台北観光で訪れるべき観光スポットの迪化街。
歴史ある古い問屋街であるものの、近年目まぐるしい勢いで変化を遂げているエリアで、ノスタルジックさの中に新しい息吹と変革を感じることができる、新旧入り混じる素敵な場所です。
この記事では迪化街を全力で楽しみたい方に向けて、迪化街の行き方やおすすめグルメ&ショップなどの情報と共に、迪化街の見所について紹介します。
迪化街の読み方
ガイドブックに必ずと言っていいほど掲載されている迪化街ですが、
迪化街って何て読む?
…と疑問に感じる方も多いはず。
迪化街の中国語の発音はdíhuà jiē、カタカナにするとディーホアジェです。
油化街(ゆかがい)?てきかがい?
迪化街の「迪」の漢字が私たち日本人にはあまり馴染みがないため、「油化街(ゆかがい)」と勘違いされることもあります。
しかしながら、油という文字ではなく、正しくは迪化街です。
日本語で迪化街を「てきかがい」と呼ぶこともありますが、現地の人に「てきかがい」と言っても通じないので、ディーホアジエという中国語の発音を覚えておくと現地の人に道を聞きたい時に役立ちます。
迪化街と大稻埕の歴史
台北の問屋街である迪化街という場所を理解する上で、切っても切り離せないキーワードが大稻埕(ダーダオチェン)。
迪化街を含む、台北市大同区の特定エリア(イメージとしてはMRT北門駅とMRT大橋頭を繋ぐエリア一体)を示す古い呼び名が大稻埕になります。
かつてこの場所に、稲の天日干しをする空き地(稻埕)があり、その空間が大きかったことから、“大きな稻埕”→大稻埕と呼ばれるようになったというのがその由来です。
台湾の中心地として輝きを放っていた大稻埕
ディーホアジェにできた一番最初の商店は、1851年に林藍田が開いた農具を販売するお店(林益順)であると言われています。
1860年に開港した淡水港の発展と共に、茶葉・漢方薬・布地など多くのモノがこの場所に集まり、そして人で賑わう。
このように繁栄を極め、台湾の中心地・交易の中心地として輝きを放っていた場所が大稻埕(ダーダオチェン)です。
上記の歴史的背景から、このエリアには老舗が多く、昔から地元の人に愛されている美味しい飲食店や歴史ある商店&問屋などが立ち並ぶ、「昔ながらの良き台湾」の魅力がつまった場所になっています。
台北の問屋街は人々の心を惹きつけるのか?
足を運ぶ度に「新しいお店ができてる!」という発見がある迪化街。
近年新しくオープンしている店舗は、迪化街独特の古い雰囲気を壊すことなく、若い世代や観光客を惹きつける魅力を放ち、古いエリアに新しい”風”を吹き込んでいると言えます。
このエリアを形成する老舗の存在感と、台湾の若い世代の創造性がキラリと光る新店舗の“息吹”。
この記事の冒頭部分で、
古い問屋街ですが、近年目まぐるしい勢いで変化を遂げているエリアで、ノスタルジックさの中に新しい息吹と変革を感じることができる、新旧入り混じる素敵な場所です。
…という表現で迪化街という場所を描写しましたが、これは現在の迪化街が、
100年以上の歴史を持つ街並みの中に垣間見ることができる「新と旧」
こんな風に目に映るためです。
そして、これは私だけではなく、多くの人々を惹きつけてやまない理由だと感じています。
迪化街の行き方【地図&画像つき】
迪化街や大稻埕の歴史に触れたところで、ここからはアクセス方法について紹介します。
迪化街の最寄り駅
ピンクで色づけしている迪化街一段が迪化街のメインストリートになります。
迪化街の最寄駅は、
- MRT北門駅
- MRT大橋頭駅
どちらの駅からもアクセス可能です。
台北駅からも歩いていくことは可能ですが、少し距離があります。(1km程度)
MRTの路線について
MRT北門駅はグリーンラインの松山新店線、MRT大橋頭駅はオレンジラインの中和新蘆線になります。
