マイナスイオン満ちる、心地良い空間が広がるペナン植物園(ボタニックガーデン)。
のんびりと散策を楽しむ人、黙々とジョギングに励む人の姿がある植物園は、人々の憩いの場になっています。
この記事ではペナンボタニックガーデンの概要について紹介します。
ペナン植物園(ボタニックガーデン)の概要
1884年に設立されたペナン植物園。
イギリスによる海峡植民地時代に作られたペナンボタニカルガーデンは、138年以上の歴史を持つマレーシアで最も古い植物園になります。
2021年、ペナンヒルがユネスコの生物圏保存地域としてそのリスト(World Network of Biosphere Reserves)に登録されていますが、ペナン植物園もその一部として生物圏保存地域に指定されています。
ボタニカルガーデン?ボタニックガーデン?
ペナン植物園は英語で、
- Botanic Gardens(ボタニックガーデンズ)
- Botanical Gardens(ボタニカルガーデンズ)
…という2つの名称で呼ばれることがあります。
植物園を管理する行政(Jabatan Taman Botani Pulau Pinang)の公式サイトにはBotanic Gardensという表記が使われているものの、Botanical(ボタニカル)という人もいて、どちらでも通じます。
また、近くに滝があることから、Waterfall Gardens(ウォーターフォールガーデンズ)という呼称でも、昔から親しまれています。
森林浴やジョギングを楽しむことができる植物園
開園から閉園まで多くの人がひっきりなしに訪れるペナン植物園。
澄んだ空気に森林の香り。
エバーグリーンという言葉がしっくりくる、青々とした葉を茂らせる常緑種の木々に囲まれるペナン植物園は、呼吸するだけで落ち着いた気持ちになる、そんなリラックスした雰囲気に包まれています。
また、ペナン植物園は猿がとても多い場所で、園内を歩いていると、ほぼ必ず遭遇します。
園内に広がる芝生。
小川。
ペナン植物園には、シダ植物やサボテン&多肉植物など、特定の植物を集めたプラントハウスがあります。
ハーブガーデン、ジャパニーズガーデンなども園内にあります。
マレーシアで最も古いペナンボタニカルガーデンの歴史
海峡植民地政府のGardens & Forests Departmentの管轄下で、1884年にNathaniel Cantleyを監督官として誕生したペナン植物園。
Nathaniel CantleyはイギリスのKew Gardens(キュー王立植物園)で働いた経験を持ち、1880年にシンガポール植物園の監督官に任命された植物学者です。
Charles Curtisが作り上げたペナン植物園
実際にペナン植物園を作り上げたのは、Nathaniel Cantleyの部下として副監督官に指名され、ペナンエリアを担当したCharles Curtis。
ペナンで働く前に、ヴィーチ商会で訓練を受けたCharles Curtisは、プラントハンターとしてマダガスカルやボルネオ、モルッカ諸島などに派遣された経歴を持ちます。
Charles Curtisがペナンに試験的に作った3つの植物園のうち、特に力を入れていたものがWaterfall Nursery Gardensで、これが今あるペナン植物園になります。
現在のペナン植物園があるエリアは、周辺がジャングルに囲まれた花崗岩の採石場だった場所で、Charles Curtisが園のレイアウトをはじめ、植物園としての整備を整えました。
のちにペナン植物園の監督官に昇格したCharles Curtisは、植物への強い関心と愛情を持つ、ペナンボタニックガーデンの礎を築いた功労者と言えます。
植物園の前に作られた2つのガーデン
マレーシアで最も古い植物園のペナンボタニックガーデンですが、1884年以前に’植物園’なるものが存在していたと言われています。
それは、
- The Spice Gardens
- The Kitchen Gardens
…という2つのガーデンで、それぞれ10年強という短い期間のみ継続したものになります。
The Spice Gardens(1794〜1806年)
Kew Gardens(キューガーデンズ)で訓練を受けた、植物学者のChristopher Smithを指名し、イギリス東インド会社がペナンのAir Itam周辺に作らせたスパイスガーデン。
Christopher Smithがインドネシアのモルッカ諸島から持ち帰ったナツメグやクローブをもとに、ペナンのスパイスガーデンを作りました。
インドネシアのモルッカ諸島はナツメグやクローブの原産地として知られています。
ペナンはナツメグの産地の1つとして知られていますが、これはイギリスによりインドネシアからペナンにもたらされた産物になります。
The Kitchen Gardens(1822年〜1834年)
ペナンの知事であったWilliam Edward Phillipsが作ったキッチンガーデン。
キッチンガーデンはシンガポール植物園の監督官であったThomas Stamford Raffles(トーマス・スタンフォード・ラッフルズ)のアドバイスをもとに作られたものになります。
シンガポール植物園が設立されたのは1859年になりますが、キッチンガーデンが作られた1822年という年は、シンガポールに試験的な植物園が作られた年でもあり、これもラッフルズの提言によるものだと言われています。
ペナン植物園のロケーション
住所:Kompleks Pentadbiran,Bangunan Pavilion, Jalan Kebun Bunga, 10350 George Town, Pulau Pinang
ペナン植物園はジョージタウン中心部から車で15分程度の距離にあります。
ペナンヒルへのトレッキングコースやジープサービス
ペナン植物園(ボタニックガーデン/ボタニカルガーデン)の付近や園内には、ペナンヒルへのトレッキングコースが複数あり、ペナンヒルへハイキングでアクセスすることができます。(ただ、ハイキングは結構キツイので、Air Itam方面にあるケーブルカーでアクセスする方が楽です。)
また、植物園の入口近くには、ペナンヒルへのジープサービスがあります。
ペナン植物園の近くにあるヒンズー教寺院とタイプーサム
ペナン植物園の周辺にはヒンズー教寺院が多く、タイプーサムの最終目的地となるArulmigu Balathandayuthapani Templeという寺院があることで知られています。
ペナンのタイプーサムは、ジョージタウンのLebuh Queenにあるスリマハマリアマン寺院からはじまり、ペナン植物園近くにあるJalan Utamaを通り、そしてJalan Kebun BungaにあるArulmigu Balathandayuthapani Templeまで練り歩くコースになっています。
そのため、ペナン植物園付近はタイプーサムの際に非常に混み合う場所として知られています。
まとめ
ペナン植物園は、散策・ウォーキング・ジョギングに適した心地良い場所です。
以上、ペナン植物園についての紹介でした!