マレーシアを代表する料理のLaksa(ラクサ)。
そんなラクサはマレーシアのなかでも実に色々な種類があり、地域によって全く異なる料理ということもある非常に興味深い食べ物です。
この記事では、ラクサの概要とマレーシアの代表的なラクサの種類について紹介します。
Laksa(ラクサ)とは?
複数のスパイスを使って作る麺料理のLaksa(ラクサ)。
マレーシアやシンガポール、インドネシアなどの東南アジア諸国で食べられている料理です。
色々なバリエーションがあるラクサ
Laksaと言っても、
- 出汁の素なる素材(チキン、エビ、魚)の違い
- スパイスの種類
- トッピングの種類
- 麺の種類
- ココナッツミルクを加えるか/加えないか
- ディッピングソース
…など、地域によって異なるレシピが存在します。
つまり、ラクサ=○○と定義することが非常に難しい料理です。
Laksaの起源はプラナカン?
起源説の1つとして、ラクサはプラナカンによって作られたという説があります。
(ただし、この説が正しいのかどうかは不明です)
プラナカンの文化は、マレーシアのマラッカとペナン、そしてシンガポールに継承されているもので、その料理は非常にユニークです。
地域によって異なるマレーシアの多様なラクサ
地域によって異なるLaksa(ラクサ)があるマレーシア。
例えば、クアラルンプール一帯ではカレーラクサ、ペナンではアッサムラクサ、サラワクではサラワクラクサが定番です。
上記で紹介しているラクサ以外にも、Kedah州のラクサ、Perlis州のラクサ、Perak州のラクサなど、実際には多様なラクサが存在します。
代表的なラクサの種類
1. カレーラクサ(Curry Laksa)
- スープベース:鶏肉
- トッピング:ロングビーン、揚げ豆腐、もやし
- ココナッツミルク:あり
クアラルンプールやスランゴール州などKlang Valleyエリアで一般的なラクサは、Curry Laksa(カレーラクサ)。
ニンニク、生姜、エシャロット、ターメリック、ガランガル 、レモングラス、唐辛子などで作るスパイスペーストにココナッツミルクを混ぜるところが特徴です。
カレーラクサには、イエローヌードルのMee(ミー)とお米ベースのビーフンをミックスした2種類の麺(ビーフンミー)を使うことが定番です。(どちらかの麺だけを選択する形も可能です。)
ペナンのカリーミーとの違い
ペナンでCurry Mee(カリーミー)と呼ぶものが、クアラルンプールのカレーラクサに近いものになります。
ペナンのカリーミーには、スープベースにエビも使うほか、トッピングにザルガイを加えるなどシーフードの要素が強く、ディッピングソースにサンバルを添えることも含め、クアラルンプールのカレーラクサとは少し異なる特徴を持ちます。
2. アッサムラクサ(Asam Laksa)
- スープベース:魚
- トッピング:パイナップル、ミント、レタス、トーチジンジャーフラワー、玉ねぎ、唐辛子
- ディッピングソース:蝦膏(Hae Ko)
- ココナッツミルク:なし
ペナンでラクサと言うと、Asam Laksa(アッサムラクサ)が定番です。
カレーラクサなど一般的なラクサと異なり、アッサムラクサにはココナッツミルクを使いません。
タマリンド(アッサムジャワ)とAsam Kepingという酸味素材を使い、レモングラスやフレッシュターメリック 、唐辛子などをブレンドしたスパイスペーストに骨を取り除いた魚をスープベースに加えるところが特徴です。
また、上記画像のトーチジンジャーフラワー(マレー語でBunga Kantan)のほか、ラクサリーフ(ベトナミーズコリアンダー)を使って香りづけししたり、パイナップル、きゅうり、レタス、ミントなどをトッピングとして添えるところも特徴です。
アッサムラクサには、ラクサヌードルと呼ばれるお米ベースの麺を使います。
また、黒っぽい色をしたソースのHae Koと呼ばれる蝦膏(シュリンプペースト)が添えられていることが定番です。
