ココナッツジャムのKaya(カヤ)。
この記事ではKayaの概要とマレーシア(クアラルンプール)でお土産用にカヤジャムを購入したい時におすすめスポットについて紹介します。
マレーシアのカヤジャムとは?
ココナッツミルク・卵・砂糖を煮込んで作るココナッツジャムのKaya(カヤ)。
英語では、
- Kaya Jam(カヤジャム)
- Coconut Jam(コココナッツジャム)
…と表記することがありますが、マレーシア現地の人はカヤジャムではなく、シンプルにKaya(カヤ)と呼ぶことが一般的です。
Kayaの原材料
カヤジャムの原材料は非常にシンプルです。
ベースの材料は、
- ココナッツミルク
- 卵
- 砂糖
- パンダン
卵に関しては鶏の卵を使うほか、アヒルの卵を使うケースもあります。(アヒルの卵を使うと味が豊かになり美味しい…と言われています)
カヤの風味づけや色づけに使用するパンダン。
パンダンの葉を細かく刻み、少量の水を加えブレンダーでさらに細かくして、絞り出して作るパンダン抽出液が天然色素として使われています。
ココナッツミルクもカヤ作りに欠かせない重要な素材です。
緑と茶色のカヤの違い
カヤには黄色、茶色、緑色など、異なる色合いのものがあります。
緑色のカヤは色づけにパンダンを使用したものになり、このタイプのカヤジャムはパンダンカヤと呼ばれています。
黄色や茶色っぽいカヤは風味づけだけにパンダンを使ったもので、砂糖のカラメル化が進むほど茶色っぽい色味になります。
カヤを作るには忍耐が必要
カヤはマレーシアで安く購入できるので、手作りするよりもお店で購入する人がほとんどですが、カヤの材料自体はシンプルで、その製造プロセスもそれほど難しくはないため、自宅で手作りすることが可能です。
ただ、じっくり弱火で熱を加え煮つめて作ることから忍耐が必要です。
火が強すぎるとスクランブルエッグ状態になってしまったり、絶え間なく混ぜ続けないと卵白が固まりダマになってしまうので、滑らかな仕上がりのカヤを作るには手間がかかります。
そのため、卵白を取り除き卵黄だけにして、さらに脂肪分の高いココナッツクリームで作るレシピや、あらかじめキャラメル化させた砂糖を卵やココナッツミルクに加える時短レシピもあります。
しかしながら、時間をかけてじっくりと火を通すことで砂糖がキャラメル化し、これが防腐剤のような働きをするため、伝統レシピに沿って丁寧に作ったカヤは時短レシピで作ったカヤよりも長持ちします。
マレーシアでカヤジャムはどのように食べられている?
- カヤトースト
- ニョニャクエ
- カヤパフ
- カヤロール
…などに使わていることが多いです。
カヤトースト
マレーシアの朝食定番、カヤトースト。
マレーシアのコピティアムでは、トーストした食パンだけではなく、蒸したパンを使ったり、バンズやクロワッサンにカヤを挟むメニューもあります。
ニョニャクエにも使われる
カヤが使われているクエと言えば、Pulut Tai Tai(プルッ タイタイ)またはPulut Kaya(プルッカヤ)。
カヤを添えて食べるクエです。
カヤパフ
Kaya(カヤ)を生地で包んで焼き上げるKaya Puff(カヤパフ)。
カヤを使ったマレーシアで一般的なお菓子です。
カヤロール
カヤジャムをロールケーキに挟んだKaya Roll(カヤロール)。
マレーシアにある昔ながらのお菓子になります。
Kayaはマレーシアのどこで買うことができる?
