飲茶の点心でおなじみの腸粉。
マレーシアには香港&広東式の腸粉に加え、ユニークな発展を遂げた猪腸粉があります。
この記事では、腸粉の概要とマレーシアのチーチョンファンの特徴について紹介します。
腸粉(チョンファン)とは?
お米をベースにした液体を薄く引きのばし、蒸して作るライスクレープの腸粉。
プルプル&ツルツル食感が特徴の点心になります。
クルクル巻いた形状が豚の腸に似た見た目をしていることから、豬腸粉と呼ぶことも一般的です。
猪腸粉の意味と発音
広東語で腸粉は、チョンファンと発音します。
猪豚粉は、チーチョンファン。
標準中国語だと、チャンフェン(ピンインはCháng fěn)になりますが、広東系の人が多いマレーシアでは広東語ベースの発音で、チョンファンと呼ぶことが一般的です。
マレーシアにおける英語(アルファベット)表記は、
- 腸粉→Cheong Fun
- 猪腸粉→Chee Cheong Fun
が使われていることが多いです。
腸粉はどんな味?
腸粉自体には強い味がなく、うっすらとお米の味がする程度です。
ただ、腸粉に具材を加えたり、ソースをかけて食べることから、食感およびソースと具材の味を楽しむ食べ物だと言えます。
マレーシアのChee Cheong Fun(チーチョンファン)の特徴
マレーシアの腸粉は、広東系の移民により伝播したものであると言われています。
ただし、広東式の腸粉以外に、オリジナルをアレンジしたものがあるところがマレーシアの腸粉(チョンファン)の特徴です。
大きく分けると、
- 香港&広東式の腸粉
- クアラルンプール式の腸粉
- ペナン式の腸粉
…の3タイプに分類することができます。
イポー式など、もっと細かく分けることもできますが、ここでは主要な3つのスタイルについて紹介します。
香港&広東式のチョンファン
マレーシアの広東式点心レストランで提供される腸粉は、香港の点心と同じスタイルの腸粉になります。
お米ベースの液体を薄くのばして蒸し、そこにエビなどの具材をおいてさらに蒸し、クルクルっと巻いて提供されるタイプの腸粉です。
香港&広東式腸粉で定番の具材
腸粉の具材には色々なものがありますが、定番はエビ(鮮蝦腸粉)。
マレーシアには豚肉を使わない腸粉もある
イスラム教徒が多いマレーシアには、豚肉を使わない点心レストランもあります。
そのような点心レストランでは、エビなどのシーフードのほか、鶏肉を使った腸粉を提供しています。
クアラルンプール式のチョンファン
クアラルンプールには、カレーをかけた咖哩豬腸粉があります。
事前に準備しておいた腸粉に、カレソースをかけて提供されます。
咖哩豬腸粉はカレー麺のような感覚で食べることができ、日本人の口に合う料理です。
クアラルンプールの腸粉は、客家の影響を受け、釀豆腐と一緒に食べることが多い点も特徴です。
ペナン式のチョンファン
ペナン島で一般的な腸粉(チョンファン)は、
- スイートソース
- プローンペースト
- チリソース
…の3つのソース(基本的には黒と赤のソース)を使うところが特徴です。
特に、エビを発酵させたプローンペースト(シュリンプペースト)を使うところが大きな特徴で、ペナンのRojak(ロジャッ)やAsam Laksa(アッサムラクサ)にも使われる独特のソースになります。
ソースはカスタマイズも可能で、スイートソースだけ、チリソースなし、プローンペーストなしという注文もできます。
また、ペナンの猪腸粉は、
- 腸粉が閉じた状態のもの
- 腸粉が開いた状態のもの
…を選ぶことができるお店が多いところも特徴です。
上記画像は、閉じた状態の腸粉(チョンファン)で、クルクルっと巻いた腸粉をそのままカットしたものになります。
こちらは開いた状態の腸粉(チョンファン)。
どちらかと言うと、開いた状態の腸粉の方が、ソースがしっかり絡まって美味しく感じます。
まとめ
注文を受けてから、生地を蒸しその場で作って提供する香港&広東式の猪腸粉(チーチョンファン)に対し、クアラルンプール式とペナン式は、事前に腸粉を作って準備しておくところも大きな調理法の違いになります。
はじめて猪腸粉を食べる場合は、オーソドックスである香港&広東式のものがおすすめですが、マレーシアにはユニークな腸粉があるため、興味がある場合は色々試してみてください。
以上、マレーシアの腸粉(チョンファン)についての紹介でした!