中華圏で広く親しまれている油條(ヨウティアオ)。
そんな油條には、国や地域によって、様々な食べ方が存在します。
この記事では、油條の歴史&起源とマレーシアにおけるヨウティアオの食べ方について紹介します。
油條(油条)とは?
小麦粉をベースにした生地を油で揚げて作る油條(油条)。
中国、台湾、香港、マレーシア、シンガポールなどで親しまれている食べ物です。
「揚げパン」と形容されることがありますが、パンというよりも揚げ物のようなもので、豆乳やお粥など、何かに添えて食べることが多い食べ物になります。
油条の読み方と発音
- 繁体字の場合:油條
- 簡体字の場合:油条
…という表記が使われています。
標準中国語での発音は、Yóutiáo(ヨウティアオ)になります。
広東語では油炸鬼(ヤウザーグァイ)
広東語では、油炸鬼(ヤウザーグァイ)という呼び方が一般的です。
油炸鬼のほか、油炸粿という表記もあります。
マレーシアではCakoiという呼び方も
マレーシアの中華系の人は、油條も油炸鬼もどちらの表現も使いますが、マレー系の人はCakoiという呼称を使うことが多いです。
油炸鬼(ヤウザーグァイ)の歴史と起源
「油炸鬼」という漢字を見ると、少し怖いイメージを抱くことがあるかもしれません。
実際にその背景には、人間の恨みや怒りが元になっているという言い伝えがあります。
キーワードは秦檜
油炸鬼の歴史は、中国・宋の時代にまで遡ります。
油炸鬼の起源となっているのは、南宋の宰相であった秦檜。
恐怖政治を行ったことで知られる秦檜は悪評が高く、ある時、対立していた武将の岳飛を処刑してしまう事件がありました。
この事件を受け、臨安府(現在の浙江省杭州)にある焼餅のお店で働いていた王小二という人物が秦檜に対し強い憤りを覚えます。
秦檜とその妻に見立てた2枚の生地をくっつけたものを作り、”秦檜夫妻を油揚げの刑”に処するべく「油炸檜啦!」と叫びながら油で揚げて大衆に見せしめ、これが油炸鬼になったという起源説が有名です。
油條(ヨウティアオ)が“ニコイチ”のように、くっついた形状になっているのは、秦檜夫妻を表したものだと言われています。
怨念がベースとなり誕生した揚げパンは、地元の人の間で人気となり、各地へ広まっていきます。
その過程のなかで、製法を簡素化したものが油炸鬼であり油條(油条)になります。
油條(油条)の定番の食べ方
油條(油条)の食べ方は、国や地域によって様々ですが、ここでは台湾や中国など、世界的によくある定番の食べ方について紹介します。
豆乳
大定番は豆漿(ドウジャン)。
中国語の豆漿は豆乳を意味します。
油条を豆乳に浸す食べ方が最もポピュラーです。
特に、油條(ヨウティアオ)は鹹豆漿(シエンドウジャン)に欠かせません。
中国語の鹹(Xián)には、塩っぱいという意味があり、黒酢や醤油、ラー油などを加えて味つけした豆乳が鹹豆漿になります。
鹹豆漿は中国の江蘇省や浙江省などで定番の食べ物で、台湾でも朝食によく食べられています。
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お粥
お粥と一緒に食べることも定番です。
飯糰や燒餅と合わせることも
台湾では、豆漿(ドウジャン)と一緒に食べるほか、
- 中華式おにぎりの飯糰(ファントァン)の具材として、もち米と一緒に巻く
- 燒餅(シャオビン)に加えて燒餅油條にする
…という食べ方も一般的です。
蛋餅の具材にすることもよくあります。
油條を使った飯糰、燒餅、蛋餅はどれもびっくりするくらいのボリューム感があり、高カロリーな食事ですが、台湾によくある朝食になります。
また、香港には炸兩と呼ばれる油條を巻いた腸粉があります。
炸兩はマレーシアの広東料理レストランでも提供していることがあり、Canton-i Restaurantでは香港炸兩としてメニューに掲載されています。
マレーシアのユニークな油条の食べ方
マレーシアでも、お粥と油條をセットにして食べることは一般的です。
豆乳に関しては、意外なことに必ずしもセットにするものではありません。
豆乳も油條も路上にある露店で販売されていることが多いものの、
- 豆乳=豆乳や豆花を販売する専門店
- 油條=揚げ物のお菓子&スナックを販売する専門店
…という形で、それぞれの専門店が別々に販売していることが多いところも特徴です。
また、マレーシアでは鹹豆漿は一般的ではなく、鹹豆漿+油條の組み合わせを見ることはほとんどありません。
コピにディップして食べる人がいる
マレーシアローカルコーヒーのKopi(コピ)。
マレーシア現地の人はカヤトーストをKopi(コピ)にディップして食べることがありますが、それと同じ感覚で、油條をKopi(コピ)やKopi-O(コピオー)に浸して食べる人もいます。
「コーヒーに油條って美味しいの?」と怪訝に思うかもしれませんが、豆乳との組み合わせよりも美味しいのでは?と感じるくらい、相性は悪くありません。
マレーシアらしいユニークなヨウティアオの食べ方の1つです。
ヨウティアオは肉骨茶の具材として定番
油條を目にすることが多いマレーシアの料理は、肉骨茶(バクテー)。
一口サイズに細かくカットした油條(ヨウティアオ)をトッピングに使います。
肉骨茶を注文すると、油條もいるかどうか聞かれることが多く、肉骨茶、ご飯、油條、あとは野菜をセットにして注文する形が王道です。
油條は、肉骨茶のスープに浸して食べます。
漢方素材を使った薬膳スープが染み込んだ油條は、とても美味しいです。
マレーシアで油條&豆乳が食べたい時に便利なお店
マレーシアで豆乳と油條が食べたい!という時に便利なお店は、I LOVE YOO!(老油鬼鬼)。
油條、豆乳、お粥を手頃な価格で食べることができます。
クアラルンプールやその近郊都市だと、
- KLCC
- Pavilion KL
- KLセントラル駅
- ザ・ガーデンズモール
- KLIA2(gateway@klia2)
…などに店舗があります。
まとめ
国や地域によって、様々な食べ方がある油條(ヨウティアオ)。
豆乳やお粥という定番の食べ方以外に、マレーシアでは、コピに浸したり、肉骨茶と一緒に食べるところが特にユニークなポイントです。
以上、油條(ヨウティアオ)についての紹介でした!