台北MRTの路線図は台北大衆捷運股份有限公司の公式サイトで確認できます。
MRT北門駅→迪化街へのルート
北門駅からアクセスする場合は、3番出口の前にある横断歩道を渡ります。
迪化街商圏という表示を目印にしてみてください。
ここで横断歩道を渡る方向さえ間違えなければ、後の道のりはとてもシンプルです。
財政部関務署を右手側にして、ずっとまっすぐ歩いて行きます。
だんだん問屋街の雰囲気を感じることができるようになってきます。
そのまま直進して行くと「迪化街商圈」という看板が視界に入り、迪化街に到着します。
北門駅からまっすぐ歩いていくだけなので、迷うことはないと思います。
MRT大橋頭駅→迪化街へのルート
MRT大橋頭駅を利用する場合は1A出口の利用が便利です。
(大橋頭駅から迪化街までのアクセスには色々なパターンがありますが、代表的なルートについて紹介します)
大橋頭駅1A出口を出て、横断歩道がある方向に歩いて行きます。
横断歩道を渡り…
さらに横断歩道を渡り、MRT駅の反対側に行きます。
横断歩道を渡ると、迪化街商圏の看板が目に入るので、ここで方向に間違いがないか確認することができます。
そのまままっすぐ歩いて行くと…
迪化街独特の赤レンガ造りの建物が見えてきます。
ガイドブックやテレビ番組などでよく見かける迪化街の定番の街並みが広がっています。
北門駅と大橋頭駅、どちらのルートがおすすめ?
ディーホアジェ観光をする場合、北門駅と大橋頭駅の間を一通り歩く形になることが多いので、滞在先に近い場所にある駅を選択する形で問題ありません。
ただし、わかりやすさという面においては、駅からまっすぐ歩いてアクセスできるMRT北門駅です。
迪化街を歩く時のモデルコースの一つとして、行きは北門駅からアクセス・帰りは大橋頭駅から帰るというコースがおすすめです。
同じ迪化街でも北門駅側と大橋頭駅側で雰囲気が異なります。
ぜひ、双方の魅力を楽しんでください。
迪化街観光所要時間
観光所要時間は個人差がありますが、ランチ利用してお買い物も楽しむというプランの場合、1時間程度だと「全然時間が足りない!」という状況になる可能性大です。
迪化街を直線で端から端までを歩くだけでも20分以上かかることに加え、買い物したい・グルメも堪能したいとなると、想像以上に時間がかかるので、ランチタイムからティータイムまでのんびりするというイメージで過ごすと、焦ることなく過ごせると思います。
イメージマップで見る迪化街の観光&グルメ&買い物スポット
はじめて迪化街を訪れる場合、何がどこにあるのかお店や観光スポットの位置関係が掴みづらいことがあると思います。
迪化街にある主要観光スポット、グルメ&お買い物スポットをイメージマップ化してまとめてみたものがこちら。
MRT北門駅は下部、MRT大橋頭駅は上部にあります。
観光客が多く集まる永楽市場や台北霞海城隍廟の位置を抑えた上で、行きたいお店がどのあたりにあるのか?ということを何となくイメージしておくと、効率的な観光ができるはずです。
迪化街のグルメ&ランチスポット
ここからは、迪化街グルメについて紹介します。
迪化街の飲食店の中には日曜日が定休日になっているところも結構あるので、事前にグーグルマップを使ってお店の営業日や営業時間をチェックすることをおすすめします。
永楽市場
永楽市場の中に非常に有名なお店があります。
それが林合発油飯店。
台湾おこわの油飯を販売するお店で、行列ができる有名店です。
孤独のグルメでゴローちゃんが食べた永樂担仔麺
永楽市場の近くにある飲食店が連なるエリアには、孤独のグルメの台湾出張編でゴローちゃんが訪れたお店の一つである永樂担仔麺があります。
お店には松重豊さんの写真が飾ってあったり、井之頭五郎セットがメニューにあります。
メニューにある「五郎特餐」というものが「井之頭五郎セット」です。
