激動の時代を経て、中国から台湾に運び出された収蔵品が展示される国立故宮博物院。
その展示品を目の前にすると、壮大な歴史が脳裏に広がる感覚に陥り、見応え満載です。
特に台湾国宝の翠玉白菜や肉形石は必ず自分の目で見るべき芸術品です。
この記事では台北にある国立故宮博物院の見どころと注意点、白菜と肉形石を絶対に見たい時のポイントについて紹介します。
台湾にある国立故宮博物院とは?

台湾の国立故宮博物院は、
- 北部院区(台北)
- 南部院区(嘉義)
…という2つの院区で構成され、台北の士林にあるのが北部院区になります。
元々は中国の紫禁城跡に建てられた故宮博物院の収蔵品がベースになっていて、日本軍の侵攻や中国国内の内戦などによる戦火から美術品を守るために、中国国内を転々としたのち、台湾に運び出されたものになります。
第一陣の美術品が台湾に到着したのが1948年。
展示品を目にすると、よくこれだけの品々を台湾まで輸送することができたものだと感嘆せずにはいられないくらい、圧倒的な凄みがあります。
フロアマップ

台北の故宮博物院には第一展覧館と第二展覧館があり、メインは第一展覧館になります。
第一展覧館は地下1階から4階のフロア構成になっていて、展示部分は1階〜3階。
- 4階:三希堂(カフェ&レストラン)
- 3階:玉器、銅器、特展、親子特展
- 2階:書画、陶器、特展
- 1階:仏像、家具、図書文献、特展、一般チケットカウンター&オーディオレンタルカウンター、ロッカー、インフォメーションカウンター、カフェ&レストラン
- 地下1階:インフォメーションカウンター、団体チケットカウンター&オーディオレンタルカウンター、土産店、バスやタクシーの停留所
フロアマップ詳細は故宮博物院の公式サイトで確認できます。

1階フロア。中央に入口があります。

入口のそばに階段があり、2階にアクセスできます。
入場料
- 一般料金:NT$350
- オーディオガイドレンタル一般料金:NT$150
国籍を問わず、18歳未満の場合は入場料が無料です。
オーディオガイドなしで、入場券だけでも問題ありませんが、オーディオガイドはある方が展示物をよりよく理解できます。
チケット購入方法
- 窓口
- チケット自動販売機
- ネット購入(電子チケット)

1階にある一般チケットカウンター。
オーディオガイドのレンタルカウンターはすぐ横にあります。

チケット自動販売機。
日本語で操作可能です。
割引価格で買えるお得な切符情報
故宮博物院の入場チケットを購入するなら、ネット購入が一番おすすめです。

上記はTrip.comで購入した国立故宮博物院の電子チケットで、割引価格で購入可能です。
KKdayやKlookも調べてみましたが、Trip.comが一番安かったので、Trip.comで購入しました。


電子チケットを持っている場合、入口にある機械にQRコードをかざすだけで入場できます。
国立故宮博物院の見どころ【故宮三宝】
価値の高いものはたくさんありますが、絶対に見るべき展示品は、
- 翠玉白菜
- 肉形石
- 毛公鼎
これらは故宮三宝を呼ばれる台湾国宝になります。
毛公鼎(もうこうてい)に関しては、歴史が古く、紀元前の西周時代のものとされています。
2大人気の翠玉白菜と肉形石

国立故宮博物院のなかでも特に人気が高いのは、翠玉白菜と肉形石。
翠玉白菜の何がすごい?
翠玉白菜は1つの翡翠から作られていて、葉の濃淡部分も翡翠原石の自然なものに由来します。
また、葉の部分にはバッタとキリギリスが彫刻されていて、目を凝らさないとよく見えないくらい精巧さを極めています。

故宮公式サイトにある解説では「みずみずしい輝きを放ち続けています」と記載されていますが、まさにその言葉通りで、白菜の裏側を見ても「本当に白菜だ…」と感動するものがあります。
何よりも緑色の自然な濃淡が印象的で、翡翠の美しさを全身で感じることができます。
白菜の大きさは高さ18.7cm、幅9.1cm、厚さ5.07cmと手のひらサイズでとても小さいものの、小ささを感じさせない存在感があります。
また、故宮の展示品の中では陶磁器も素晴らしかったです。
個人的に陶磁器に興味があり、清の康熙帝時代と乾隆帝時代の陶磁器がとにかく美しく感動しました。
お土産ショップ

2階にある土産店。
白菜や肉形石をモチーフにしたペンやキーホルダーなど、様々なお土産が販売されています。

土産店は地下1階にあり、こちらの方が品物が充実しています。

国立故宮博物院で購入した白菜のマグネット。
故宮博物院を訪問した思い出になるかわいいお土産です。
レストラン&カフェ
三希堂(4階)