カヤトーストがあるコピティアムのほか、ベーカリー、スーパーで販売していることが多いです。
ただし、カヤトーストがある全てのコピティアムでカヤを販売しているわけではなく、あくまで一部のお店になりますが、カヤトーストが美味しいと評判の高いコピティアムではカヤを販売しているケースが多い傾向にあると言えます。
クアラルンプールでカヤをお土産に購入する時のおすすめスポット
美味しいカヤをお土産に買いたい時は「カヤトーストが美味しい!」と評判の高いコピティアムで購入する形がおすすめです。
镒記中西菜館
カヤトーストが人気の镒記中西菜館(Restoran Yut Kee)。
镒記中西菜館(Yut Kee Restaurant)では、素材の味がしっかり活かされている美味しい自家製カヤを販売しています。
ややダマがありますが、工場で機械で作られたカヤというより、手作り感がしっかりあり、素朴な味で美味しいです。
何九海南茶店
クアラルンプールのチャイナタウンにある何九海南茶店。
老舗の何九海南茶店ですが、2018年末にリニューアルオープンして以来、観光スポット化していると言っても過言ではないくらい人気のお店になっています。
カヤトーストはYut Keeの方が美味しいと感じていますが、何九海南茶店のカヤジャムはパッケージが一般的のコピティアムよりかわいいので、お土産にしたい時に適しています。
何九海南茶店のカヤはYut Keeよりも甘みが強く、サラッとした仕上がりになっています。
お店は駅近のロケーションにあり、旅行者の人にも使い勝手が良いと言えます。
源昌隆咖啡店
何九海南茶店の近くで営業している源昌隆咖啡店(Kafei Dian)。
何九海南茶店の方がお客さんが多く、常に繁盛していますが、カヤに関しては源昌隆咖啡店(Kafei Dian)の方がおすすめです。
阿榮哥海南茶
ICC Puduのなかで営業している、阿榮哥海南茶(Ah Weng Koh Hainan Tea )。
海南茶が有名なお店で、ローカルの人に人気の朝食スポットです。
店内でパンダンカヤジャムを販売しています。
溏記海南茶室
溏記海南茶室はカヤバタークロワッサンが人気のお店です。
クアラルンプールやスランゴールに数店舗あるものの、車がないとやや不便な場所にあることが多いので、その点がデメリットです。
昔ながらのカヤの味がするのは镒記中西菜館(Yut Kee)です。また、源昌隆咖啡店(Kafei Dian)のカヤもおすすめです。
クアラルンプールのショッピングモールにあるおすすめ購入スポット
コピティアムはローカル色が強いので、抵抗感がある人もいるかもしれません。
そんな時はショッピングモールに入っているお店でカヤジャムを購入する形がおすすめです。
以下にクアラルンプールのショッピングモール内で購入できるカヤについて紹介します。
Barcook
シンガポール発ベーカリーのBarcook。
マレーシアにも店舗があり、店内でカヤを販売しています。
コピティアムで販売されているカヤより価格は高めですが、プラスチック容器ではなくガラス瓶に入っているので、見栄えがよく、持ち帰りに便利(特に飛行機に乗る時)であるため、お土産用にカヤの購入を検討している時におすすめです。
Barbookで販売されているカヤには、
- オリジナルカヤ
- パンダンカヤ
…の2種類の商品があります。
卵、砂糖、ココナッツミルクだけで作られているオリジナルカヤ。
パンダンカヤは、卵、砂糖、ココナッツミルク、パンダンで作られています。
Barbookのカヤは何九海南茶店、阿榮哥海南茶、溏記海南茶室などのコピティアムで販売されているパンダンカヤよりも美味しいと感じています。
Nyonya Colors
各種ニョニャクエの販売をしているNyonya Colors。
フランチャイズ展開していて店舗数が多く、大抵はショッピングモール内など便利なロケーションにあるので、利便性の高さがおすすめポイントです。
伝統的なコピティアムで販売されているカヤと比較して、フランチャイズ化しているNyonya Colorsのカヤは美味しくないのでは?と思うかもしれませんが、カヤの価格はコピティアムとほぼ同じで、味もひけを取らず美味しいです。
Toast Box
瓶入りのカヤを探している時はToast Boxという選択肢もあります。
Toast Boxもシンガポール発のお店ですが、マレーシアにも店舗があります。
2020年時点の価格はRM13.90でしたが、RM14.90に値上がりしています。(2022年1月現在)
Toast BoxのカヤジャムはラベルにHainanese Kayaと記載されているように、海南式のカヤで、色味は茶色で蜂蜜が加えられているところが特徴です。
蜂蜜を使っている分、砂糖を使っている一般的なカヤと比較して、甘みが強めです。(普通のカヤも甘みが強いものの、Toast Bosのカヤはそれよりもさらに濃厚な甘みがあります)
Toast Boxのカヤは個人的にはあまりおすすめではありませんが、とにかく甘みの強いカヤが好きという人には合うかもしれません。
カヤの美味しさではBarcookの方が上だと感じているので、瓶入りのカヤ商品を探している時は、Toast BoxよりもBarcookの方がおすすめです。BarcookのカヤはToast Boxよりも安く品質も良いです。
スーパーや空港で販売されているカヤはまずい?