永樂担仔麺の看板メニューである担仔麺。
こちらがゴローちゃんも食べた雞肉飯。
味については台湾の一般的なレベルで普通…という印象ですが(個人的感想です)、孤独のグルメファンの方なら訪れてみても良い場所です。
「ゴローちゃんも来たんだな」という感慨にふけることができます。
同じく孤独のグルメで取り上げられた原味魯肉飯
五郎さんは永樂担仔麺の後に原味魯肉飯というお店にも寄り、乾麺と下水湯を注文しています。
原味魯肉飯はルーローハンも美味しいので、ぜひ注文してみてください。
乾麵よりも魯肉飯の方がおすすめです。
目立たないところにある滷肉飯が美味しいお店
上記で紹介したお店は永楽市場の目の前、大通りに面したロケーションにあるので、いつも人が多いのですが、すぐ側の小道にも美味しいお店があります。
永樂担仔麺と金仙魚丸永楽市場店を挟む通りにある台南虱目魚粥。
台南虱目魚粥は目立たない場所にあるので、お客さんは観光客の方よりローカルの方が多いお店です。
実はこういうところに美味しいものが隠れていたりします。
台南虱目魚粥はサバヒーという魚を使ったお粥やお魚料理がメインのお店ですが、魯肉飯が美味しいです。
メニュー表には「台南肉燥飯」と記載されています。
魯肉飯の中でも脂身が多めのタイプが好きな方に気に入ってもらえる味です。
お店の前に滷肉のソースが入っている壺?が置いてあります。
ちょっとギョッとするような見た目をしていますが、秘伝のタレが入っているという雰囲気が醸し出ています。
鰻のタレのように、長年継ぎ足して使っているんだろうなということが感じ取れます。
伝統中華菓子の合興壹玖肆柒
伝統的な中華菓子を食べることができる合興壹玖肆柒。
食べる前に温めてもらうこともできます。
素朴な味がする優しい味のお菓子です。
杏仁豆腐が美味しい夏樹甜品
杏仁豆腐など中華デザートを食べることができるお店です。
温かいデザート、冷たいデザートがあります。
大稻埕のグルメスポット
迪化街のメイン通りの中ではなく、少し外れたところにも美味しいグルメを食べることができるスポットがあります。
おすすめはフィッシュボールと乾麺が美味しい佳興。
お店で作られる新鮮&ふかふかのフッシュボールが美味しいです。
MRT大橋頭駅近くにある慈聖宮という廟の前に広がるエリアもおすすめのグルメスポットです。
台湾を代表するグルメのお店が廟の前に集まった形になっていて、「どんなものがあるのかな?」とお店をのぞいてみるだけでも楽しい場所です。
慈聖宮ではしらすチャーハンなども人気のグルメになっています。
迪化街のショッピングスポット
ここからは迪化街にあるお買い物スポットについて紹介します。
永楽布業商場
客家花布や花布のグッズを探している時におすすめのお買い物スポットが永楽布業商場。
永楽市場と同じ建物にあります。
民藝埕
古い歴史ある建物をリノベーションした趣のあるスポットの民藝埕。
ハッカブルーという台湾ローカルブランドの作品をはじめ、色々なアーティストの作品をたくさん扱っているお店です。
合藝埕
民藝埕のすぐ近くにある合藝埕。
合藝埕も素敵なお買い物スポットです。
梁山泊一零捌
かわいい台湾雑貨が揃う梁山泊一零捌。
台南ブランドの錦源興の商品もあり、台湾雑貨好きにおすすめのお買い物スポットです。(錦源興の雑貨は台南と比較すると、取り扱い商品が少なめです)
曽拌麺
台湾で有名なテレビ司会者である曾國城さんがプロデュースする曽拌麺(Tseng Noodles)という大人気の麺を購入できるお店です。
永久號
迪化街にあるからすみの老舗、永久號。
日本人のお客さんが多いお店です。
高建桶店
漁師網バッグやかごバッグを購入したい時におすすめのスポットは高建桶店。
高建桶店のすぐ近くには、大華行や林豊益商業など類似した商品を販売するお店がありますが、いつも多くのお客さんで賑わっているのは高建桶店になります。
