CNNが選ぶ世界で最も美味しい料理50選に選ばれたことがあるアッサムラクサ(Asam Laksa)。
この記事では、マレーシア・ペナンを代表するグルメのアッサムラクサについて紹介します。
ペナンのアッサムラクサとは?
アッサムラクサの表記はAsam LaksaまたはAssam Laksa。
中国語表記は叻沙になります。
CNNが選ぶ世界の美食50で7位にランクイン
アッサムラクサは、CNNの「The World’s 50 Best Foods」で、7位にランクインした実績を持つマレーシア・ペナンの料理として知られています。
また、故・Anthony Bourdain(アンソニー・ボーディン)さんが愛したマレーシアの食べ物としても有名です。
Assam Laksaはどんな味?
アッサムラクサの味の特徴は、
つるつるっとしたラクサヌードルを使う
アッサムラクサ(Asam Laksa)には、ラクサヌードルと呼ばれるお米をベースにしたライスヌードルを使います。
ツルツルっとした食感の柔らかい麺です。
蝦膏を添える
ペナンのアッサムラクサは、黒い色をしたプローンペースト(Prawn Paste)を添えて提供される形が定番です。
中国語で蝦膏、福建語の発音でHae Ko(へーコー)と呼ばれるもので、ペナンのRojak(ロジャッ)にも使っているソースになります。
発酵させた蝦がベースになっているため強い匂いを持つものの、スープに混ぜると美味しくなります。
このプローンペーストの独特の香りに加え、アッサムラクサにはたっぷりの魚を使うことから、魚介類をほとんど食べない地域に住んでいる欧米の人は、アッサムラクサの匂いや味が苦手という人も少なくありません。
Asam Laksaに使われる材料
ベースとなる魚のほか、様々なスパイスやハーブが使われています。
アッサムラクサに使う魚
アッサムラクサに使われる魚は、マレー語でIkan Kembungと呼ばれる魚(英語でIndian Mackerel)で、魚を煮て出汁を取り、頭と骨を取り除いて細かくほぐした身をスープに混ぜています。
Ikan Kembungは、マレーシアで日常的に口にする定番の魚です。
ベースとなるスパイス類
フレッシュターメリック、ガランガル 、唐辛子、レモングラス 、エシャロット、ブラチャンなどの材料をブレンダーでペースト状にし、魚を煮た時のスープに混ぜ合わせて、コトコト煮こみスープベースを作ります。
結構な量の唐辛子を使うので、スープベースは辛みが強いです。
ドライシュリンプペーストのBelacan(ブラチャン)。
ブラチャンも強い香りを持ちますが、旨みのもとになる美味しい調味料です。
酸味の決め手となる材料
アッサムラクサが持つ酸味は、
- Asam Jawa
- Asam Keping(Asam Gelugur)
…という2つの材料がベースになっています。
Asam Jawa
Asam Jawa(アッサムジャワ)は、一般的にタマリンドとして知られています。
タマリンドはマメ科タマリンド属の植物で、実が食用に使われています。
マレーシアでは、種つきのままのアッサムジャワのほか、種を抜いたペースト状のアッサムジャワが販売されていて、ローカルの料理によく使います。
Asam Keping/Asam Gelugur
アッサムジャワに加え、酸味の決め手となるもう1つの材料が、Asam Keping(Asam Gelugur)。
少量加えるだけで、強い酸味をスープに与えてくれます。
香りづけに使われる材料
ペナンのアッサムラクサに使われる材料のなかでユニークなものは、
- Bunga Kantan
- Daun Kesom
…の2つ。
どちらも、鼻に抜ける爽やかな香りを持ち、スープに清涼感を与えてくれます。
ペナンのアッサムラクサになくてはならない素材です。
Bunga Kantan(Torch Ginger Flower)
マレー語でBunga Kantan、英語でTorch Ginger Flower(トーチジンジャーフラワー)と呼ばれています。
ペナンのアッサムラクサに使われることから、Laksa Flower(ラクサフラワー)いう別名もあります。
スープベースに入れて煮込んで使うほか、細かくカットしたものをアッサムラクサの上にふりかけて使います。
Daun Kesom
Daun Kesomは、ベトナミーズコリアンダーやベトナミーズミントとしても知られいるハーブです。
Laksa Leaf(ラクサリーフ)と呼ばれることもあります。
アッサムラクサに添える食材
アッサムラクサに添える具材は、
- パイナップル
- きゅうり
- 唐辛子
- 玉ねぎ
- レタス
- ミント
…が定番です。
また、Bunga Kantan(トーチジンジャーフラワー)を細かくカットしたものを仕上げにふりかけます。
ペナンのどこでアッサムラクサを食べる?
ペナンであれば、大抵どこでも美味しいアッサムラクサを提供しているので、ジョージタウンにあるコピティアムやホーカーセンターにふらっと立ち寄って食べる形でも十分ですが、ここでは有名な場所についていくつか紹介します。
最も有名な場所は評価が分かれる
最も有名な場所は、ペナン島のAir ItamにあるPenang Air Itam Laksa。
アンソニー・ボーディンさんが訪れた場所としても有名で、魚の香りが強めの濃厚な味が特徴ですが、味に関しては好き嫌いや評価が分かれます。
個人的には一番美味しいアッサムラクサだとは感じず、アッサムラクサのためにAir Itamまで行かなくてもいいかな…というのが正直な感想です。
もし立ち寄るとしたら、ペナンヒルや極楽寺に行く時についでに行く形が便利です。
ペナンロード周辺
旅行者が多く集まるPenang Road Famous LaksaやPenang Road Famous Teochew Chendulがあるペナンロード周辺で食べる形も良いと思います。
観光客が多く非常に混み合う点が難点ですが、名物スポットの1つでもあるので、足を運んでみても良いかもしれません。
ちなみにPenang Road Famous Laksaは、ミシュランのビブグルマンを獲得しています。
シャムラクサが多いBalik Pulau
ペナンのラクサには、アッサムラクサのほか、Siam Laksa(シャムラクサ)と呼ばれるラクサがあります。
シャムラクサはアッサムラクサにココナッツミルクを加えたもので、アッサムラクサよりもマイルドな味になっています。
ペナンのBalik Pulauに行くと、Siam Laksaを販売しているお店が多く、例えば、Kim Laksa Balik Pulauは有名店の1つです。
住所:Nan guang kopitiam, 67 main road, 11000 Balik Pulau, Pulau Pinang
Balik Pulauもジョージタウンから離れたところにあるため、わざわざKim Laksaに行くよりも、Balik Pulau方面の観光をするついでに立ち寄る形がおすすめです。
Balik Pulauは、ペナン中心部のジョージタウンとは異なり、自然溢れるエリアで、のどかな雰囲気がある場所です。
まとめ
ペナンのアッサムラクサは、魚介類を食べ慣れている日本人の口には受け入れられやすい食べ物ですが、シュリンプペーストの香りがダメだったり、辛いものが苦手な人には辛すぎて苦手に感じてしまうことがあるかもしれません。
ただ、独特の酸味と旨みを持つアッサムラクサは、ペナンで食べるべきグルメの1つであることは間違いありません。
以上、ペナンのAsam Laksa(アッサムラクサ)についての紹介でした!