ジャックフルーツによく似た果物のCempedak。
見た目や香りはジャックフルーツに類似しているところがあるものの、Cempedak(チェンパダ)はジャックフルーツとは異なる味と食感を持つ果物です。
この記事ではCempedakの概要と食べ方についてご紹介します。
コパラミツ(Cempedak)とは?
東南アジア原産のCempedak(チェンパダ)。
マレーシアのほか、タイやインドネシアなど東南アジア諸国で親しまれている果物です。
ジャックフルーツ(パラミツ)と同属の植物になり、パラミツよりやや小さいサイズであることから、日本語でコパラミツと呼ばれています。
ちなみに、ジャックフルーツ(パラミツ)の中国語名は波罗蜜や菠蘿蜜。
一方、Cempedak(コパラミツ)は中国語で小波罗蜜や小菠蘿蜜(または榴槤蜜)。
中国語でも「小」というサイズ感を表す文字を使ってCempedakを表現しています。
Cempedakの読み方&発音
Cempedakをそのまま読むとチェンぺダックになりますが、語尾のkの音は発音しません。
マレー語であるCempedakの発音をカタカタで表現すると、チェンパダ(チェンパダッ)、チェンペダ、チャンパダ…などになりますが、日本語の母音にはない音があるのでどれも正確とは言い難いものの、強いて言えばチェンパダ(チェンパダッ)という音が本来の発音に近いです。
果皮がベタベタする
Cempedak(チェンパダ)の果皮の表面はベタベタしています。
一旦素手で果皮を触ると、手洗いしてもしばらくネチネチ感が取れないくらいべたつきます。
また、Cempedak(チェンパダ)の表面はゴツゴツしているように見えますが、ドリアンのように鋭いトゲがあるわけではないので、素手で触っても痛くありません。
Cempedak(チェンパダ)の実。
黄色のほか、オレンジ色のCempedakもあります。
実のなかには種が入っています。
コパラミツの味(美味しい?まずい?)
Cempedak(チェンパダ)はどんな味?
…と聞かれた時に、その味を表現することは難しいものがありますが、ジャックフルーツ+バナナ+マンゴー+ドリアンをかけ合わせたような果物です。
食感はドリアンのようなねっとり感、ジャックフルーツのような花の蜜を思わせるフローラルな香り、完熟した甘みの強いバナナとマンゴーをミックスした濃厚な味…です。
そして蜂蜜のような強い甘みを持ちます。
Cempedakは中国語で榴槤蜜と呼ばれることもあり、ドリアンを意味する「榴槤」、蜂蜜を意味する「蜜」という言葉が使われている通り、ドリアンのような食感を持つ蜂蜜のように甘い果物…とも言えます。
また、Cempedak(チェンパダ)は繊維質が多めで、生のまま食べる時は少し食べにくいと感じることがあります。
ジャックフルーツとコパラミツの違い
ジャックフルーツと似ていると言われるCempedakですが、明確な違いは大きさ(サイズ)。
世界最大の果実と言われるジャックフルーツは、大きいもので長さ70cmになるものもあり、とにかく巨大な果物です。
一方、Cempedak(チェンパダ)は15cm程度の小さなものから30cm程度のサイズ感で、ジャックフルーツと比較すると全体的に小さいサイズになります。
食感に関しては、ジャックフルーツはベタつくことなくしゃっきりしている一方、Cempedak(チェンパダ)はねっとりした食感が特徴です。
甘みに関しては、Cempedak(チェンパダ)の方が上で、濃厚な甘みを持っています。
チェンパダの食べ頃と見分け方
指で軽く「コンコン」と果皮を叩いて確認する方法もありますが、簡単な食べ頃の見分け方(チェックポイント)は、
- 果皮の色味
- 感触
- 香り
…この3つです。
Cempedak(チェンパダ)は熟すと果皮が緑色から黄色っぽく変化します。
そのため、果皮の色味が緑色がかった黄色になっていたら、熟しているサインになります。
また、Cempedak(チェンパダ)は熟すと表面が柔らかくなり、フローラルな香りを発するようになるので、感触と香りをチェックしてみてください。
コパラミツの食べ方(皮の切り方&剥き方)
Cempedak(チェンパダ)の食べ方はあまり難しくなく、包丁を使って切れ目を入れて開けるだけです。
深く切れ込みを入れると、なかに入っている実までカットしてしまうため、あまり深く切れ込みを入れる必要はありません。
切れ込みを入れたら、あとは切れ込みに沿って、手を使って割るようにして開けます。
少し力がいりますが、ドリアンほどかたくないので、開けるのは簡単です。
切れ目に沿って開けたら、そのまま開けることができるところまで皮を押していきます。
両方の皮を180度のラインにもっていくイメージです。
Cempedak(チェンパダ)の内部に軸があるので、この軸を果皮から取り出すように優しく引っ張っていきます。
軸を取り出した後の果皮。
軸を引っ張ると、上記画像のように軸つきのCempedak(チェンパダ)を丸ごと取り出すことができます。