ほかのラクサにはSambal Belacan(サンバルブラチャン)を添えることの方が大半で、蝦膏を加えるのはアッサムラクサならではの特徴になります。
ペナンにはSiam Laksa(シャムラクサ)と呼ばれるタイの影響を受けたラクサもあります。シャムラクサはアッサムラクサにココナッツミルクを加えたものになります。
また、クアラルンプールのカレーラクサとは少し異なりますが、ペナンはホワイトカリーミーが有名です。
その名の通り白い色をしたカリーミーで、白色はココナッツミルクによるものになります。
麺に添えられたSambal(サンバル)で辛さを調整することができ、サンバルをたくさん加えるほど、普通のカリーミーに近い色合いに変化します。
また、ペナンのホワイトカリーミーは、インスタント商品に有名なものがあります。(アメリカのRamen Raterが世界一のインスタント麺に選んだ商品です。)
3. ニョニャラクサ(Nyonya Laksa)
- スープベース:エビ&鶏肉
- トッピング:きゅうり、もやし、フィッシュボール
- ディッピングソース:サンバルブラチャン
- ココナッツミルク:あり
マラッカで定番のラクサが、Nyonya Laksa(ニョニャラクサ)。
マラッカのニョニャラクサがラクサの原形である…という説もあります。
ニョニャラクサもココナッツミルクを加えたラクサになりますが、カレーラクサにはない香りを持ちます。
香りの決め手となるものが、ラクサリーフ(ベトナミーズコリアンダー)。
ペナンのアッサムラクサにも使われる素材です。
マラッカスタイルのニョニャラクサは、クアラルンプールでも食べることができます。
4. サラワクラクサ(Sarawak Laksa)
- スープベース:エビ&鶏肉
- トッピング:錦糸卵、パクチー、エビ、鶏肉、フィッシュケーキ、茹で卵
- ディッピングソース:サンバルブラチャン+カラマンシー
- ココナッツミルク:あり
Sarawak(サラワク)州を起源とするSarawak Laksa(サラワクラクサ)。
サラワクラクサは、エビベースの出汁にココナッツミルクを加えたラクサで、カレーラクサと比較してマイルドな風味です。
茹でてほぐした鶏肉、エビ、錦糸卵をトッピングに加え、サンバルブラチャンとカラマンシーを添えて提供されます。
茹で卵ではなく錦糸卵を添えるところは、サラワクラクサならではの特徴です。
サラワクラクサに使う麺はビーフンが定番です。
5. ジョホールラクサ(Johor Laksa)
- スープベース:魚
- トッピング:トーチジンジャーフワワー、ラクサリーフ、きゅうり、もやし、ロングビーン
- ディッピングソース:サンバルブラチャン
- ココナッツミルク:あり
ジョホール州で誕生したJohor Laksa(ジョホールラクサ)。
麺にスパゲティを使い、濃厚なソースを使うユニークなラクサで、ペナンのアッサムラクサの要素が強めでありながら、カレーラクサの要素も併せもつ風味を持ちます。
例えば、上記画像にあるAsam Kepingを酸味づけに使ったり、トーチジンジャーフラワーやラクサリーフをトッピングに加える点はアッサムラクサとの共通点です。
一方、ココナッツミルクを加えるところはカレーラクサに繋がるものになります。
6. ラクサム(Laksam)
- スープベース:魚
- トッピング:ウラム(トーチジンジャーフラワー、ラクサリーフなど)
- ディッピングソース:サンバルブラチャン
- ココナッツミルク:あり
マレーシア東海岸のクランタンやトレンガヌで定番のLaksam(ラクサム)。
カレーラクサとは大きく異なる見た目で、その特徴は白色をしたスープベース。
魚やココナッツミルクがベースになっています。
Laksam(ラクサム)に使う麺は、クルクルっと巻かれたライスヌードルで、ほかのラクサとは見た目も味も全く異なります。
まとめ:多様性溢れるマレーシアのラクサ
上記で紹介したラクサ以外にも、非常にたくさんの種類のラクサがマレーシアに存在します。
訪れた都市で、その地域でしか食べることができない特別なラクサを楽しんでみる形もおすすめです。
以上、マレーシアのラクサについての紹介でした!