かぼちゃを食べ、柚子湯に入る慣習がある日本の冬至。
一方、中国や台湾をはじめ中華系の人々の冬至に欠かせないものは、湯圓(タンユエン)。
この記事ではタンユエンの詳細と台北にある湯圓が美味しいお店について紹介します。
湯圓/湯円(タンユエン)とは?
もち粉を使って作られるお団子の湯圓(タンユエン)。
日本の白玉団子とほぼ同じ、モチモチ食感が特徴の団子です。
湯圓の読み方と発音
繁体字表記は湯圓、簡体字表記は汤圆、日本で使われている漢字にすると湯円。
中国語の発音(ピンイン)はTāngyuánで、この音をカタカナ表記にするとタンユエンになります。
タンユエンの由来と冬至や元宵節に食べられる理由
中華圏において、普段からデザートの一つとして親しまれているタンユエンですが、
- 冬至(Dōngzhì)
- 元宵節(Yuánxiāo jié)
…という中華系の人にとって重要な祭日に欠かせない食べ物としても知られています。
これらのイベントにタンユエンが食べられる理由は、湯圓が團圓(Tuányuán)という言葉の音に似ているためです。
團圓は家族一同が集うという意味を持つ「團團圓圓」に由来し、家族の絆が重要となる冬至や元宵節に家族みんなで食べるものになっています。
春節(旧暦1月1日)から数えて15日目の旧暦1月15日にあたる日を元宵節と呼びます。新年をむかえてから一番最初の満月の日であり、旧正月の終わりとなる区切りの日になります。
湯圓と元宵の違い
湯圓と非常によく似たものに、元宵(ユエンシャオ)があります。
元宵は中国北部を中心に食べられているもので、あらかじめ丸めた餡に、もち粉を入れた容器のなかで粉をまぶすという製法で作られています。
一方、湯圓は餡なしのものと餡入りのものがありますが、どちらも生地は手でこねて作られています。
湯円の種類
中国のなかでも北部や南部など地域によって様々なスタイルの湯圓が存在するように、実に様々な種類のタンユエンがあります。
さらに中国南部から移住した人が多いマレーシアやシンガポールなどで食べられている湯圓(タンユエン)は、現地の食材を活用した独自のアレンジを加えたユニークなものもあります。
大きさ
小さいサイズと大きいサイズの湯圓(タンユエン)があります。
大きいサイズは餡入りのものが多く、小さいものはなかに何も入っていないプレーンなものになります。
餡
餡入りのタンユエンの場合、餡の素材は黒ごま、あずき、ピーナッツが定番です。
甜湯圓と鹹湯圓
タンユエンには、デザート系の甘い餡のほか、豚肉などが使われている食事系の湯圓(タンユエン)もあります。
- 甘いデザート系の湯圓:甜湯圓(ティエンタンユエン)
- 塩っぱい食事系の湯圓:鹹湯圓(シエンタンユエン)
…と呼ばれています。
スープベース
甘い甜湯圓のスープベースはクリアスープが基本です。(水を沸騰させ、そこに砂糖や生姜を加えて味つけすることも一般的です)
しかしながら、デザートとして湯圓を食べる時には、ピーナッツや黒ごま、あずきなどをペーストにしたスープデザート(糖水)のなかに入れて食べることもよくあります。
上記画像の湯圓は、ピーナッツのスープ(花生湯)に、黒ごま入りの湯圓(タンユエン)が入っている花生湯芝麻湯圓になります。
上記画像は豆乳に黒ごま餡の湯圓を入れたものになります。
マレーシアの湯圓にはパンダンを使う
中国南部に祖先のルーツを持つ人が多いマレーシア。
福建、広東、潮州、客家など、様々な中華系のグループが存在します。
そんなマレーシアの家庭で作るタンユエンは、スープペースの香りづけやタンユエン自体の色づけにPandan(パンダン)という葉を使うことが多いです。
パンダンは台湾ではほとんど使われていない素材ですが、マレーシアなど東南アジアでは料理やお菓子に欠かせない素材です。
また、マレーシアの家庭で作る湯圓は、パンダンを使った緑色のもののほか、ピンク色に色づけしたものなど、カラフルに仕上げる形が定番です。
台湾で食べる美味しい湯圓のお店
台湾では、湯圓や元宵を色々なところで食べることができます。
湯圓が有名なお店は色々ありますが、便利なロケーションにあるお店は台北のMRT東門駅付近にある政江號。
政江號は湯圓のほか、雞絲麵などの麺類、甜不辣、かき氷など、色々なものを食べることができ、食事とデザートを一度に楽しむことができるお店です。
まとめ:冬至を台湾で過ごすなら湯円を食べてみよう
台湾の冬至に湯圓(タンユエン)を食べようとする場合、人気のお店はびっくりするくらいお店が混み合い、早い時間帯に売り切れになってしまうこともあるので、早めにお店に足を運ぶことをおすすめします。
一方、年中食べることができるデザートでもあるので、ゆっくり食事がしたい場合は冬至を外して行く形もおすすめです。
以上、湯圓(タンユエン)についての紹介でした!