeryl’sのチョコレート&クッキー商品を購入することができるBeryl’s Lot18。
Beryl’s Lot18のすぐ隣にはKAFFE 16があり、こちらはBeryl’sが経営するカフェになります。
Pandan Republic
2019年9月にオープンした青青(Pandan Republic)は、パンダンココナッツアイスクリームやローカル素材を使ったソーダドリンクなど、ユニークなメニューがあるカフェです。
Ali, Muthu & Ah Hock Kopitiam
Nasi Lemakのほか、マレーシア料理全般を楽しむことができるAli, Muthu & Ah Hock Kopitiam。
Bangsar South(Kampung Kerinchi)のThe SphereやAra DamansaraのOasis Squareにも同店の店舗があります。
OLD CHINA CAFE
Ali, Muthu & Ah Hock Kopitiamの横にあるお店がOLD CHINA CAFE(オールドチャイナカフェ)。
歴史を感じることができる場所です。
Ali, Muthu & Ah Hock Kopitiam、Old China Cafe、Ho Kow Hainan Kopitiam、Malaya Garden、品泉茶室は全てJalan Balai Polisにあります。
Merchant’s Lane Cafe
Merchant’s Lane CafeはSNS映えするリノベカフェとして人気です。
chocha foodstore
chocha foodstoreも独特の雰囲気を持つリノベカフェです。
フュージョン料理とお茶を楽しむことができる、隠れ家的スポットのような場所になります。
チャイナタウンの観光スポット&見所
「ここは訪れるべき!」という観光スポットと見所をピックアップして紹介します。
鬼仔巷
2019年4月以降、新しい観光スポットとして注目を集めている鬼仔巷(Kwai Chai Hong)。
Lorong Panggungに描かれたストリートアートがインスタ映えするフォトスポットとして人気になっているほか、周辺に飲食店が続々とオープンし、多くの観光客が集まるエリアになっています。
スリ マハマリアマン寺院
1873年に建てられたヒンズー教の寺院のスリ マハマリアマン寺院。
参拝料は無料ですが、靴を履いた状態で中に入ることができないため、入口近くにあるカウンターで靴を預けます(靴の預け入れは有料になっています)。
寺院は色鮮やかで、隅々に施された彫刻に目を奪われます。
天井の装飾も美しいです。
チャイナタウンに来た時は足を運ぶべきスポットであると言えます。
關帝廟
スリ マハマリアマン寺院のすぐ近くにある關帝廟。
關帝(関羽)を祀った廟です。
關帝廟も色鮮やかな場所です。
チャイナタウンのお土産購入スポット
チャイナタウンエリアにあるセントラルマーケット。
観光客が多いことから価格が高めのものもありますが、雑貨が豊富でお土産探しに適したスポットです。
セントラルマーケットも近年進化していて、2023年にはPasar Besarという新しいお買い物スポットがオープンしています。
まとめ
クアラルンプールのチャイナタウンは、観光のポイントを事前に把握しておけば、割と楽しむことができるスポットです。
また、
- ムルデカ広場
- スルタン・アブドゥル・サマド・ビル
- ジャメモスク
…などの観光スポットもチャイナタウンから徒歩でアクセスすることができる距離にあります。
チャイナタウン観光とセットにして一緒にまわってみてください。
以上、クアラルンプールのチャイナタウン観光についての紹介でした!