印花楽
ランチョンマットをはじめとするかわいいテキスタイル雑貨がある印花楽。
日本人好みの雑貨が豊富なお店です。
大春煉皂
老舗の台湾石鹸ブランドの大春煉皂。
パッケージデザインがユニークでかわいい商品が多く、お土産に適した物が揃っています。
主力の石鹸商品の中で一番人気はきゅうりの石鹸。
きゅうりエキスに加え、シアバター、アーモンドオイル、ヨモギなどの成分でできています。
大稻埕の茶葉購入スポットと茶藝館
茶葉貿易で栄えた歴史を持つ大稻埕。
そんな歴史的背景から老舗のお茶屋さんが多く、台湾茶を購入したい時に足を運ぶことを強くおすすめするエリアです。
色々なお店がありますが、ここではおすすめスポットをピックアップして紹介します。
林華泰茶行
大稻埕エリアにある老舗、林華泰茶行。
良質なお茶を良心的な価格で販売しているお店で、お茶好きな方におすすめの茶葉購入スポットです。
個人向けに小売りもしていて、150グラム単位から茶葉の購入が可能です。
林茂森茶行
林華泰茶行のすぐ側にある林茂森もおすすめです。
どちらのお店もMRT大橋頭駅2番出口からすぐのところにあり、カルフール重慶店が近くにあります。
南街得意
迪化街のメインストリートにある茶藝館、南街得意。
民藝埕がある建物の2階にあり、静かな環境でのんびりをお茶を楽しみたい時におすすめのスポットです。
お茶もお茶請けも非常に美味しいです。
茶葉も購入できますが、茶葉を購入するよりもカフェスペースとしての利用がおすすめです。
台湾茶をはじめて購入する方への情報
台湾茶には烏龍茶の他、紅茶や緑茶があります。
また、烏龍茶の中にも色々なものがあるので、はじめて購入する時は「どれがいいの?」と迷ってしまうことが多々あります。
あらかじめ台湾茶の基本知識を頭の中に入れておくと現地で役立つので、台湾茶に興味がある方は下記の記事に目を通してみてください。
ディーホアジエの見所・観光スポット
ここからは迪化街の中にある観光スポットについて紹介します。
有名なところから、知らないと思わず通り過ぎてしまいそうなスポットまで、ポイント抑えて紹介します。
縁結びの神様がいる台北霞海城隍廟
台北霞海城隍廟には恋愛成就の神様として有名な月下老人が祀られています。
他にも祀られている神様がいますが、夫婦円満の神様も祀られているためかカップルで参拝している人たちも多い人気スポットです。
北門駅からアクセスした場合、霞海城隍廟は永楽市場を越えたすぐ近くにあります。
林五湖命相館(林家祖厝)
1851年に林藍田が開いた商店が迪化街にできた一番最初の商店だと説明しましたが、この時に建てられた3棟の店舗のうちの一つが林家祖厝です。
迪化街一段156號にある林家祖厝と迪化街一段154號にある勝豐食品が、1851年当時から現在まで残る閩南式の建築物であり、迪化街で最も古い建物になります。
とりわけ林家祖厝は歴史的価値のある場所であり、現在は敷地の内部でお茶の販売をしていますが、定期的に敷地内をガイド付きで観光客向けに無料解放しています。
福山雅治さんもCMの撮影で訪れたことがある場所ということで、店内に写真が飾ってあります。
バロック様式の建物が立ち並ぶフォトスポット
上記で紹介した林五湖命相館(林家祖厝)の近辺はバロック様式の建物が立ち並んでいるエリアです。
この辺りにはカメラを構えて熱心に撮影をしている方を見かける、迪化街で人気の撮影スポットです。
まとめ:台湾の問屋街は台北観光にはずせない楽しいスポット
近年、迪化街エリアのリノベーションが進み、どんどん新しいお店がオープンしているので、訪れるたびに「こんなお店があるんだ!」という発見があります。
常にたくさんの人で賑わっている場所ですが、時間が許す限り、ぜひのんびりと迪化街を歩いてみてください。