“マレーシアのハンバーガー”、Ramly Burger。
日本円で120円〜150円程度で購入できるラムリーバーガーは、マレーシアを代表するストリートフードの1つです。
この記事では、ラムリーバーガーの概要とメニューの種類や注文ポイントについて紹介します。
マレーシアのラムリーバーガーとは?
夕方になると、マレーシアの路上で販売されるようになるRamly Burger(ラムリーバーガー)。
Ramly Food Processing Sdn. Bhdというマレーシアの企業が製造&販売するRamlyブランドのハンバーガーパティを使ったハンバーガーのことを総称してラムリーバーガーと呼んでいます。
Ramlyの意味と由来
Ramly(ラムリー)という言葉は、Ramly Food Processing Sdn. Bhdの創業者であるHaji Ramly bin Mokniさんの名前が由来になっています。
Ramlyの誕生秘話
ハンバーガーに使われる肉がHalal(ハラール)であるのか?
…こんなことがマレーシアで不安視されていた1970年代。
Ramly創業者はイスラム教徒が抱えていたこの不安要素にビジネスチャンスを見いだし、ハラール対応したパティやファーストフード食品の販売を思いつきます。
1979年にハンバーガーの路上販売をはじめ、奥さんのHajjah Shala Siah Abdul Manapさんと1984年にPerusahaan Burger Ramly Mokni Sdn Bhdを創業。
これがRamlyのはじまりで、のちにRamly Food Processing Sdn. Bhdに社名変更して現在に至ります。
マクドナルドの上陸もラムリーバーガー人気に関係している?
マレーシアにマクドナルドの店舗がはじめてオープンしたのは1982年4月。
クアラルンプールのブキッビンタンにオープンした店舗が第1号店になります。
今から40年ほど前は、全てのローカルの人にとってマクドナルドのハンバーガーはそれほど安いものではなかったと言われているので、手頃な価格で購入できるラムリーバーガーはマクドナルドとの対比で人気を博したのかもしれません。
現在もローカルの人の間でラムリーバーガーが人気なのは、その安さが根底にあります。
冷凍食品を販売するRamly Food Processing Sdn. Bhd
Ramly Food Processing Sdn. Bhdは、ハンバーガー用のパティのほか、ソーセージやナゲットなど、各種冷凍食品の製造&販売をしています。
Ramlyの代表的な商品が、バーガー用パティ。
上記画像は鶏肉のパティになります。
こちらは牛肉のパティ。
袋のなかには、冷凍されたパティが入っています。
こんがりと焼けば、美味しいパティの完成です。
向かって左側が牛肉、右側が鶏肉のパティになります。
Ramly(ラムリー)の冷凍食品はRamlyの店舗やスーパーなどで販売されているので、自宅でも簡単にラムリーバーガー作りができます。
ラムリーバーガー屋台の営業開始は夕方〜夜が基本
Ramlyの店舗でもラムリーバーガーを食べることができますが、マレーシアでRamly Burgerを食べる時は、路上で営業している露店(屋台)がメインです。
露店の多くは、夕方から夜にかけて営業開始するお店がほとんどで、深夜まで営業しています。
営業開始時間はお店により異なり、17時過ぎからはじまるところもあれば、19時や20時というお店もあります。
そのため、Ramly Burger=夜食というイメージが定着しています。
少数のテーブル席を設けているお店もありますが、基本的には持ち帰りになります。
Ramly Burgerのメニュー
露店でラムリーバーガーを注文する時は、お店の人に声をかけて注文します。
屋台でラムリーバーガーのメニューをはじめて目にした時に「これ何?」と戸惑うことがあるかもしれないので、メニューの種類やポイントについて以下にまとめてみました。
メニューの種類
一般的には、
- Ayam
- Daging
- Hot dog
- Oblong
- Benjo
…というメニューで構成されています。(+追加メニューのAdd on)
Oblongは丸いバンズではなく、縦長いパンを使ったバーガーになります。
お店によって、Oblongがないケースもありますが、上記のメニューが基本的なものになります。
パティはAyamまたはDaging
ハンバーガーのパティは、
- 鶏肉のAyam(アヤム)
- 牛肉のDaging(ダギン)
…の2つから選ぶ形が基本です。
お店によって、魚のIkan(イカン)やマトンのKambing(カンビン)を販売しているケースもありますが、どのお店にも必ずあるものがチキンとビーフです。
観光客が多い場所で営業しているお店では英語でChickenやBeefと書かれていることもありますが、AyamとDagingというマレー語だけの表記のお店もあるので、AyamとDagingは覚えておくと便利です。
BiasaとSpecialの選択肢
ラムリーバーガーを販売する屋台のメニューで、
- Biasa(ビアサ)
- Special(スペシャル)
…という表記を目にすることがあるかもしれません。
この場合、
- Biasa:パティを卵で包まないプレーンなハンバーガー
- Special:パティを卵で包むハンバーガー(+チーズ入りのケースもあり)
…を意味します。
