台湾の高鉄(新幹線)は速くて快適な乗り物ですが、新幹線では行けない場所も台湾にはたくさんあります。
そんな時に便利な乗り物の1つが台鐵(台湾鉄道)。
台湾全土を網羅した台鉄は、台湾1周旅行(環島)も可能な公共交通機関になります。
この記事では、台鉄の電車の種類や切符購入方法について紹介します。
自強号?普悠瑪?台鉄の種類と違い
台鉄には、
- 區間車
- 莒光号
- 自強号
- 新自強号(EMU3000型)
- 普悠瑪自強号
- 太魯閣自強号
…という列車があります。
区間車
台鉄の列車のなかで運賃が最も安い区間車。
区間車には、
- 区間車
- 区間快車
…という列車があり、各駅停車の区間車に対し、停車駅が少ない区間快車もありますが、運賃はどちらも同じです。
莒光号
莒光号は区間車と自強号の間のような位置づけで、停車駅はやや多めです。
運賃に関しては、区間車よりも少し高い程度ですが、区間快車の方がスピードが速く運賃が安いので、区間快車を利用する方が便利なケースが多いです。
自強号
特急電車のような位置づけの自強號。
区間車や莒光號よりも運賃が高くなりますが、停車駅が少なくスピードが速いです。
普悠瑪(プユマ)&太魯閣(タロコ)
最速列車の普悠瑪(プユマ)や太魯閣(タロコ)。
現状、台鉄のなかで最も速い列車になり、運賃はほかの列車と比較して高くなります。
花蓮や台東など、台湾の東側を旅行する時に便利な列車になります。
座席指定なしでも乗れる自強号
一般的な自強号は座席指定して乗ることができる一方、悠遊カードなどのICカードを改札でタップするなど、座席指定せずに乗車することも可能です。
座席指定なしで乗車した場合、通路に立つか、空いている座席に座ることができますが、指定席の切符を持った人が現れたら席を立つ必要があります。
指定席の必要可否は調べることができる?
詳細を調べたい場合は、台鐵公式サイトでチェックできます。
例えば、台南から高雄行きの列車を調べた時に、EMU3000型の「自強(3000)301」が検索結果の1つとして表示されました。
備考欄に「本列次不發售無座票」という案内があり、この列車には座席指定なしのチケット(無座票)はありませんと記載されています。
つまり、指定席を購入する必要があることを意味し、かつICカードが利用できない列車になります。
一方、同じ台南から高雄行きでも「自強103」という列車には、備考欄に特にコメントがなく、この列車は座席指定なしでも乗車できることになります。
なお、EMU3000型の新自強号のなかには、一部自由車になっている列車がありますが、乗車券が必要で、ICカードでの乗車はできません。
こちらは普悠瑪。
普悠瑪も「無座票」の発行はしていない列車で、座席指定が必要になります。
こんな感じで、台鉄公式サイトで詳細を調べることが可能です。
台北市内にある台湾鉄道の駅
台北市内において、
- 台北駅
- 萬華駅
- 松山駅
- 南港駅
…から台湾鉄道(台鐵)に乗車することができます。
台北市内の東側から南港駅→松山駅→台北駅→萬華駅という位置関係になっています。
台北駅
旅行者の多くが利用する台北駅。
台鉄台北駅の改札のすぐ横には、高鉄台北駅があります。
なお、萬華駅は台北駅の隣にある駅ですが、台北中心部から台鉄に乗るのであれば、台北駅利用が便利です。
松山駅
饒河街夜市がすぐ近くにある松山駅。
松山駅には高鉄の駅はありませんが、台北MRTのグリーンライン(松山・新店線)に乗り継ぐことができます。
松山駅にはCITY LINK(シティリンク)と呼ばれるショッピングモールが併設されていて、ベーカリー、ファーストフード、定食屋、レストラン、コンビニなど色々なテナントが入っていて便利です。
松山駅にはこんなかわいいオブジェもあります。
南港駅
台北市の東部に位置する南港駅。
南港駅も台北駅と同じように、台鉄と高鉄の改札が同じフロアにあるため、双方の乗り継ぎがスムーズです。
また、駅にはシティリンクのショッピングモールが併設されています。
台鉄の新しい自動券売機が登場
これまで台鉄の自動券売機には、
- 短距離用(座席指定なし)
- 中長距離用(座席指定あり)
…の2つの機械がありました。
2021年から新しい自動券売機の導入が台北、台中、高雄、花蓮など一部の駅で開始され、現在も各駅で導入が進んでいます。
