クアラルンプールにあるマレーシア・イスラム美術館(Islamic Arts Museum Malaysia)。
世界のイスラム教に関わる美術品や遺物を収蔵する東南アジア最大級のイスラム美術館として知られています。
この記事ではマレーシア・イスラム美術館の概要や見所、アクセス方法について紹介します。
マレーシア・イスラム美術館(Islamic Arts Museum Malaysia)
1998年12月にオープンしたマレーシア・イスラム美術館(Islamic Arts Museum Malaysia)。
マレー語の名称はMuzium Kesenian Islam Malaysiaになります。
マレーシア・イスラム美術館は、館内にある展示物だけではなく、その建物自体の造形が美しく、はっと目を見張るものがあります。
Albukhary Foundationによって創設
マレーシアの実業家&慈善家として著名なSyed Mokhtar Albukharyさん率いる財団のAlbukhary Foundationによって創設されたマレーシア・イスラム美術館。
Syed Mokhtar Albukharyさんはマハティール前首相と親しいことでも知られていて、2018年に開催されたマレーシア・イスラム美術館創立20周年の祝賀会には、Syed Mokhtar Albukhary氏と共にマハティール首相も出席しています。
また、イギリスのチャールズ国王も、プリンス時代の2017年にマレーシアを訪問した際、イスラム美術館を訪れています。
クアラルンプール植物園のすぐ近くにあるイスラム美術館の周辺は、豊かな緑に囲まれています。
美術館からは、国立モスクのMasjid Negaraのほか、世界で2番目に高いビルになるPNB 118(Merdeka 118)を眺めることができます。
美術館の設備
ターコイズブルーのタイルが美しい中庭。
中東料理を提供するレストラン。
上記のほか、マレーシア・イスラム美術館には、お土産屋さんや図書館があります。
マレーシア・イスラム美術館の展示品
マレーシア・イスラム美術館には、
- 建築
- コーラン
- インド
- 中国
- マレー
- ジュエリー
- テキスタイル
- 木彫り品
- 武器や武装
- コイン
- メタルワーク
- 陶磁器
…という12の固定テーマの展示スペースのほか、特別展示スペースやオープンスペースにある写真展があり、合計12,000点以上の展示品を有します。
展示物の解説は、英語またはマレー語になります。
世界各国のコーラン(クルアーン)
イスラム教の聖典であるコーラン(クルアーン)。
コーランのセクション(Qur’an and Manuscript)には、世界各国のコーランや書物が展示されています。
イスラム世界の宝石
ジュエリーの展示スペースにあるきらびやかな宝石。
陶磁器
陶磁器の展示コーナーにある、Chinese Imari(チャイニーズ伊万里)。
上記画像の陶磁器は、日本の伊万里焼をデザインベースにして作られた中国の陶磁器で、東南アジア、オットマン帝国(オスマン帝国)、インドなどの海外市場向けに作られたものになります。
こちらは広東スタイルのお皿。
花や蝶々、鳥など、広東らしいデザインが施されています。
これらの陶磁器は、主に1840年〜1880年にかけて輸出向けに作られたもので、ペルシャ語の詩が陶磁器に刻まれています。
イスラム世界と中国文化が融合した作品になります。
イスラムと中国
イスラム世界と中国に関わる歴史がまとめられた表。
マレーシアの歴史に大きく関連する記述としては、中国出身の鄭和(Zheng He)。
鄭和(Zheng He)自身は、イスラム教徒であったことで知られています。
合計7回に及ぶ大航海を行なった鄭和(Zheng He)は、その航海のなかで、マラッカに立ち寄り、これをきっかけにマラッカ王国の君主は中国・明に朝貢するようになり、のちに中国の女性(ハンリーポー)を妃の一人として迎え入れています。
ハンリーポーがマラッカに嫁入りする時にエスコート役となり船旅に伴ったのは鄭和(Zheng He)だと言われていて、マラッカには鄭和やハンリーポーゆかりの場所があります。
イスラム書道
イスラム書道(Islamic Calligraphy)も展示されています。
イスラム書道に使われる落款もあります。
入場料と開館時間
入場料金は大人料金がRM14、そのほかはRM7、6歳以下の子供は無料になります。(2023年3月時点の情報に基づきます。)
特別展示を行なっていない場合の入場料は、大人がRM12、それ以外はRM6になります。
開館時間は10時〜18時です。
基本的に祝日も開館していますが、例外としてイスラム教の重要な祭日にあたるHari Raya PuasaとHari Raya Hajiは閉館するため、美術館に足を運ぶ時はカレンダーをチェックしてみてください。
イスラム美術館のロケーションとアクセス方法
住所:Jalan Lembah, Tasik Perdana, 50480 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
上記イメージマップにある赤点がイスラム美術館がある場所になります。
- KTMコミューターのKuala Lumpur駅
- MRTのMuzium Negara駅
- LRTとMRTのPasar Seni駅
- バス(GO KL City BusやHop-on Hop-off)
…を利用してイスラム美術館にアクセスできます。
わかりやすいのはバス利用やクアラルンプール駅からアクセスする方法になります。
アクセス方法①:KTMのクアラルンプール駅を利用する場合
Kuala Lumpur駅の対面に、マレー鉄道の本部(KTMB Corporate Headquarters)がある建物があります。
この建物を左手側にして、道に沿って歩いて行くと、右手側に国立モスク(Masjid Negara)が視界に入ります。
そのまま道に沿って歩いて行くと、マレーシア・イスラム美術館に到着します。
アクセス方法②:バスを利用する場合
観光バスのHop-on Hop-offバスを利用する場合、国立モスク(Masjid Negara)前の停留所で下車します。
モスクの対面にTV Alhijrahという放送局があるので、これを左手側、モスクを右手側にしながら道を歩いて行くと、徒歩3分ほどでマレーシア・イスラム美術館に到着します。
KTMのクアラルンプール駅を利用する時よりも歩く距離が少なく、アクセスが簡単です。
GO KL City Busに乗車する場合は、レッドラインを利用します。
アクセス方法③:MRTのMuzium Negara駅も利用できる
MRTのMuzium Negara駅から、マレーシア・イスラム美術館に行くアクセス方法もあります。
この場合、MRTの駅から植物園に行き、そこからRoyal Malaysia Police Museumがある方面に歩いて行くのですが、駅から少なくとも20分以上歩くことになり、やや道がわかりにくいところが難点です。(日中は気温が上がり、少し歩くだけでも大変なので、Grab利用でも良いかもしれません。)
ただ、歩くことが苦ではなく、植物園散策を楽しむついでに、マレーシア・イスラム美術館に立ち寄りたいという場合は、検討しても良いアクセス方法の1つです。
KLセントラル駅とMRTのMuzium Negara駅は地下通路で繋がっているので、KLセントラル駅からもアクセスすることができます。
まとめ
マレーシア・イスラム美術館には、見応えのある美術品が多数展示されています。
クアラルンプールの中心部という便利なロケーションにあり、アクセスも良好であるため、クアラルンプール観光の日程に組み込んでみてください。
以上、マレーシア・イスラム美術館についての紹介でした!