4階にあるレストラン&カフェの三希堂。
館内に長時間滞在していると、足がかなり疲れるので、鑑賞の合間にちょっと休憩したい時に便利な場所です。
3階からアクセスしようとしたのですが、3階にある全てのエレベーターが4階に行くわけではなく、迷っていたところ、近くにいた係の人が声をかけて専用エレベーターまで案内してくれました。
エレベーターの場所がわからない時は係の人に声をかけてみてください。

広々とした店内。

軽食、デザート、ドリンクメニュー。

ご飯セットや点心のメニュー。

デザートを頼んでみました。
注文した時に「冷たいデザートですがよろしいですか?」と丁寧に確認してくれるなど、スタッフの対応がすごく良かったです。
閑居賦(1階)

1階にあるレストラン&カフェの閑居賦。

サンドイッチなどの軽食やデザートがあります。
また、別棟になりますが、故宮晶華というレストランもあります。
故宮博物館の観光所要時間
ざっと見て3時間はかかります。
展示品を1つ1つしっかり見たい場合、3時間以上のスケジュールを組むことをおすすめします。
中国史に興味がある場合は、一日いても飽きないくらいです。
この場合、館内のレストランで休憩を挟んで、のんびり過ごす形がおすすめです。
国立故宮博物院を見学する時のポイント
3階から見学する
多くの人が言っていることですが、3階から見学する形がおすすめです。
白菜や肉形石があるのは3階なので、まずは国宝を見て、それから興味ある展示室を順番にまわっていくとスムーズに動けます。
オーディオガイドは絶対に活用すべき

有料になりますが、展示品について詳しく理解したい時はオーディオガイドの利用をおすすめします。
また、料金がもっと高くなりますが、ガイドさんに案内してもらうことも可能です。
KKdayには日本語ガイド付きのツアーがあります。
オーディオガイドをレンタルする時はパスポートまたはデポジットが必要

オーディオガイドのレンタル料金は一般でNT$150。
レンタル時にパスポートの提示またはデポジットが求められます。
デポジットはNT$1,000になりますが、パスポートを提示する方が簡単なので、オーディオガイドの利用を予定している時はパスポートを持参することをおすすめします。
オーディオガイドレンタルカウンターの場所に注意

入場口の横にある専用カウンターで、オーディオガイドを借りることができます。
Trip.comでオーディオガイド付きの入場券を購入した場合、2つのQRコードが届き、入場券ではないQRコードを提示すれば、係の人がスキャンの上、レンタルしてくれます。
また、オーディオガイドは入場前にレンタルすることを忘れないようにしてください。
私は忘れて入場し、一旦外に出てレンタルしました。
この場合、再入場となり、改めて入る時にエラーになるので、係の人に「再入場」と声をかけて入場してください。
白菜と肉を絶対に鑑賞したい場合は事前チェックがおすすめ

白菜や肉形石は、出張中で「不在」になっていることがあります。
私自身、前回訪問時は白菜が不在で、今回訪問した時は肉形石が不在でした。
展示品の出張情報は国立故宮博物院公式サイトで確認することができるので、白菜も肉形石も絶対に見たいという場合は、事前に展示情報を確認するようにしてください。
北部院区第一展覧館と南部院区を無料観覧できる日がある
- 元旦(1月1日)
- 元宵節(旧暦1月15日)
- 国際博物館の日( 5月18日 )
- 世界観光の日( 9月27日 )
- 国慶節(10月10日)
上記の日程で無料になります。
台北の国立故宮博物院には行くべき?
前回、国立故宮博物院に行ったのは9年ほど前になるのですが、とにかく混んでいて、落ち着いて鑑賞できず、あまり良い記憶がありませんでした。
当時、中国からの団体客が非常に多かったのですが、近年は政治的な関係で台湾を訪れる中国からの観光客が減ったため、国立故宮博物院の訪問者数自体がかなり減少したと感じました。
そのため、以前のような混雑具合はなく、落ち着いて鑑賞でき、白菜もほとんど並ぶことなく、じっくり見ることができました。
混雑が緩和されたという点では、故宮博物院に足を運ぶべき良いタイミングだと感じています。
また、中国史に興味がある人や芸術品に興味がある人は、非常に興味深く楽しむことができる場所なので、台湾に行く機会があれば、国立故宮博物院に足を運ぶことをおすすめします。
国立故宮博物院公式サイトでは、コレクションを3Dで鑑賞することができるので、予備知識を身につけたい場合は公式サイトをチェックしてみてください。