上記画像は台北メインステーションにある新しい券売機になります。
新しい自動券売機は、
- タッチパネル操作が可能
- 支払い方法の多様化(Apple Payやクレジットカードなど)
- 複数の言語選択が可能
- 座席指定なし&座席指定あり両方の切符が購入可能
- 予約した切符のキャンセルや払い戻しが可能
- コンビニで予約した台鉄の切符の印刷が可能
…など、利用客にとって便利な機能が増えています。
特にはじめから座席指定の有無が選択できるようになっているところが便利だなと感じています。
言語に関しては、日本語にも対応しているので、中国語がわからなくても安心して操作が可能です。
以前と比較してかなり使いやすくなっているので、操作で迷うことはほとんどないと思います。
古い券売機を使った切符購入方法
台鉄の切符購入で戸惑いがちなのは、古いタイプの自動券売機を利用する時。
ここでは古いタイプの券売機を使って、切符を購入する方法について紹介します。
近距離で座席指定なしの場合
ここで言う近距離というのは、例えば台北から基隆や九份へのアクセスに利用する瑞芳に行く時のイメージです。
はじめに、電光掲示板などで電車の発車時刻、電車の種類を確認、自動販売機近くにある路線図で運賃をチェックします。
台鉄公式サイトのトップページにある「列車時刻查詢」で、「出發站」に乗車するエリア・駅を選択、「抵達站」に降車するエリア・駅を選択の上「查詢」ボタンを押せば、時刻表を表示させることができます。日付の指定も可能です。
こちらが短距離用の切符自動券売機。
日本の昭和時代を思わせるレトロ感が満載です。
基本的には自動券売機に記載されている番号に沿ってボタンを押していくだけです。
- コインを投入
- 切符の枚数を選択
- 電車の種類を選択(特急、区間車など)
- 切符の種類を選択(成人または子供など)
- 降車駅を選択
これだけです。
近距離用の古い券売機では現金のみが利用できるので、硬貨を準備してください。
③の電車の種類を選択プロセスでは、
- 自強號
- 莒光號
- 區間號
…から列車を選びます。
中長距離で指定席ありの場合
目的地が中距離や長距離の場合、自強號を選択する方が効率良く移動することができます。
先述した通り、基本的に3000型以外の自強號は座席を指定しなくても立ち席として乗車可能なので、席が空いていれば座ることができますが、割と長い距離を移動する時やホリデーシーズンで混み合う時、「絶対に座りたい」という場合は無座票ではなく、あらかじめ座席指定する方が無難です。
新しい自動券売機がない場合、「對號列車自動售票機」と書かれた指定席列車専用の券売機を利用します。
小さな駅によって、機械がない場合もあるので、その時は窓口に行って購入します。
台鉄に乗る時のお得情報
台鉄短距離利用なら、悠遊カードがお得
70km以内の台鉄での移動において、悠遊カードで乗車すると正規運賃から10%割引になります。
事前にカードを購入してチャージしておけば、カードを改札口でピっとタッチするだけで簡単に乗車可能です。
3000型以外の一般的な自強号にも悠遊カードで乗車できますが、座席指定はできないので注意してください。
繰り返しになりますが、太魯閣列車・普悠列車瑪・觀光列車・團體列車といった座席指定が必要になる電車では悠遊カードをはじめととした電子カードの使用は不可で罰金対象になるので注意してください。
台鉄&高鉄を利用するならジョイントパス利用がお得
台湾旅行中に高鉄と台鉄の両方を利用する予定がある場合、ジョイントパスの購入を検討してみても良いと思います。
ジョイントパスは、高鉄と台鉄がセットになった特別なパスで、
- 標準ジョイントパス
- 特急ジョイントバス
…という2種類のパスがあります。
まとめ:台鉄は安くて、使い方によって便利な乗り物
台湾鉄道を使うと、台湾新幹線では行くことができない場所にも足を伸ばすことができます。
バスを使って台湾内を旅行することもできますが、台湾鉄道独特のレトロ感を楽しみながら道中を楽しむことも旅の醍醐味です。
台湾鉄道には駅弁もあり、特定の特急列車オリジナル&地域オリジナルの駅弁があります。
色々な楽しみ方ができる台湾鉄道、ぜひ利用して旅を楽しんでください。
以上、台湾鉄道についての紹介でした!