治安が良く比較的安全であると言われる台湾。
親日家も多く、私たち日本人にとって旅行しやすい海外渡航先です。
しかしながら、そこは海外。
観光客をカモにしようとする人はどんな国にも存在します。
この記事では、現地で実際に起こったトラブルをモデルケースとして紹介しつつ、楽しく台湾旅行をするために気をつけた方がよいと思うポイントについて紹介します。
台湾で発生したトラブル①:MRTやバスの優先席
韓国人の観光客が優先席の表示に気づかず座っていたところ、現地のお年寄りに叱責された
これは外国人旅行者に限らず、以前から現地の人の間でも口論やトラブルになっているケースがあり、2024年になってから、MRTやバスの優先席トラブルのニュースをいくつか見ました。
台湾の優先席に対する考え方は、日本のそれとは比較にならないほど厳しいものがあり、お年寄りや妊婦、子連れ、怪我をしている人がいたら、気づいた人がすぐに席を譲る文化が根付いています。
日本で電車に乗る時の感覚で、優先席が空いているからといって安易に座ると、トラブルに巻き込まれるケースがあるので、必要としない時は座らない方が良いです。
また、2023年には台中のMRT、2024年11月には台北のMRTの車内で刃物に関する事件が発生しています。台湾のMRTは安全な乗り物ではあるものの、何があるかわからないので不測の事態に備えて周辺で変な動きがないか気を抜かない方が良いかもしれません。
台湾で発生したトラブル②:スリ
観光スポットと言われる場所で、日本人の財布やパスポートが盗まれた。
これは2018年11月に日本台湾交流協会から在住者向けに発信された「台湾安全情報」に基づく情報になります。
MRTの台北101世貿駅内や劍潭駅から士林夜市にかけて、日本人が財布やパスポートを盗まれるという被害(リュックサックを背負っている時に背後から貴重品が盗まれた)があったそうです。
国立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101、士林夜市、饒河夜市、九份、鼎泰豊の店舗周辺など、観光客が集まる場所において所持品に気をつけるようにという注意喚起がありました。
普通に生活している分には上記のスポットに足を運んでも、スリにあったという経験はないのですが、観光客に目をつけている人もいるということを忘れないようにしてください。
台湾で発生したトラブル③:滷味
台北の西門町でタイの観光客が「滷味」を購入した際に、お店側から2碗でNT$490も請求された。
2017年12月に台湾でニュースになったケースです。
後日、被害にあったタイの観光客がSNSに「滷味を買ったらこんなに高い金額を請求された!」と画像付きでSNSに投稿したことが事の発端です。
為替レートにもよりますが、当時の日本円で言うと1,500円〜1,800円の請求です。
滷味は日本人の観光客の方はあまり口にしないかもしれませんが、夜市や道端でよく見かける台湾を代表するローカルグルメです。
写真はイメージです。ニュースになったお店とは無関係です
滷味の滷は煮込むという意味があり、トングを使って自分の好きな具材や麺をトレイに入れた後、お店の人がスープの中でグツグツ煮込むというスタイルのローカルグルメです。(お店によって煮込まないケースもあります)
滷味はどんな具材をどれだけ選ぶのかにより、値段が変わります。
西門町のエリアは観光客が多いエリアでもあり「全体的に料金が高いから…」という意見もありますが、ネットに出回っている画像を見る限り、NT$490という価格は一般的な相場から考えて「高い!」と感じたことは事実です。
値段が書かれていないものを購入する前は、お店の人に値段を確認することを忘れないようにしてください。
他の地域でも同じようなトラブルが発生
滷味に関するトラブルは西門町だけではなく、台湾南部の観光スポット、墾丁でも発生しています。
滷味2碗でNT$1,845の請求があった。
墾丁は「観光客プライス」で色んなものが高いということで有名ですが、その分トラブルも耳にします。
10年以上前にも同じお店でトラブルがあり、その時は4人でNT$6,000の請求があったそうです。
滷味に関しては、それぞれの具材に値段がついていないケースもあるので、慣れていないと少しハードルが高いと感じてしまいますが、具材に値段が付いているお店を選んだり、できるだけ現地のお客さんで賑わっているお店を選ぶ方が安全かもしれません。
ただ、トラブルが起こるのはごく僅かで、ほとんどのお店では問題ありません。
台湾で発生したトラブル④:夜市
たくさんのお店が立ち並ぶ楽しい夜市ですが、ぼったくりの被害を聞くケースが多い場所です。
夜市の食べ物は完全に観光客価格となっているものもあり、現地で生活していると「高いな」と感じてしまうものが多いのですが、観光客に対して法外な価格をふっかけてくる人がいないとは言えません。
韓国人の学生が果物7袋をNT$1,500で購入させられた。
これは2018年4月に発生したケースですが、士林夜市のカットフルーツぼったくりはよく聞くケースでもあります。
しっかり値段を確認する
夜市で値段の表示がないものは、特に注意が必要です。
購入する前に必ず料金の確認をしてください。
値段の確認をする時は「多少錢(ドゥオシャオチェン)?」と聞くか、英語で「How much?」でも良いので、とにかく金銭のやりとりをする前に、自分が購入したいものの最終的な価格がいくらであるのかを確認することが大切です。
一番安心なのは台湾人の友達を連れていったり、相場を知ることですが、夜市で日本円に換算しても高いなと思うものは、よっぽど欲しいもの以外買わない方がベターです。
むやみに試食に手を出さない
