インドネシア、マレーシア、シンガポールなど、東南アジア諸国で親しまれているNasi Goreng(ナシゴレン)。
この記事ではNasi Gorengの概要とマレーシアのナシゴレンの種類&特徴について紹介します。
ナシゴレンとは?
ご飯を炒めて作るNasi Goreng(ナシゴレン)。
インドネシアやマレーシアの焼き飯として知られています。
ナシゴレンの意味
インドネシア語やマレー語で、
- Nasi(ナシ)=ご飯
- Goreng(ゴレン)=炒める、揚げる
…という意味を持ち、Nasi Gorengを英語にすると、Fried Rice(フライドライス)、つまり炒飯/焼き飯という意味になります。
中国の炒飯がベースになっている?
ナシゴレン=インドネシアやマレーシア
…というイメージがあり、実際にインドネシアやマレーシアで日常的に食べられている料理になりますが、ナシゴレンという料理のベースは中国の炒飯にあります。
中国からマレー半島に移り住んだ中華系の人々の影響を受けて誕生したものであるという見方が有力です。
ナシゴレンが中華鍋を使って作られることも、中国の炒飯の影響を受けているという根拠になっています。
ナシゴレンを特徴づける調味料や材料
ご飯を炒めて作る…という点において、ナシゴレンは日本で食べる炒飯と似ているところがあるものの、日本の炒飯よりも辛かったり、スパイシーな味つけになっているところがマレーシアのナシゴレンの特徴です。
ただ、マレーシアのナシゴレンには色々な種類があるので、全てスパイシーというわけではありません。
ナシゴレンに使う調味料には色々なものがありますが、代表的なソースはスイートソースのKecap Manis。
また、シャロット(エシャロット)やニンニク、唐辛子、シュリンプペーストなどで作るSambal(サンバル)と呼ばれるチリペーストを加えることも定番です。
サンバルソースに使う唐辛子は、chili padi(チリパディ)を使っていることが多く、これが辛さのもとになっています。
こちらはシュリンプペーストのBelacan(ブラチャン)。
ブラチャンもマレーシアの料理によく使われている調味料で、旨みを料理に与えてくれます。
ナシゴレンとナシレマの違い
マレーシアを代表するご飯モノ料理のナシゴレンとナシレマ。
Nasi Lemak(ナシレマ)は、お米にココナッツミルクなどを加えて炊く料理で、ナシゴレンとは調理方法や材料が根本的に異なります。
ただし、ナシレマを炒めたNasi Lemak Gorengというユニークな料理を販売しているお店もあります。
マレーシアのナシゴレンの種類
マレーシアで食べるナシゴレンには、
- マレー式
- 中華式
- Mamak(ママッ)式
- タイ式
…など、様々な種類のものがあり、多様性に富んでいます。
Mamak(ママッ)は、マレーシアにおけるインド系イスラム教徒の人々を指し、一般的にママッスタイルのナシゴレン(Nasi Goreng Mamak)は、複数のスパイスを使ったカレー風味の炒飯になります。
上記画像は、Murni Discoveryというお店のNasi Gorengのメニューになり、ナシゴレンというカテゴリーでも、多くのメニューがあることがわかります。
色々なNasi Goreng(ナシゴレン)があるものの、
- Nasi Goreng Biasa
- Nasi Goreng Kampung
- Nasi Goreng Belacan
- Nasi Goreng Cina
- Nasi Goreng Pattaya
- Nasi Goreng USA
- Nasi Goreng Tomyam
- Nasi Goreng Paprik
…が定番です。
ちなみに、Nasi Goreng USAは、蝦のUdang(ウダン)、イカのSotong(ソトン)、鶏肉のAyam(アヤム)というマレー語の頭文字を取ったものになりますが、マレーシアには色々な種類のナシゴレンUSAがあります。
以下に、マレーシアで定番のナシゴレンについて紹介します。
Nasi Goreng Biasa(ナシゴレン ビアサ)
最もベーシックなナシゴレンが、Nasi Goreng Biasa(ナシゴレンビアサ)。
Biasa(ビアサ)は、マレー語でノーマルという意味を持ちます。
肉類や卵などがないシンプルなナシゴレンを指すことが一般的です。
Nasi Goreng Ayam(ナシゴレン アヤム)
チキン入りのNasi Goreng Ayam(ナシゴレンアヤム)。
鶏肉以外の具材を使ったナシゴレンも多く、
- マトン→Nasi Goreng Kambing
- 牛肉→Nasi Goreng Daging
- 蝦→Nasi Goreng Udang
- イカ→Nasi Goreng Sotong
- ソルテッドフィッシュ→Nasi Goreng Ikan Masin
…などがあります。
Kambing(カンビン)、Daging(ダギン)、Udang(ウダン)、Sotong(ソトン)あたりの言葉は、色々なお店でよく使う単語であるため、このあたりの言葉を覚えておくと何かと便利です。
Nasi Goreng Kampung(ナシゴレン カンポン)
マレーシアで食べるナシゴレンのなかで、一番のおすすめがNasi Goreng Kampung(ナシゴレンカンポン)。
Kampung(カンポン)は、マレー語で田舎や村という意味を持ちます。
ナシゴレンカンポンは、Ikan Bilis(イカンビリス)のほか、空芯菜、ブラチャン、チリパディを使って作られています。
イカンビリスはアンチョビのことで、油でサクサクに揚げたものを使います。
ナシゴレンカンポンは、個人的に最も好きなナシゴレンです。
Nasi Goreng Pattaya(ナシゴレン パタヤ)
炒飯を卵で包んだNasi Goreng Pattaya(ナシゴレン パタヤ)。
チリソースをかけて食べる形が一般的です。
Pattayaという名前がついているものの、タイのパタヤとは関係がないと言われています。
ナシゴレンパタヤは日本のオムライスに似たもので、“マレーシア版オムライス”になります。
Nasi Goreng Cina(ナシゴレン チナ)
チャイニーズナシゴレンという意味を持つNasi Goreng Cina(ナシゴレンチナ)。
マレー式のナシゴレンとは異なり、辛くない味つけの炒飯になります。
辛いものが苦手という場合は、Nasi Goreng Cinaをチョイスすると、食べやすいです。
ただ、マレーシアで中華式の炒飯を食べるのであれば、Nasi Goreng Cinaとして提供しているマレー系やMamak系のお店ではなく華人が経営しているお店に足を運ぶことをおすすめします。
中華スタイルの炒飯にも色々なものがありますが、マレーシアで定番のチャーハンは揚州炒飯(Yángzhōu chǎofàn/ヤンジョウチャオファン)。
日本人の口に合う美味しい炒飯です。
Nasi Goreng Paprik
タイ式のナシゴレンのNasi Goreng Paprik。
タイスタイルのNasi Gorengには、トムヤムフレーバーのほか、パイナップルを加えたNasi Goreng Nanasもあります。
マレーシアのユニークな炒飯
ユニークなナシゴレンとしては、Nasi Goreng Petai(ナシゴレンプタイ)。
臭い豆と呼ばれるPetai(プタイ)を使った炒飯になります。
マレーシアチャーハンのナシゴレンは美味しい!
バラエティ豊かなナシゴレンがあるマレーシア。
一番のおすすめはNasi Goreng Kampung(ナシゴレンカンポン)ですが、興味や気分に応じて色々なナシゴレンを試してみてください。
以上、マレーシアのNasi Goreng(ナシゴレン)についての紹介でした!