ペナン島ジョージタウンの観光の目玉、フォトジェニックなストリートアート。
「見所を全部制覇したい!」
…という人に向けて、ストリートアートのポイントとロケーションについて紹介します。
ペナン島のストリートアートとは?
英語でMural(ミューラル)と呼ばれる壁画。
ジョージタウンの世界文化遺産エリアにある古い建物や壁に描かれた壁画がストリートアートとして人気を博しています。
多くの観光客を惹きつけるペナンストリートアートの火付け役になったのは、リトアニア出身のアーティストであるErnest Zacharevicさん。
彼が描く「世界観」が多くの人々を魅了し続けています。
George Town Festivalとストリートアートの関係
ジョージタウンは2008年にマラッカと共にユネスコ世界文化遺産に登録された街であり、世界遺産登録記念を祝う祭典として2010年から毎年ジョージタウンフェスティバルが開催されています。
Ernest Zacharevicさんは、2012年に開催された同フェスティバルにペナン市議会によって招待され、そこで数々の壁画を描きました。
この時に描かれたストリートアートが瞬く間に人気となり、現在に至ります。
ストリートアートマップ(地図)と攻略方法
ジョージタウンにある主要な壁画の位置情報をまとめてみたものが上記のイメージマップ。
赤丸はErnest Zacharevicさんの作品がある場所、緑色はそのほかのアーティストによる壁画がある場所になります。
- 自転車に乗る子供たち
- バイクにまたがる少年
- 少年とペットの恐竜
- ブルースリー
- 大伯公を担ぐ猫たち
- 椅子に乗る少年
- スキッピー
特に有名な壁画が多いアルメニアンストリート周辺に焦点をあてて、ストリートアートの位置関係をまとめてみたものが上記のイメージマップ。
①②③④⑥の壁画はストリートアートのなかでも人気が高いので、これらをチェックすることが最も効率的な攻略方法になります。
また、Cheah Kongsi(チャーコンシー)、Khoo Kongsi(クーコンシー)、Yap Kongsi(ヤップコンシー)などの建物を目印にするほか、Lebuh Armenian、Lebuh Ah Quee、Lebuh Cannonなどの通りの名前と位置をざっと把握しておくと効率良くストリートアート観賞ができます。
最大の見所はErnest Zacharevicさんの壁画
ジョージタウンのストリートアートには、Ernest Zacharevicさん以外のアーティストが手がけた壁画から、落書き程度のようなものまで多種多様なものがありますが、一番の見所ポイントはErnest Zacharevicさんによる壁画。
これらを見逃さなければ、ペナンのストリートアート見所の大半は制覇できます。
Ernestさんが描くストリートアートは、マレーシアのローカルの人々の何気ない生活の光景の一部を切り取った光景をモチーフにしていることが多く、とても味のある素敵なアートになっています。
自転車に乗る子供たち
Ernest Zacharevicさんが手がけたペナンのウォールアートの中でも特に有名な作品がLittle Children on a Bicycle(Kids on Bicycle)。
謝公司(Cheah Kongsi)が所有する敷地の壁に描かれたストリートアートになります。
楽しそうに自転車を運転するお姉ちゃんと、後方でお姉ちゃんの腰にしがみつく弟である男の子の表情がたまらなくかわいい壁画です。
実際のモデルになった子供たちを動画で見たことがあるのですが、既に大きくなっているものの、壁画に描かれた当時の面影があり、とってもかわいらしい子供たちでした。
- ロケーション:Armenian Street(アルメニアンストリート)
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
Cheah Kongsi(チャーコンシー)を正面から見た時に向かって左手側にある通りがArmenian Streetです。
バイクに乗る少年
バイクにまたがる少年を描いたBoy on a Bike(Old Motorcycle)。
こちらも自転車に乗る子供たちの壁画と並ぶ人気のフォトスポットで、いつも人集りができています。
- ロケーション:Ah Quee Street(アキーストリート)
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
Cheah Kongsi(チャーコンシー)を正面から見て向かって右側にある通りがAh Quee Streetになります。
