台湾で有名なベーカリーと言えば…
パン職人の最高峰を競う世界大会で優勝したワールドチャンピオンが営む吳寶春麥方店。
この記事では吳寶春麥方店と受賞歴のあるパンの詳細について紹介します。
2018年8月1日、台北の誠品松菸に入っていた吳寶春麥方店の営業が2018年8月12日で終了となることが発表されました。台北の新店舗は象山に台北旗艦店として2018年8月28日オープンしているので、お店に足を運ぶ時はロケーションに注意してください。
世界チャンピオンのベーカリーとは?
吳寶春麥方店は、パン職人の吳寶春(Wu Pao Chun)さんが立ち上げたベーカリーです。
誠品松菸にあった台北の旧店舗は、お店が地下に位置していたため、少し薄暗くシックな印象がある店舗でした。
象山近くにオープンした新店舗は、店内が広々としています。
特筆すべきはレストラン&カフェスペースが併設されているところで、パンを購入するだけではなく、ちょっと一休みしたいな…という時にも使えるお店になっています。
吳寶春(Wu Pao Chun)さんの経歴
世界一に輝いたパンを紹介する前に、吳寶春さんについて簡単に紹介します。
吳寶春さんの特集をテレビで見たことがあるのですが、苦労の多い幼少期を過ごしています。
中学卒業後からパン作りの修行をはじめ、苦労してトップに登りつめた人です。
パンのワールドカップでの受賞歴
フランス・パリで4年に一度開催されるベーカリーのワールドカップにおいて、以下の受賞歴があります。
- 2008年:団体戦のクープ・ドゥ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリーで第2位
- 2010年:個人戦のマスター・ド・ラ・ブーランジュリー(パン部門)で優勝
夢を追い続ける真摯な姿勢
パン作りに対する情熱に加え、お店の経営に生かすため2016年にシンガポール国立大学にてEMBAの称号を取得しています。
将来は台湾にベーカリースクールを立ち上げるという夢を持っているそうです。
十分な成功をおさめた今でも、
「相信自己,永不放棄」(自分を信じて、決して諦めない)
…というスローガンを掲げ努力を続ける、そんな真摯な姿に心を打たれます。
日本のパン作り&サービスが活かされている
パン作りを学ぶための研修で日本に行ったことがあり、
「一定の品質を保つために徹底的な温度・時間管理をして、科学的なアプローチをする日本のパン作りに感銘を受けた。」
このように台湾のテレビで話しています。
日本の管理方法や技術、そして接客の精神も、吳寶春さんのベーカリーに反映されています。
吳寶春麥方店における受賞歴のあるパン
お店にはたくさんの種類のパンがありますが、目玉と言える受賞歴のあるパンを紹介します。
酒釀桂圓麵包
2008年、クープ・ドゥ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリーで第2位を受賞したパンの酒釀桂圓麵包。
赤ワイン、ドライ龍眼、クルミが使われています。
酒釀桂圓麵包の桂圓は乾燥させた龍眼(ドライロンガン)という意味です。
荔枝玫瑰麵包
2010年、マスター・ド・ラ・ブーランジュリーで優勝し、世界一に輝いたパンの荔枝玫瑰麵包。
ドライライチ、バラ、ライチ酒、クルミが使われています。
上記2つのパンが、吳寶春麥方店の看板商品になりますが、
- 梅引茶香
- 莓果蜜桃
- 粉紅帶萌
…も世界大会で受賞歴があります。
受賞歴のあるパンの価格
酒釀桂圓麵包と荔枝玫瑰麵包の価格は両方ともNT$370です。(2024年10月時点の価格になります)
ちなみに、上記画像のパンは相思桂圓。
黒糖、赤ワイン、ドライ龍眼、クルミが入っています。
受賞歴のある酒釀桂圓麵包とほぼ同じ材料が使われているため、よく似たテイストです。
カットしたものがこちら。
たっぷりの龍眼に、クルミがミックスされています。
パンに顔を近づけてみると、燻製された龍眼の芳醇な香りと、ほんのりですがワインの香りがふんわりと漂ってきます。
吳寶春さんのパンはハードに見えて、中はモチモチという独特の食感と台湾の素材を上手に使ったフレーバーが特徴です。
適度な重量感・重厚感がありながら、アジアのフレーバーが漂う…そんな不思議なパンです。
ドライ龍眼には独特の香りや味があり、苦手という方もいると思います。ライチ入りの「荔枝玫瑰麵包」の方が食べやすいです。
世界一に輝いた荔枝玫瑰麵包(ライチとバラのパン)はどんな味?
世界チャンピオンが手がける世界一のパンの荔枝玫瑰麵包。
荔枝玫瑰麵包というメニュー名は、それぞれ「荔枝=ライチ、玫瑰=バラ、麵包=パン」という意味を持ちます。
パン自体の食感は酒釀桂圓麵包と変わりません。
外側のハード感に中のモチモチ感という食感です。
パンをカットした時に漂ってくるライチとバラの香りに思わずうっとりしてしまいます。
台湾にあるベーカリーには、吳寶春さんのパンをコピーしたようなものがたくさんあります。
吳寶春さんのお店で作られているパンとの圧倒的な違いは、パンのモチモチ感&ほど良い弾力感にあります。
受賞歴のあるのパン以外にもたくさんの種類のパンがあり、大体どれも美味しいので、気になったものをチョイスしてみてください。
世界チャンピオンが手がけるパイナップルケーキ
パナップルケーキと言うとサニーヒルズなどが有名ですが、吳寶春麥方店の小ぶりなパイナップルケーキもおすすめです。
パイナップルケーキの商品名になっている「無嫌」は吳寶春(Wu Pao Chun)さんのお母さんの名前です。
苦労しながら育ててくれたお母さんを思って名付けられたと言われています。
お母さんのように優しい味です。
イベント時には期間限定商品が発売されます。
こちらは、中秋節に合わせた月とうさぎバージョンのパッケージのパイナップルケーキです。
台湾における吳寶春麥方店の店舗情報
2024年現在、台湾には以下の店舗があります。(数年前と比較して、店舗数がかなり増えています。)
- 【高雄市】高雄旗艦店(2010年オープン)
- 【台北市】台北信義旗艦店(2013年誠品松菸にオープン→2018年に移転して再オープン)
- 【台中市】台中劇院店(2017年オープン)
- 【台中市】台中高鐵店(2018年オープン)
- 【高雄市】高雄巨蛋店(2019年オープン)
- 【台北市】臺北遠百信義 A13(2019年オープン)
- 【新北市】板橋大遠百快閃店
- 【高雄市】左營高鐵店
- 【高雄市】草衙店
- 【台南市】吳寶春烘培學院 崑大店
台北旗艦店のロケーション
住所:台北市信義區信義路五段124-126號1樓
MRT象山駅2番出口を出て、徒歩ですぐの距離にあります。
象山は台北101を撮影するおすすめのスポットです。
ハイキングも楽しめるので、象山に立ち寄ったついでに吳寶春さんのベーカリーにも立ち寄ってみてください。
まとめ
受賞歴のあるパンはかなり大きいですが冷凍保存も可能です。
パン好きな方は帰国直前にパンを購入、お土産に持ち帰る…なんてこともおすすめです。
象山にオープンした新店舗にあるレストラン&カフェでは、受賞歴のあるパンがセットになった「チャンピオンセット」というメニューがあります。
現地で色々なパンを食べてみたいという時に便利ですが、個人的なおすすめはフレンチトーストとアフォガートです。
新店舗のレストラン&カフェで食べるおすすめメニューの詳細は以下の記事の中で紹介しているので、興味がある方はチェックしてみてください。