卵なしハンバーガーのBurger Biasa(バーガービアサ)。
チキンパティの場合は、Ayam Biasaや Ayam Burgerとメニューに記載されていることもあります。
ビーフパティのものは、Daging BiasaやBeef Burgerになります。
こちらは卵でパティを包んだBurger Special(バーガースペシャル)。
スペシャルについては、パティを卵に包むことが基本ですが、お店によってチーズを加えているケースとそうでないケースがあります。
例えば…
- Biasa(Normal)
- Special
- Special Cheese
…というメニュー表記がある場合、
- Biasa:卵なしのパティのバーガー
- Special:パティ+卵のバーガー
- Special Cheese:パティ+卵+チーズのバーガー
…になります。
この場合、Special Cheeseの方がSpecialより価格が高くなっているはずなので、メニューを見るとチーズありかチーズなしかがわかると思います。
英語のメニュー表記の場合、
- Chicken Burger
- Chicken Egg
- Chicken Egg Cheese
…となっているケースがあり、これだと違いがわかりやすいかもしれません。
このあたりはお店によってメニューの書き方であったり、定義が異なることがあるので、注文前に確認してみてください。
Black Pepper(ブラックペッパー)
Black Pepperは、Ramly社のブラックペッパーソースを使ったハンバーガーになります。
黒胡椒の味がしっかりしたややスパイシーなソースで、ハンバーガーに加えると、とても美味しいです。
Double(ダブル)
メニューにDoubleと記載されているものは、パティ2枚を使ったハンバーガーになります。
ボリューム感があります。
エッグバーガーのBenjo(Egg Banjo)
Benjoはパティなし(肉なし)のエッグハンバーガーになります。
Benjoのメニューには、マレー語で卵を意味するTelorという記載がついていたり、英語でEgg Benjo(またはEgg Banjo)と記載されていることもあります。
Hot Dog(ホットドッグ)
Ramly Burger(ラムリーバーガー)のお店では、ハンバーガーのほかにホットドッグを販売していることが多いです。
Ramly(ラムリー)社のソーセージを使っています。
ラムリーバーガーの値段
Ramly Burger(ラムリーバーガー)の価格は、販売場所によって多少異なりますが、
- ビアサ:RM4.20〜RM5.00程度(日本円で約126円〜150円)
- スペシャル:RM5.50〜RM6.00前後(約165円〜180円)
…のものが多いです。
ただ、昔と比較すると値上げされているので、今後も価格が上昇することが見込まれます。
ラムリーバーガーはどのように作られている?
Ramly Burger(ラムリーバーガー)のお店には必ず鉄板があり、鉄板を使ってハンバーガーを作ります。
まずは、マーガリンを加えてバンズを鉄板で軽く焼き、温めます。
Ramly(ラムリー)の冷凍パティを取り出し、こんがり焼きあげます。
パティには、Maggiのソース(Maggi Seasoning)などで味つけします。
ウスターソースを使う人もいて、この場合、Lea & Perrinsのウスターソースを使うことが定番です。
イギリスの影響もあり、マレーシアでウスターソースと言えばリーペリンで、自宅に1本あると色々な料理に使えて便利です。
とても美味しいウスターソースです。
玉ねぎなどの具材にも火を入れます。
あとは、具材をパティに盛りつけていきます。
スペシャルのラムリーバーガーを作る時は、卵を鉄板に割り薄く広げます。
卵の上に焼いたパティを置き、包んでいきます。
チリソースやケチャップ、マヨネーズなどのソースをたっぷりかけます。
最後に、紙に包んで完成です。
ラムリーバーガーに使う調味料について
お店によって使う調味料は多少異なりますが、
- Maggi Seasoning
- マヨネーズ
- チリソース
- ケチャップ
…が基本です。
あとはブラックペッパーソースも定番です。
Ramly Burgerの味
たっぷりのソースがかかったRamly Burger(ラムリーバーガー)。
乱雑に見えるかもしれませんが、ソースでグチャグチャっとした感じがラムリーバーガーの定番です。
こちらは牛肉のパティを使ったDaging Special(ダギン スペシャル)。
鶏肉のパティを使ったAyam Special(アヤム スペシャル)。
普通に注文すると、ソースをたっぷり加えて作られることが多いので、パティの味よりもほぼソースの味に独占されています。
ソースなしやソースを少なめで注文するカスタマイズもできるので、好みに応じて注文してみてください。
【蛇足】ラムリーバーガーの美味しい食べ方
ラムリーバーガーを屋台で購入したら、その場で熱々のものを食べる形がおすすめですが、「買い過ぎた!食べきれなかった!」という時のおすすめの食べ方があります。
それは、一旦冷蔵庫に入れておいて、翌日にオーブンで温める方法です。
バンズがカリカリ&サクサクになり、より美味しく食べることができます。
わざと多めに購入して、1つはすぐに食べて、もう1つは翌日にオーブンで焼いて食べる方法が個人的なおすすめです。
ラムリーバーガーはどこで食べることができる?
