ライトレールの哈瑪星駅からすぐの場所にある新浜・駅前。
三和銀行ゆかりの場所で、リノベされた店内は大正ロマン漂う“ハイカラ”な雰囲気を持つカフェ&レストランになっています。
この記事では、高雄にある新浜・駅前について紹介します。
旧三和銀行高雄支店の新浜・駅前の歴史
旧三和銀行高雄支店の建物をリノベーションした新浜・駅前。(中国語表記は新濱・駅前)
旧打狗駅(現在、旧打狗駅故事館がある場所)の駅前大通りは日本統治時代に高雄金融第一街と呼ばれ、金融エリアとして繁栄していました。
三和銀行も金融第一街にある銀行の1つとして営業していた歴史があります。
三十四銀行から三和銀行へ
新浜・駅前は1921年に設立された三十四銀行高雄出張所がルーツになっています。
1925年に三十四銀行高雄支店に昇格したのち、1933年には三十四銀行・山口銀行・鴻池銀行の合併により三和銀行が誕生したことで、高雄の三十四銀行高雄支店は三和銀行高雄支店になりました。
新浜・駅前の店内に、三和銀行高雄支店の歴史に関わる展示物があり、大阪中央銀行から三十四銀行、そして三和銀行が成立するまでの推移が説明されています。
要約すると上記のようなイメージです。
台湾の歴史と共に、日本の銀行合併史に触れることができ、読んでいて非常に興味深いものがあります。
戦後
第二次世界大戦後、台湾の三和銀行は台湾銀行に吸収されます。
三和銀行高雄支店の建物は高雄市警察局の新濱派出所として1990年ごろまで使用されていました。
新濱派出所がスペース不足になったことから、対面に場所を移すと、旧三和銀行の建物は放置状態になります。
修復と再生
2003年、歴史的建築物として「旧三和銀行」を登録。
2020年に、復興プロジェクトチーム(興濱計畫)と高雄文化局の協働により修復が行われ、高雄金融第一街時代の三和銀行を復元、カフェ&レストランとしててオープンしたという歴史があります。
大正ロマン感じる新浜・駅前の店内
新浜・駅前の入口。
お店の象徴と言える場所が、「三和銀行」の文字があるカウンター。
単なるレトロではなく、“ハイカラ”という言葉がしっくりくる西洋のテイストを取り入れた店内。
和洋折衷のインテリアに大正ロマンを感じます。
NHKの朝ドラの撮影に使われそうな雰囲気があります。
なお、座席は1階と2階にあります。
新浜・駅前のメニュー
「舊三和銀行」と記載されたメニュー。
「舊」を簡体字にすると「旧」で、旧三和銀行を意味します。
メニューには、三十四銀行高雄支店時代の写真が掲載されています。
ドリンクメニュー。
水出しアイスコーヒーやシングルオリジンコーヒーのほか、エスプレッソ系ドリンク、紅茶、スムージーなどがあります。
軽食のメニュー。
牛肉、豚肉、鶏肉を使ったメインメニュー。
日本式のカレーもあります。
デザートメニュー。
スフレ、チョコレートファッジ、ブラウニー、レモンタルト、ティラミス、フィナンシェなどがあります。
店内ではコーヒー豆の販売もしています。
新浜・駅前で楽しむコーヒー&デザート
新浜・駅前の看板メニューの1つ、金庫冰滴咖啡(Treasury Ice Drip Coffee)。
ミディアムローストの豆を使って作られたアイスドリップコーヒー。
サラッと飲める軽い口当たりですが、味がかなり薄めだったので、濃厚なコーヒーの風味が好きな人はエスプレッソ系のメニューを選ぶ方が良いかもしれません。
昭和・金布丁(Japanese-style Pudding)。
「昭和」とあるように、昔懐かしの素朴な味プリンで、金粉が添えられています。
プリンは濃厚な味で美味しいです。
注文&支払い方法
店員さんがメニューを渡してくれるので、注文したいものが決まったらカウンターに行き、注文と支払いを済ませます。
この時に番号札を渡してくれて、テーブルに料理や飲み物を運んだ時に番号札を回収するようになっています。
また、食後は食器返却口にお皿やカップを運んで片付ける形(セルフサービス)になっています。
ロケーション
住所:高雄市鼓山區臨海三路5號
最寄駅はMRT西子湾駅またはライトレールの哈瑪星駅。
どちらの駅からも徒歩で2分程度です。
総評:雰囲気は○
新浜・駅前の料理や飲み物の価格は、全体的に高めです。
価格を考慮すると、料理とドリンクの質は満足感が高くなく、食事をする場所としてはそこまでおすすめではありません。
ただ、店内のインテリアは良く、写真撮影したい人は楽しめると思うので、雰囲気を味わうだけなら良いと思える場所でした。
以上、高雄の新浜・駅前についての紹介でした!