ちなみに、Ah Quee Street(Lebuh Ah Quee)は、鄭景貴(Chung Keng Quee)から名づけられた通りで、鄭景貴はペナンプラナカンマンションの主人であったことでも知られています。
男の子とペットの恐竜
小さな男の子がペットの恐竜と散歩をしているところを描いたLittle Boy with Pet Dinosaur。
上記で紹介したバイクにまたがる少年のすぐ隣にあります。
- ロケーション:Ah Quee Street(アキーストリート)
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
バイクに乗る少年&男の子とペットの恐竜、自転車に乗る子供たちの壁画はCheah Kongsiを挟む形で位置しているため、Cheah Kongsiの建物を起点として動くとわかりやすいはずです。
椅子に乗って手を伸ばす子供(椅子に乗った男の子)
椅子の上に乗って手を伸ばす男の子が描かれた作品のReaching Up(Boy on Chair)。
こちらも人気の壁画で行列ができていることがよくあります。
- ロケーション:Cannon Street(キャノンストリート)
- 周辺にある目印となる建物:Khoo Kongsi(クーコンシー)
Khoo Kongsi(クーコンシー)のすぐ側にあります。
Khoo Kongsiは、邱(Khoo)一族とコミュニティの歴史を学ぶことができる場所になっています。
客待ちするトライショーの運転手
客待ちするトライショーのおじさんを描いたThe Awaiting Trishaw Paddler (Trishaw Man)。
かなり大きなサイズの壁画で、実際に目にするとその大きさに圧倒されます。
- ロケーション:Penang Road(ペナンロード)
- 近くにある目印となる建物:Hotel Malaysia、Cheong Fatt Tze Mansion(ブルーマンション)、レッドガーデン
Red Garden Hawker Centre(レッドガーデンホーカーセンター)があるRed Garden Genius Car Parkingという駐車場の横にあるビルに壁画があります。
ブルーマンションからも徒歩圏内です。
ブルーの服を着た女の子(カンフーガール)
ブルーの洋服(パジャマ)を着た女の子が両手を使って自分自身の体を持ち上げているところを描いたLittle Girl in Blue(Kungfu Girl)。
別名でクンフーガール(カンフーガール)と呼ばれることもあります。
トライショーのおじさんの壁画と同じく、巨大な作品になっています。
- ロケーション:Muntri Street(ムントゥリーストリート)
- 近くにある目印となる建物:Star Lodge(ホステル)とGoldsmiths Guild(Penang Ta Kam Hong)
壁画の手前にある建物がGoldsmiths Guild(Penang Ta Kam Hong)です。
亀に乗る女の子
2015年に描かれたGirl on a Turtle(The Turtle Rider)。
Chulia Mansion Hotelの壁に描かれたストリートアートは、Ernest Zacharevicさんとアルゼンチン出身のアーティストであるMartin Ronさんとのコラボ作品になっていて、壁画の下部に両者のサインがあります。
- ロケーション:Chulia Street(チュリアストリート)
- 近くにある目印となる建物:Chulia Mansion HotelやYeng Keng Hotel Penang
Chulia Mansion Hotelの対面にはYeng Keng Hotel Penangがあるので、これも目印になります。
Girl on a Turtle / The Turtle Riderが描かれた反対側の壁にも、別のアーティストによるストリートアートが描かれています。
Julia Volchkovaさんが手がける壁画
ロシア出身のアーティスト、Julia Volchkovaさんが手がける壁画も要チェックです。
Ernestさんの画風とは異なる独自の世界観があり、Juliaさんの作品もハッとするものがあります。
漁師
Stewart Laneにある漁師を描いたストリートアート。
あまり目立たないところにありますが、上記で紹介したクンフーガールがあるMuntri Street(ムントゥリーストリート) からLove Laneに向かって歩いて行くと見つけやすいです。
- ロケーション:Stewart Lane(スチュワートレーン)
- 近くにある目印となる建物:-
祈りを捧げるインド人の女性