夜市で試食用の食べ物を勧められることもありますが、私はむやみに手に取らないようにしています。
試食をしてもトラブルがないことが殆どなので、あまり構える必要はありませんが、衛生面が気になることがあるので、試食にはあまり手を出しません。
夜市で販売されているカットフルーツは、手軽に色々なフルーツを食べることができるので観光客に人気ですが、スーパーで購入する方法もおすすめです。(カットすることが面倒な果物もあるので、そこだけがネックですがスーパーで買う方が安いです)
台湾の市場で気をつけるべきこと
市場は現地の雰囲気を楽しむことができるローカル感溢れる楽しいスポットです。
新鮮なものが多く、現地で食べる果物を購入したり、B級グルメの食べ歩きをすることもできます。
一般的に、台湾の市場では斤(ジン)という単位を使って買い物をします。
一斤=600グラムです。
一個あたり、一皿あたりいくらというものもありますが、斤がよく使われています。
スーパーでも重量で値段が決まるものは、斤を使うことがほとんどです。
市場で買い物する時も必ず価格の確認をする
夜市と同じように、重量によって値段が決まるもので値札がない場合は「一斤,多少錢(イージン、ドゥオシャオチェン)?」と聞いて、一斤あたりの値段を確認した上で、計量台(スケール)に乗せた時に表示される価格を確認した方が安全です。
計量する時に騙されるケースがないとは言えないためです。
私は市場で買い物する時は、スケールに表示される価格をしっかり見るようにしています。(ただ、お店によってスケールの位置により数字が見えないところもあります)
重量単位を「偽る」ケースも
市場ではあまり聞かないのですが、カットフルーツを販売している夜市のお店によっては、一斤あたりの値段ではなく、わざと公克(グラム)単位の値段を言って、観光客を騙すような手口もあると聞いたことがあります。
最終的な価格がいくら?ということについて、お金のやりとりをする前にしっかり確認することが大切です。
市場に関してはおまけしてくれるところもあったり、良い思いをすることの方が多く、特に騙された経験はないものの、価格はしっかりと確認した方が良いと感じています。
台湾の飲食店で気をつけるべきこと
お店によって「先払い」と「後払い」のケースがあります。
また、支払いの管理がバラバラなところも稀にあります。
私が実際に経験したケースでは、先払いか後払いかきちんと決めていないお店で、先払いしたにも関わらず、食事を終えてお店を出た後に、お店の方が追いかけてきて「ごめんなさい、代金支払い済みですか?」と聞かれたことがあります。
先払いとなっているお店は、レジのあたりに「請先付款」や「請先結帳」という先払いを示す表示があることが多いので、これらの表示を目印にしてください。
台湾のタクシー利用時に気をつけるべきこと
私自身は特に騙されたことがなく、他の海外のタクシーと比較すると、台湾は運転が荒い人が多いものの、親切なドライバーが多いと感じています。
ただ、長い距離でタクシーを利用する場合は、メーターを使うのか、メーターなしで事前に決めた価格で行くのか、事前に料金について確認した方が無難です。
また、流しのタクシーは利用せず、ホテルでタクシーを呼んでもらう方がトラブルが少ないです。
疑心暗鬼になりすぎないことも大切
タクシーに乗っていると「もしかして遠回りしてる?」と感じることがあるかもしれませんが、実は一方通行のため遠回りしているように思えるというケースもあります。
Uber(ウーバー)利用がおすすめ
台湾で車に乗るなら、一般タクシーよりもUberがおすすめです。
料金面でのトラブルがなく、行き先を言わなくても目的地まで連れて行ってくれるので、旅行者に特に便利です。
Uberを利用することで、一般タクシーでありがちな不要なトラブルを回避できます。
台湾では交通にも注意が必要
台湾では道を歩く時にも注意が必要です。
横断歩道では青信号であっても、歩行者優先というよりも車優先の傾向が強く、危ない思いをすることがよくあります。
安全なはずである歩道を歩いている時でさえも、危険だと感じることが多々あります。
特に小さいお子さんを連れて観光する時は注意してください。
また、バスに乗る時、降りる時にも注意が必要です。
抜け道を求めて原付バイクが走ってきます。バスが停留所に止まろうとした時にバスの車両と停留所の間を走ってくる原付バイクがたまにいます。
バスを降りようとしたら、バイクが目の前をさーっと走り抜けてひやっとした経験が何度もあります。
台湾旅行中に身を守るための対策
台湾では何かトラブルが起こると、当事者たちがすぐにスマホでその状況を撮影、その映像がテレビのニュースに流れることがよくあります。
日本でも近年同じような傾向にありますが、SNSに投稿するかは別として、何らかのトラブルに遭遇してしまった時に、映像が自分自身の身の潔白を証明するものになることは否定できません。
公共の場にたくさん防犯カメラが設置されているものの、防犯カメラがどこにでもあるわけではないので、事実関係を記録するという手段において、スマホを使って証拠を残すことは身を守るための有効な対策になると感じています。
台湾滞在中に「何かおかしい」「これって不合理」と感じることがあれば、証拠として映像に記録するという方法も一つの対策です。
まとめ
色々注意事項を書きましたが、台湾は普通にしていれば楽しい時間を過ごすことができる場所です。
ただ、観光客を騙そうとする悪い人はどこにでもいるということ、海外であるということを常に忘れないようにすることが大切です。
スキを見せないことで、観光客を狙った被害を未然に防ぐことができるケースがあります。
以上、台湾旅行で気をつけるべきことについての紹介でした!