クアラルンプールやプタリンジャヤには、
- Om Burger
- Brader John Burger
…など「Ramly Burgerが美味しい!」という有名店があります。
ラムリーバーガーは、鉄板の扱いや味つけなど作り手の力量が美味しさの違いを生むところがあり、美味しいお店とそうではないお店があるのは事実です。
ただ、Ramly Burger(ラムリーバーガー)の屋台自体は、人が多く集まる場所で営業していることが多く、割と色々なところでお店を目にするので、たまたま見かけたお店で購入する形で十分です。
…とは言うものの、購入スポットの一例としてKLセントラル駅があるBrickfields(ブリックフィールズ)周辺にあるお店について紹介します。
モノレールのKLセントラル駅近くにあるSaleem Generation Burger。
気さくでフレンドリーなお兄さんが営業しています。
Saleem Generation Burgerの斜め向かいにABC One Bistroがあるので、これを目印にするとわかりやすいです。
モノレールのKLセントラル駅から徒歩1分程度の場所にあります。
Saleem Generation Burgerのすぐそばで営業しているJohn Burger。
ABC One Bistroの対面にあるお店になります。
こちらのお店のラムリーバーガーは美味しいです。
foodpandaやGrabfoodでも注文可能です。
John Burgerは同じブリックフィールズにもう1つ店舗があり、それがPublic Bankの前で営業している上記画像のお店。
モノレールのKLセントラル駅から徒歩2分程度の場所にあります。
また、数は少ないものの、お店の横にテーブル席があります。
ここではKLセントラル駅近くにお店について紹介しましたが、Bukit Bintang(ブキッビンタン)のアロー通り周辺にもたくさんお店があります。
Ramlyのキオスク
ストリートフードであるラムリーバーガーは、路上で営業している屋台で食べる形がおすすめですが、
- Ramly Halal Mart
- Ramly Burger Kiosk
…など、Ramlyが経営するお店で食べることもできます。
Ramlyのお店自体はそこまで数が多くないものの、街中にあるほか、マレーシアのR&R(高速の休憩所)にお店が設置されていることがあります。
こちらは、Bukit Jalilスタジアムの敷地内にあるラムリーバーガーのキオスク(Ramly Burger Kiosk @ Axiata Arena)。
店内でRamly商品の販売もしているので、各種冷凍商品の購入もできます。
Ramly Burger Kioskのメニュー
ハンバーガーのほか、ご飯もの、ウェスタン、サテー、フレンチフライなど様々な食べ物を販売しています。
こんな感じでハンバーガー以外のものも注文できます。
ブラックペッパーソースが美味しい
Ramly Burger Kioskのなかにあるソースディスペンス。
チリソースとブラックペッパーソースがあり、セルフサービスでソースを取る形になっています。
ソースの量を調整できるので、好きなだけ加えたり、少なめにしたりとカスタマイズが可能です。
オリジナルのチキンバーガー。
Ramly Burger Kioskでは、パティを卵で包むようなメニューがなく、もっとシンプルな形になっています。
味に関してもあっさりしていて、屋台のような油っぽさがなく、ソースの量を自分で調整できるところが良いポイントです。(味に関しては、屋台特有のガッツリ感がないので、好き嫌いが分かれます。)
Ramly Burger Kioskのフレンチフライ。
屋台で食べるラムリーバーガーの方が人気の理由
Ramly Burger Kioskのハンバーガーは、単品でRM5.50〜5.90程度(日本円で約165円〜177円)で、セット(バーガー+フレンチフライ+ドリンク)でRM9.90〜RM11程度(日本円で約297円〜330円)です。
屋台だとBiasaがRM4.00ちょっとで購入できるケースが多く、パティにしっかり味つけしたり、バンズに加えるソースがもっと味わい深いところがあるので、屋台のラムリーバーガーの方が好きというローカルの人が多いです。
また、Ramly Burger Kioskのハンバーガーセットは、マクドナルドやKFCのシンプルなハンバーガーセットの価格とそれほど変わないので、マクドナルドやKFCに足を運ぶ人が多いという側面もあります。
まとめ:マレーシアを代表するハンバーガー
屋台で販売されているRamly Burger(ラムリーバーガー)は、ジャンキーな味であるため好き嫌いが分かれるかもしれませんが、
マレーシアのハンバーガー=ラムリーバーガー
…というくらい定番の食べ物であるため、興味がある場合は試してみて良いかもしれません。
非常に安い食べ物なので、過度の期待をせず食べる形がおすすめです。
以上、マレーシアのRamly Burger(ラムリーバーガー)についての紹介でした!