台湾最古の城砦が現存する安平古堡。
台湾の歴史に大きな影響をもたらした場所で、台南を訪れる時に外せない観光スポットになります。
この記事では安平古堡の概要と観光のポイントについて紹介します。
安平古堡とは?
1624年、中国・明と協議の上、台湾島外にあった安平砂州を貿易拠点にしたオランダ東インド会社。
安平にFort Orange(オラニエ城)を築き、のちにFort Zeelandia(熱蘭遮城/ゼーランディア城)に改名します。
オランダ統治時代に作られたゼーランディア城砦が現存する場所が現在の安平古堡になります。
また、安平古堡は1662年に鄭成功が台湾に乗り込んだ際、オランダを投降させたのち、安平城として政治を執りつつ、生活の拠点にした場所としても知られています。
安平古堡の読み方
安平古堡の読み方は、あんぴんこほう。
中国語の発音は、Ānpíng gǔ bǎo(アンピン グーバオ)になります。
安平古堡の入場料
安平古堡の一般入場料はNT$70。
また、安平古堡のチケット窓口では、赤嵌樓、安平古堡、安平樹屋、億載金城で利用できる周遊チケット(販売価格はNT$210)も販売されています。
便利&お得な切符情報
Klookを利用してオンライン購入すると、安平古堡の窓口でチケットを買う時と比較して、少しだけ安く購入することができます。
Klookでチケットを切符を購入後、QRコード付きのバウチャーが送られてくるので、安平古堡の入口でQRコードを提示するだけで簡単に入場可能です。
観光のポイント&見どころ
広々とした敷地内には、
- 城砦跡
- 安平古堡史跡公園
- 古堡石牌
- 鄭成功像
- 史跡紀念館
- 展望台
- ゼーランディア城博物館
…などがあり、それぞれ見所がありますが、ここではいつくかピックアップして紹介します。
オランダ統治時代に作られた城砦跡
数百年以上も前に作られた城砦跡が現存する安平古堡。
比較的良い状態で残っているものが外城南側の城砦跡になります。
安平古堡の城跡は、赤崁樓と並び、台湾の一級古跡に指定されている重要な史跡です。
赤レンガを積み立てた城砦を近くで見てみると、レンガの間にガジュマルの葉や枝、そして貝殻や珊瑚などが入り込んでいることがわかります。
オランダが要塞を作った当時、セメントが存在しなかったため、もち米・砂糖水・牡蠣の貝殻をすりつぶしたものを接着剤として使い、レンガを積み上げていったと言われています。
3つの素材を使ったつなぎは、三合土(またはオランダ人を意味する言葉を使い台湾語で紅毛土)と呼ばれています。
1661年2月、オランダ投降に成功した鄭成功。
故郷を忘れないように…という思いから、ゼーランディア城を安平鎮城に改名しています。
鄭成功は要塞の南側から人の出入りがしやすくなるように、門を作るように命じたと言われていて、実際に城砦の奥に通りぬけ用のゲートが設けられています。
安平古堡史跡公園
外城南側の城砦跡の前に広がる安平古堡史跡公園。
ここには、鄭成功にまつわるものが展示されています。
例えば、鄭成功は日本人の母と中国福建省出身の父を持つ長崎生まれと言われていますが、安平古堡史跡公園のなかにある説明文にも、鄭成功が日本生まれであることが記されています。
史跡紀念館
日本軍が台湾に進出した1895年。
この時点で残っていた城砦は非常に少なかったものの、1896年に日本軍は再建して整備を行います。
同時に、安平の税関長のための住居として日本式家屋を作り、さらに職員の宿舎も建設します。
1930年になると、日本家屋は取り壊され、日本軍により西洋式の豪邸が建設されました。
それが現在ある史跡紀念館になります。
史跡紀念館では、
✔︎オランダ東インド会社がどのような経緯で安平に進出することになったのか
✔︎鄭成功がどのような奇襲を仕掛けてオランダを投降に追いやったのか
✔︎日本統治時代における城砦の使われ方
…など、安平古堡を理解する上で必要な情報がわかりやすくまとめられています。
中国語、英語、日本語の表記があります。
史跡紀念館にある展示物のなかでおすすめするものが、「安平色巡り」の展示コーナー。
色をテーマに、安平古堡や安平という場所をわかりやすくかつ情緒的に表現しています。
それぞれの解説文を読んでいて、色と情景がパッと頭に浮かぶような表現が使われていて、芸術性を感じるとても素敵な展示品コーナーです。
また、史跡紀念館内には、土産ショップもあるので、鄭成功関連のお土産を購入することができます。
展望台
安平古堡の中央にそびえたつ安平古堡瞭望台。
第二次世界大戦中に日本軍が防空監視塔として建設したものがベースになっていて、のちに台南市政府が観光客のために展望台に作りかえたものになります。
階段を使い上に登っていくと…
安平の街を一望することができます。
ゼーランディア城博物館
安平古堡の入口付近に位置するゼーランディア城博物館。
博物館に入ったところに、台湾の由来についての説明があります。
台湾の由来には諸説ありますが、大湾と呼ばれていた安平砂州の土地にオランダ人がTayouanやTeijouanなどの綴りをあて、これがのちに大員(Dayuan)となり、大員をベースに台湾という名称に変化していったと説明されています。
博物館内では、各種資料のほか、映像も放映されています。
安平古堡の観光所要時間
安平古堡観光所要時間の目安は1時間。
1つ1つの展示物にじっくりと目を通す場合は、もっと時間がかかると思います。
また、安平古堡と一緒に安平樹屋や安平老街を巡るパターンが多いと思うので、安平エリアの観光として4時間から半日程度の時間を組み込んでいくと、焦ることなく観光することができます。
ロケーション
住所:台南市安平區國勝路82號
アクセス方法詳細は以下の記事で紹介しています。
まとめ
台南および台湾の歴史の重要地点である安平古堡。
日本語の解説文も多い場所で、非常に分かりやすく説明されているので、安平古堡についての歴史を学びたい時におすすめの場所です。