スーパーや空港、一部のコンビニでは、Gardeniaのカヤジャム(Auntie Rosie’s Kaya)が販売されていることが多いです。
Auntie Rosie’s Kayaはオリジナルとパンダンの2種類の商品があり、どちら安く購入できます。
シンガポールに本拠地を置くGardeniaはパンが有名な企業で、そのパン商品は東南アジアで広く流通していますが、カヤは正直おすすめではありません。
10年くらい前にお土産用に購入したことがありますが、かなりガッカリした記憶があり、それ以来購入していません…。
スーパーやコンビニなどで手に入る手軽さはあるものの、美味しいカヤを購入したい場合はおすすめしません。
カヤジャムの価格について
マレーシアの一般的なコピティアムでは、1カップ(250グラム程度)あたりRM5程度で購入できます。(為替レートにもよりますが、日本円にすると150円前後というイメージです)
購入する場所によって価格は異なり、安いところではRM4〜RM4.50であったり、高いところではRM10というケースもあり、インフレのため気づくと年々値上がりしているケースもありますが、大抵安いケースがほとんどです。
また、BarcookやToast Boxで販売されているような瓶入りの商品は価格が高くなります。
カヤをお土産として持ち帰る時の留意事項
コピティアムで販売されているプラスチックの簡易容器に入ったカヤをスーツケースに入れて持ち帰る場合は少し工夫が必要です。
昔、Yut Keeのカヤを日本に持ち帰ったことがありますが、テープとサランラップでふたと容器本体をしっかり固定した上でジップロックなどの袋に入れ、さらに容器を小箱に入れて、スーツケースのなかで圧迫された時にふたが開かないようにパッキングした時は、中身がこぼれることなく無事に持ち帰ることができました。
ガラス瓶に入ったカヤはスーツケースのなかでふたが勝手に開いてしまうというリスクはないものの、パッキングの仕方によって衝撃でガラス瓶が割れてしまう可能性がゼロではないので、厚めのタオルを巻き、隙間がないようにスーツケースをパッキングすると破損することなく持ち帰ることができると思います。
また、自分用ではなく誰かにお土産にする場合はカヤの消費期限にも留意した上で購入する形が良いと思います。(商品によって賞味期限や消費期限は異なりますが、無添加のカヤはそれほど長く日持ちしないためです)
カヤジャムは日本でも購入できる?
シンガポールのコピティアムチェーンのヤクンカヤトースト(Ya Kun Kaya Toast)。
ヤクンカヤトーストは日本に進出しているので、店舗でカヤジャムを購入することができます。(ただし、価格はかなり高めです)
また、アマゾンなどで、シンガポールのラッフルズホテルのカヤジャムを販売しているお店があります。
ラッフルズホテルのカヤはシンガポールで購入する人気のお土産アイテムです。
まとめ
クアラルンプールでカヤの購入を検討している時、
- Yut Kee
- Kafei Dian
- Barcook
…がおすすめです。
旅行者の人でお土産にカヤを購入してスーツケースのなかに入れて持ち帰る場合は、ガラス瓶入りのBarcookが扱いやすいと思います。
また、Mid Valley MegaMallおよびThe Gardens Mallには、Nyonya Colors、Barcook、Toast Boxの店舗があるため、複数のメーカーのカヤを購入したい時はミッドバレーでお買い物する形がおすすめです。
Nyonya ColorsとBarcookはThe Gardens MallのLG(Lower Ground Floor)、BarcookはMid Valley MegamallのG(Ground Floor)にあります。
以上、マレーシアのカヤジャムについての紹介でした!