軸から実を取って、タッパーなどの保存容器に入れて完了です。
果皮から取り出した後のCempedak(チェンパダ)は冷蔵庫で保存します。
マレーシアで定番の食べ方はCempedak Goreng
マレーシアにおいて、Cempedakはフレッシュな状態でそのまま食べる…という方法以外に、衣をつけて油で揚げるCempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)が定番人気です。
サクサクの衣に、チェンパダの果肉の甘みの強いねっとりした食感がマッチして、非常に美味しいです。
生のCempadakの種は食べれませんが、油で揚げたCempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)は種まで食べることができます。
Cempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)は自宅でも作れますが、揚げバナナのPisang Goreng(ピサンゴレン)を販売しているお店で購入する形が簡単です。
チェンパダの旬の時期になると、普段ピサンゴレンを販売しているお店がCempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)を売り出すようになります。
ピサンゴレンはいつでも食べることができますが、Cempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)は旬の時期だけ食べることができるものであるため、ちょっとした特別感があります。
種に火を通すと食べることができる
Cempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)は種まで食べることができる…と記載しましたが、生のCempedak(チェンパダ)を購入した時も、残った種をオーブンやエアフライヤー(ノンフライヤー)に入れて火を通せば食べることができます。
火を通したCempedak(チェンパダ)の種は、ホクホクとした甘み控えめの栗のような食感になります。
Cempedakは”花びら”も食べることができる
実を取り除いたあとのCempedak(チェンパダ)。
もう食べるところはないように思えますが、実を覆い囲むようにある「花びら」の部分も食べることができます。
これが「花びら」のような部分。
全て食べることができるわけではなく、熟した部分を食べます。
「花びら」の部分はそのまま食べても美味しいものの、個人的に好きで作っている簡単なアレンジとしてはサラダ。
マンゴーサラダのような感覚で食べることができます。
バジルやミントなどのハーブ、そしてバルサミコ酢ベースのドレッシングとよく合います。
上記画像にあるピンク色のものはペナンアッサムラクサなどに使う素材のジンジャーフラワー。
Cempedak(チェンパダ)をサラダとして食べる時は、アクセントとしてジンジャーフラワーを入れても美味しいです。
食べにくい?そんな時はペーストに(アレンジレシピ)
Cempedak(チェンパダ)は繊維質が多いため、生の状態で食べる時は飲み込みにくい…と感じることがあるかもしれません。
そんな時は種を取り出した上でハンドブレンダーを使ってペーストにすると、口あたりが滑らかになり食べやすくなります。
このペーストをオートミールに添えたり、プレーンのヨーグルトにかけて食べたり、お菓子作りにも活用できます。
Lassi(ラッシー)にしても美味しい
Cempedak(コパラミツ)のペーストに、プレーンヨーグルトと牛乳を加えて作るLassi(ラッシー)もアレンジレシピとしておすすめです。
マンゴーラッシーやバナナラッシーのように美味しく飲むことができます。
プレーンヨーグルトを加えることでCempedak(コパラミツ)の甘さが中和されるので、Cempedak(コパラミツ)が甘過ぎる…と感じた時のおすすめアレンジレシピです。
ブレンダーのなかに氷を入れて、シェイク風にしても美味しいです。
ケーキやアイスクリームにしても美味しい
購入したものの消費しきれない…というケースが多いCempedak(チェンパダ)。
そんな時はお菓子作りに活かす方法もおすすめです。
ペースト状にしたCempedak(チェンパダ)を使い、バナナケーキのような感覚で、焼き菓子にしても割と美味しく食べることができます。
Cempedak(チェンパダ)自体の甘みがかなり強いので、砂糖なしで甘いケーキに仕上がります。
ただ、香りが強いので、バナナケーキよりも味に癖がある仕上がりになります。
アイスクリームにしても美味しいです。
まとめ
Cempedak(チェンパダ)はやや癖のある果物ですが、フローラルな香りと濃厚な甘さが魅力のフルーツです。
丸ごと1つ購入するには量が多い…という場合は、Cempedak Goreng(チェンパダ ゴレン)から試してみる形がおすすめです。
以上、マレーシアのCempadak(チェンパダ)についての紹介でした!