日本統治時代に作られた旧台南地方法院。
再建された現在は、司法博物館として一般公開されています。
この記事では旧台南地方法院(司法博物館)の見どころについて紹介します。
旧台南地方法院の概要

1911年着工、1912年から土台作りを開始し、1914年に完成した旧台南地方法院。
初代の台南地方法院は別の場所にあったものの、1代目の老朽化とスペース不足に伴い、場所を移して建築されたものが1914年に完成した2代目の旧台南地方法院になります。
戦後に何度か修復工事が行われ、取り壊されたのち再建が行われたため、現存するのは東側のドームのみとなっています。
1991年に二級古跡、のちに国定古跡に認定されています。
森山松之助による設計

旧台南地方法院の設計を手がけたのは森山松之助。
東京帝国大学工科大学建築学科で建築を学んだ森山松之助は、1907年に台湾総督府の庁舎建築コンペに参加するために来台。
1912年からは台南地方法院の設計に携わり、1921年に日本に帰国するまで台湾総督府営繕課技師として台湾に滞在し、多くの政府関連建築物を手がけました。
旧台南地方法院の近くにある旧台南州庁(国立台湾文学館)のほか、台中にある台中州庁も森山松之助が設計した建物として有名です。
建築物としての特色&見どころ

西洋建築の要素が取り入れられた旧台南地方法院。
西洋歷史式樣建築と呼ばれる、日本統治時代の台湾で多く作られたヨーロッパ調の建築様式がベースになっています。
バロック建築の要素も入っていますが、厳密にはバロック建築そのものではなく、あくまでも要素を取り込んだスタイルであると司法博物館の公式サイトで説明されています。

旧台南地方法院に足を踏み入れて、圧倒されるのは中央エントランスホールにある大きな柱。

これは古代ギリシャ建築の建築様式であるイオニア式をベースにアレンジして作られたものになります。

宮殿を思わせる豪華な造りになっています。

柱から視線を上に向けると、そこには旧台南地方法院の象徴であるドームの内側を見学することができます。
旧台南地方法院の内部には様々な展示物があるほか、講座が開かれていたり、色々な催し物が開催されているので、これらも見どころになります。

閉館後の旧台南地方法院。
夜になると、ひっそりとした雰囲気になりますが、美しい姿を外から見学することができます。
司法博物館の入場料
入場料は無料です。
入口に係の人が立っていますが、そのまま入って問題ありません。
また、テイクアウトした飲み物や食べ物などを持っている場合、受付で預ける形になっています。
館内に持ち込んではいけないものを持っている場合は、係の人が声をかけてくれます。
旧台南地方法院(司法博物館)のロケーション
住所:台南市中西區府前路一段307號
レイクショアホテル台南の目の前に旧台南地方法院があります。
客室によって、旧台南地方法院を上階から眺めることができます。

まとめ
森山松之助が設計した国立台湾文学館 (旧台南州庁)も台南地方法院のすぐ近くにあり、徒歩10分程度でアクセスすることができます。
旧台南州庁も趣のある美しい建築物であるため、台南地方法院と一緒に見学することをおすすめします。
