マレーシアで親しまれているホワイトコーヒー。
“ホワイト”という言葉が使われていることから、「白いコーヒー」を思い浮かべてしまうかもしれませんが、独自の製法で作られたコーヒーを指します。
この記事では、マレーシアのホワイトコーヒーについて紹介します。
マレーシアのホワイトコーヒーとは?
マレーシア発祥のホワイトコーヒー。
焙煎時に少量のマーガリンを加え、浅煎りに仕上げた豆を使い、コンデンスミルクを加えて提供されるコーヒーになります。
ホワイトコーヒーの起源と誕生秘話
マレーシアでホワイトコーヒーが生まれたのは、イギリスがマラヤを統治していた19世紀のイポー。
錫の鉱山業により繁栄していた時代になります。
欧米のブラックコーヒーの味になじめなかった
当時のイポーには、多くの中華系移民が鉱山業に関わる肉体労働者として働いていました。
欧米人の影響でコーヒーを飲む文化が中華系コミュニティにも伝わり、欧米人を真似てブラックコーヒーを飲もうとしたものの、
「苦くて飲めない….」
「口に合わない…」
…とその苦味や酸味に馴染むことができなかったと言われています。
海南の人々が飲みやすくなるよう改良
イポーでコピティアムを経営する海南の人々が、
- 独自の豆のブレンド
- 焙煎方法
…を考案し、ローカルの人々の口に合うように改良します。
その結果、
- クリーミーな泡立ち
- 甘み
- 独特のアロマ感
…を実現し、これがホワイトコーヒーの誕生になったと言われています。
ちなみに、中国からマラヤに渡ってきた海南の人々はホワイトコーヒーのほか、カヤトーストをはじめとする様々な料理を生み出し、コピティアムの文化を築き上げたと言われています。
ホワイトコーヒーの特徴
マレーシアには、Kopi-O(コピ オー)と呼ばれる伝統的な砂糖入りのブラックコーヒーがあります。
マレーシアの伝統的なブラックコーヒーは、焙煎過程でコーヒー豆に砂糖やマーガリン、塩などを加え、高温でローストし、カラメル化させつつ深煎りに仕上げるため、独特の苦味やダークロースト感があります。
一方、ホワイトコーヒーは、
- 少量のマーガリン(またはパームオイル)のみを加える
- 中低温でゆっくり焙煎し、浅煎りに仕上げる
- 焙煎時間は短め
…という異なる焙煎方法で作られています。
伝統的なコーヒーは苦味・酸味・濃いフレーバーが特徴になっていることに対し、ホワイトコーヒーは苦味や酸味を抑えたライトでまろやかな仕上がりが特徴です。
焙煎過程で加える材料、焙煎温度、焙煎時間によって、違いが生み出されています。
コーヒーの抽出方法に関しては、ホワイトコーヒーもコピオーも同じで、布フィルターを使います。
コーヒーパウダーを入れた布フィルターにお湯を入れて濾す動作を何度か繰り返し、コーヒーを抽出しています。
ホワイトコーヒーの甘みはコンデンスミルクによるもので、コーヒーが持つ苦味を和らげ、まろやかさに繋がっています。
コピとホワイトコーヒーの違い
マレーシアでKopi(コピ)と言うと、コンデンスミルク入りのコーヒーのことを意味します。
そこで気になることは、
ホワイトコーヒーとコピは何が違う?
答えは、
味の違いは簡単に見分けることができない
その理由はどちらもコンデンスミルクをたっぷり入れているためで、コーヒー自体の味の違いが非常にわかりにくくなっています。
ホワイトコーヒーの由来
Kopi-Oに使う真っ黒に焙煎したコーヒー豆と比較して、ホワイトコーヒーに使う豆がライトな色合いであったことから「白咖啡」と呼ぶようになった。
コンデンスミルクを加えることによりコーヒーの色味が白っぽくなったことから、「白咖啡」と呼ぶようになった。
…など複数の説がありますが、どの説が正しいかは不明です。
イポーホワイトコーヒーが作られた当時、ローカルの人が中国語で「白咖啡」と呼んでいたものをそのまま英訳したものがホワイトコーヒー(White Coffee)になります。
マレーシアのイポーとホワイトコーヒー
ホワイトコーヒー発祥地のイポーには、有名なホワイトコーヒーのお店がいくつかあります。
ホワイトコーヒーが誕生したと言われるコピティアムが、オールドタウンにある新源隆茶室(Sin Yoon Loong)。
インスタントホワイトコーヒーのオールドタウンブランドを作ったコピティアムである南香もイポーのオールドタウンにあります。
イポーのホワイトコーヒー=南香…というくらい有名なコピティアムです。
まとめ
ホワイトコーヒーはマレーシアの色々な場所で飲むことが可能ですが、生誕地と言われるイポーで飲む形がおすすめです。
以上、マレーシアのホワイトコーヒーについての紹介でした!