一度見たら忘れない、そんな強い印象を与えるこちらのストリートアート。
本物の木を活用して、その中に女性を描いています。
自然とストリートアートが一体化した、特別な作品であると感じています。
- ロケーション: Lumut Lane
- 近くにある目印となる建物:-
漁師のストリートアートと同じように、こちらのストリートアートも少し見つけにくい場所にあります。
方向としてはKhoo Kongsi(クーコンシー)の近くにあり、Reaching Up / Boy on Chairのストリートアートから徒歩で3分程度です。
漁師@Balik Pulau
ペナン島のBalik PulauにあるストリートアートのWrinkled Old Fisherman。
Balik Pulauはジョージタウンから少し距離があるため、Balik Pulauを訪れる機会がある時にふらっと立ち寄る形がおすすめです。
- ロケーション: Balik Pulau
- 近くにある目印となる建物:-
Julia Volchkovaさんが手がけた作品はクアラルンプールにもあり、マレーシアのチョコレートブランドのBeryl’s(ベリーズ)がチャイナタウンで経営するBeryl’s Lot18の壁に大きなストリートアートが描かれています。
動物愛護を目的に描かれたストリートアート
ジョージタウンのストリートアートには、猫をモチーフに描かれたものが多いという特徴もあります。
これはジョージタウンフェスティバル2013年の「101 Lot Kittens」というプロジェクトの一環として、ASA(Artists for Stray Animals)によって描かれたものになります。
見捨てられた動物たちに対して愛護が必要であるという警笛を鳴らすメッセージを含むアートになります。
ここでは代表的な作品を取り上げて紹介します。
巨大な猫(スキッピー)
Skippy(スキッピー)という名前の猫が描かれたウォールアート。
生まれつき足の病気を抱え、かつてランカウイのクアタウンで捨て猫として彷徨っていたSkippy(スキッピー)。
ランカウイでBON TON(ボントン)リゾートを経営する傍ら、動物のシェルターを持ち愛護活動をするNarelle McMurtrieさんが保護した猫が描かれています。
そんな背景から、同壁画には「Skippy Comes to Penang」というタイトルがついています。
Narelle McMurtrieさんは歴史ある建物を保全し、新しいものに作り変える手腕の持ち主として非常に有名な方です。
例えば、ペナンの人気カフェの1つとして有名なCHINA HOUSE(チャイナハウス)は、Narelle McMurtrieさんが手がけたものになります。
謝公司(チャーコンシー)の対面、ビーチストリートにあるリノベカフェのチャイナハウスはオープン当初から高い人気を誇っています。
- ロケーション:Gat Lebuh Armenian
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
ブルースリーとカンフーキャット
ブルースリーがカンフーキャットと戦っているところを描いた作品のBruce Lee & Kungfu Cat。
本物のブルースーは猫にキックすることはないだろう…ということから、”The Real Bruce Lee Would Never Do This”という名称もついています。
- ロケーション:Ah Quee Street(アキーストリート)
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
バイクに乗った少年、男の子とペットの恐竜の壁画があるすぐ近くにあります。
少し奥に入った通りにあるので見つけにくいかもしれませんが、バイクに乗った少年を右手側にAh Quee Streetを歩き、男の子とペットの恐竜を越えたすぐ横にある通路を右に曲がっていくとブルースリーの壁画があります。
謝公司(チャーコンシー)内にある壁画
ペナンの華人コミュニティの中で深く信仰されている大伯公(Tua Pek Kong)にまつわる儀式の様子が描かれたストリートアートのCats & Humans Happily Living Together。
これも101 Lot Kittensプロジェクトにより手がけられたものであることから、人間の代わりに猫たちを描いたユニークな壁画になっています。
- ロケーション:Cheah Kongsi(チャーコンシー)内
- 周辺にある目印となる建物:Cheah Kongsi(チャーコンシー)
Cheah Kongsi(チャーコンシー)の内部にある壁に描かれています。
