マレーシアのLangsat(ランサ)・ Duku(ドゥク)・Dokong(ドコン)。
旬の時期にだけ味わうことができるこれらの果物は、酸味を抑えたグレープフルーツのようなテイストを持つ美味しい果物です。
この記事ではそれぞれの特徴や違いについて紹介します。
Langsat(ランサ)・Duku(ドゥク)・ Dokong(ドコン)とは?
東南アジア原生のLangsat(ランサ)・Duku(ドゥク)・ Dokong(ドコン)。
植物学名はLansium Domesticum。
ランサ、ドゥク、 ドコン以外に、Duku-Langsat(ドゥクランサ)と呼ばれる果物もあり、これもLansium Domesticumに分類されるものとして知られています。
マレーシア政府(DOA, Department of Agriculture)のPVP(Plant Variety Protection)にある品種リストのデータベースを確認すると、それぞれ以下のように登録されています。
大まかな名称(通称)の分類としては…
- Dokong(ドコン)
- Duku(ドゥク)
- Langsat(ランサ)
タイのLongkong(ロンコン)と同じ?
タイにはLongkong(ロンコン)と呼ばれる果物があります。
これもランサ、ドゥク、 ドコン、ドゥクランサと似ていますが、実際のところはマレーシアのDokong(ドコン)と同じであると言われています。
Keringという品種のDokong(ドコン)は、タイのNarathiwat(ナラーティワート)を原産としています。
Narathiwat(ナラーティワート)はマレーシアのKelantan(クランタン)のすぐ近くにある場所で、Dokong(ドコン)はクランタン州を中心に、マレーシアのいくつかの州で育てられています。
ランサ・ドゥク・ドコンの特徴と違い
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)はいずれも…
- 丸い外観
- 黄色がかった茶色のような果皮
- 半透明の白い果肉
…という特徴を持ち、パッと見ただけでは違いがイマイチわからないことが大半です。
実際にはそれぞれ特徴があるのですが、いくつかのチェックポイントについて簡単に紹介します。
果実の大きさと形状
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)、 Dokong(ドコン)のなかで、サイズが一番大きいものはDuku(ドゥク)。
逆に一番小さいものはLangsat(ランサ)になります。
また、Langsat(ランサ)は丸い球体というよりも、卵形に近い形をしていることが特徴です。
果皮の厚み
果皮が厚いものはDuku(ドゥク)。
Langsat(ランサ)やDokong(ドコン)は皮が薄めです。
ラテックスの有無(皮を剥いた時にベタベタするか?)
Langsat(ランサ)は果皮にラテックスを含むため、果皮を剥いた時に手がベトベトします。
一方、Duku(ドゥク)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)、 Dokong(ドコン)は果皮を剥いた時に手がべとつくことがありません。
Dokong(ドコン)の味
個人的に一番好きなものはDokong(ドコン)。
味はグレープフルーツから酸味をほぼ取り除いたようなイメージで、ほのかな酸味があるものの、甘みの方が強いテイストです。(ランサより甘い)
価格はLansat(ランサ)よりも高めであるケースが多く、その分、美味しいと感じています。
Langsat(ランサ)の味
Langsat(ランサ)は酸味と甘みの2つのテイストを楽しむことができる果物です。
非常にみずみずしい食感が特徴で、種は苦味を持つものもあります。
Duku-Langsat(ドゥクランサ)の味
上記はDuku-Langsat(ドゥクランサ)とお店の人に聞いて購入したものですが、ほぼLangsat(ランサ)に近いテイストであるものの、甘みが強くDukuとLangsatの中間という味です。
食べ方
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)の果皮は手で剥くことができます。
果皮を剥いたら、そのまま果肉をいただきます。
日持ちと保存
とても美味しいLangsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)ですが、日持ちしないことがネックポイントです。
とにかく傷みやすいので、購入してからできるだけ早く食べきることをおすすめします。(特にランサは傷みやすいです。)
購入してから3日経つと、「腐ってる…」と気づくことがよくあります。
また、水に弱いため、果皮に水分がついていて放置すると、そこにカビが生えてしまうこともあるので注意が必要です。
冷蔵保存はできないわけではありませんが、味が落ちることと、冷蔵してもあまり日持ちしないため、常温保存が適しています。
龍眼との違い
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)はなんとなく「龍眼に似てる?」と感じてしまうかもしれませんが、龍眼との違いは割と明確です。
見分け方のポイントは果皮。
龍眼の果皮はLangsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)よりも硬くてガサガサとしています。
表面にブツブツっとしたような模様が見えることも特徴です。
龍眼の味はLangsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)よりも甘く、濃厚な甘みを持っています。
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)の果皮は龍眼と比較すると、表面がつるっとしています。
Rambai(ランバイ)
ランサ、ドゥク、 ドコン、ドゥクランサに見た目が似ている果物としては、Rambai(ランバイ)を挙げることができます。
Rambai(ランバイ)は酸味が強く、なかに入っている種子と果肉がしっかりくっついているので、やや食べにくさがあります。
まとめ
Langsat(ランサ)、Duku(ドゥク)、 Dokong(ドコン)、Duku-Langsat(ドゥクランサ)は、それぞれの特徴を何となく把握していても見分けが難しいところがあります。
特定のものを購入したい場合は、お店の人に声をかけて、「これはランサ、ドゥク?」などと聞いてみると良いかもしれません。