台湾最古の孔子廟として有名な台南孔子廟。
今ある台南孔子廟の大半は修復されたものになりますが、それでも300年以上の長い歴史を持つ場所として見応えがあります。
この記事では台南孔子廟の概要&見どころ、アクセス方法について紹介します。
台南孔子廟とは?
- 台湾初の孔子廟
- 台湾初の学校
…である台南孔子廟。
台湾の一級古跡に指定される重要な建築物であり、人々の信仰地でもあります。
日本統治時代には、日本軍の駐屯地として使われていたことがあるほか、1923年4月の台湾行啓のなかで、当時皇太子だった昭和天皇が台南孔子廟を訪問しています。
読み方
孔子廟の読み方は、日本語でこうしびょう。
中国語の発音はKǒngzǐ miào(コンズーミャオ)になります。
台南孔子廟は誰が作った?
台湾鄭氏政権時代の1665年、参軍・陳永華の提唱により建立されました。
陳永華は、鄭成功の長男である鄭経の師であり参謀でもあり、
- 聖廟を設置すること
- 優秀な人材を採用する学校をつくり、人を教育すること
…を主張し、聖廟と国学を設けることが国の発展&繁栄につながると鄭経に進言し、これにより先師聖廟と明倫堂が建立されます。
建築の特徴
伝統的な閩南建築の三合院の造りになっています。
また、建物の配置は、
- 左學右廟
- 前殿後閣
…という特徴があります。
台南孔子廟のマップ
台南孔子廟のマップ。
中央に位置する大成殿をはじめ、それぞれの位置関係が示されています。
台南孔子廟にはお土産ショップも併設されています。
孔子デザインの肉乾など、台南限定のお土産アイテムを購入することができます。
台南孔子廟の見所
大成坊
台南孔子廟には、東西2つの大成坊があります。
見どころとして注目を集めるのは、東大成坊にある「全臺首學」の文字。
清朝による統治がはじまった1683年に、一府三県が置かれると、鄭氏政権時代の国学が台湾府学となり、台南孔子廟は台湾最高学府に位置づけられます。
当時、台湾の子供たちが通うことができる唯一の学校であり台湾最初の学校であったことから、全臺首學(全台首学)と名づけられました。
また、東大成坊横の壁には「下馬碑」があり、これは康熙帝の命により1687年に作られたものだと言われています。
「身分に関わらず、ここで馬を降りて歩行で聖廟に入るべし」という内容の文章が記されていて、孔子への敬意を表すものになっています。
こちらは西大成坊。
明倫堂
台南孔子廟の特徴である「左學右廟」の左學(左学)を指すものが明倫堂。
学生たちが学んだ場所で、儒教の講堂になります。
明倫堂の正面にある文章は、中国・元の著名な書家である趙孟頫の文字を模写したものになります。
倫理を重視し、学問に励み徳を習得するという内容が記載されています。
大成門&大成殿
大成門とその奥にある大成殿。
「左學右廟」の「右廟」が大成殿で、廟の最重要地になります。
大成門奥エリアの見学は有料になっていて、入場料を支払う必要があります。
文昌閣
明倫堂の後方に位置する文昌閣。
別名で魁星樓と呼ばれる建物で、孔子廟建築のなかで唯一の塔状建築物になります。
1階は正方形、2階は円形、3階は八角形というユニークな構造で、学生たちが科挙への合格を祈願する場所となっていました。
泮宮石坊
南門路を挟んだ台南孔子廟の外側に位置する泮宮石坊。
本来は、孔子廟の一番外側にあった門になりますが、日本統治時代に建設された南門路の工事のために、現在の場所に移動させられたという歴史があります。
ロケーション&アクセス方法
住所:台南市中西區南門路2號
色々なアクセス方法がありますが、台鉄・台南駅から直行する時は、台南火車站のバス停から2番バスに乗り、孔廟(台湾文学館/台南市美術館1館)で下車し、そこから徒歩で5分程度歩いたところに台南孔子廟があります。
私は宿泊していたシルクスプレイス台南から徒歩でアクセスしましたが、15分程度かかりました。
まとめ
台湾の儒教にとって重要な場所となる台南孔子廟。
時間に余裕がなかったので、有料スペースには入っていませんが、無料開放されているスペースを歩くだけでも十分雰囲気を楽しむことができました。
ふらっと散策するだけでも良い場所なので、ぜひ足を運んでみてください。
以上、台南の孔子廟についての紹介でした!