招き猫
招き猫に囲まれた猫という構図になっている壁画です。
Skippyと同じ通り、Gat Lebuh Armenianにあります。
その他のアーティストによるおすすめウォールアート
Ernest ZacharevicさんやJulia Volchkovaさん以外のアーティストによって描かれた作品の中にも素晴らしいものがたくさんあります。
その中から人気の壁画を紹介します。
ブランコに乗る兄妹
ブランコに乗る兄妹を描いた壁画。
- ロケーション:Gat Lebuh Chulia
- 周辺にある目印となる建物:The Postcard Shop
豆乳を購入する子供たち
豆乳を販売するおばさんと購入する子供たちを描いた壁画。
上記で紹介したブランコの壁画と同じ並びにあります。
- ロケーション:Gat Lebuh Chulia
- 周辺にある目印となる建物:The Postcard Shop
バスケットボールして遊ぶ子供たち
バスケットボールをする子供たちの壁画。
- ロケーション:Gat Lebuh Chulia
- 周辺にある目印となる建物:The Postcard Shop
ブランコと豆乳の壁画から見てGat Lebuh Chuliaを挟んだ反対側にあります。
すぐ近くにTHE LEGEND NYONYA HOUSEというニョニャ料理を提供するレストランがあります。
その他のウォールアート
他にもたくさんのウォールアートがあります。
オランウータンの壁画。
こちらは何かを押す男の人たち。
トライショーでパンやお菓子を販売するRoti Man(ロティマン)を描いたストリートアート。
線香を持っている女性。
窓から手を伸ばして包子を欲しがる子供たち。
こちらは水上集落であるChew Jetty(姓周橋)にある壁画。
Kuih Kapit(別名でラブレター)と呼ばれる薄いビスケットを炭火で焼いているところを描いた壁画。
Kuih Kapitを焼く時に使う実物の型(モールド)が使われています。
壁画は他にもまだまだあります。
こちらは福建語で「KAH LU KONG HOKKIEN(教你講福建)」と男の子が話しかけているところを描いた壁画です。
福建語で、Kahは教える、Luはあなた、 Kongは話す、Hokkienは福建(ホッケン)という意味があり、Kah lu kong Hokkienは「福建語を教えるよ」という意味になります。
ペナンの中華系の人々の間では福建語が広く使われています。
ジョージタウンのワイヤー(針金)アート
ジョージタウンにはウォールアートの他、Steel-Rod Scruptureと呼ばれるワイヤーアート(針金アート)があり、こちらも人気です。
ワイヤーアートには英語で説明がついていて、一つ一つのワイヤアートをじっくり見てみると、ペナンの文化や人々、歴史について学ぶことができるようになっています。
例えば、上記画像のワイヤーアートは、ペナン発祥のNasi Kandar(ナシカンダー)をモチーフにしたものです。
ナシカンダーは、Mamak(ママッ)と呼ばれるマレーシアのインド系イスラム教徒の人々を起源とする食文化で、ペナンにはNasi Kandarのお店がたくさんあります。
こちらはBenggali(バンガリ)という言葉について説明したワイヤーアート。
ケースの中に入っているものはペナンで有名なRoti Benggali(ロティバンガリ)というパンで、ペナンで食べるカヤトーストによく使われているパンになります。
他にも色々なワイヤーアートがあるので、是非じっくり見てみてください。
トライショーを利用する形もおすすめ
上記で紹介したウォールアート&ワイヤーアートは時間をかければ歩いて回ることも可能ですが、日中は日差しが強く気温も高いため、ストリートアート巡りはかなり体力を消耗します。
そんな時はトライショーを使った観光がおすすめです。
こちらがトライショー。
ジョージタウンエリアに行くと客待ちをしているトライショーがたくさんいるので、価格交渉の上、世界遺産エリアをまわってもらうと楽です。
また、見たい壁画がある場合は事前に行きたいスポットを伝えておくと連れて行ってもらうことができます。
トライショーのほかに自転車をレンタルすることもできますが、自分たちで道を調べる手間がかかるので、楽な手段を選択したい場合はトライショーの方がおすすめです。
まとめ:ペナン観光にストリートアート巡りははずせない!
ペナンのストリートアートは一見の価値があるものです。
ペナンに遊びに来たら、是非世界遺産巡り&ストリートアート巡りを楽しんでください。
以上、ペナンのストリートアートの見所解説&ロケーション情報についての紹介でした!