マレーシアにおいて、高級マンゴーとして知られるハルマニス。
ほかのマンゴーとは一線を画す香りの高さ、そして深い甘みを持つマンゴーです。
この記事ではマレーシアのハルマニスマンゴーについて紹介します。
ハルマニスマンゴー(Harumanis / Harum Manis)とは?
高級マンゴーのハルマニス。
ハルマニスの原生ははっきりとはわかっていないものの、インドネシア原生のマンゴーの品種であるという見方が有力です。
ハルマニスはマレー語やインドネシア語で、
- harum=香りの良い(fragrant)
- manis=甘い(sweet)
…という意味を持つ2つの単語から構成されている言葉で、ハルマニスマンゴーはその名の通り「香り高いマンゴー」です。
ハルマニスは緑色のマンゴーで、熟してくると皮の色が濃いグリーンからや明るいグリーン+淡い黄色に変色します。
ハルマニスマンゴーの学名はMangifera Indica Linn。
マレーシアにおいてハルマニスマンゴーは、1971年に「MA128」としてDepartment of Agriculture Malaysia (DOA)に登録されています。
ハルマニスの旬の時期
旬の時期は4月〜6月。
旬は1年に1回だけです。
海外に輸出もされるハルマニス
マレーシア国内で消費されるほか、日本やシンガポールなど、海外向けに輸出されています。
数年後には、ハルマニスをヨーロッパ向けにも輸出する計画があるということが2021年4月のローカルニュースで報道されていたので、今後は輸出エリアが広がっていくことが見込まれています。
ハルマニスの産地として有名なマレーシアのPerlis(パーリス)
マレーシアにおけるハルマニスの産地はPerlis(パーリス)。
マレーシアで最も小さい州として知られているPerlisはランカウイ島の近く、タイとの国境にほど近いマレーシア北部に位置しています。
ハルマニスはPerlisだけ?ハルマニスにまつわるエピソード
ハルマニスはPerlisでしか育たない
…と言われることがありましたが、実際にはPerlisのすぐ近くにあるKedah州のほか、Kelantan(クランタン)やTerengganu(トレンガヌ)の農家でハルマニスと同じ品種のマンゴーが栽培され、実際にハルマニスの木々が存在することがマレーシア政府の調査で判明しています。
ただし、ハルマニスマンゴーはPerlisの地域ブランドであり、Perlisが地理的原産地であるという知的財産権を守るために、Perlis政府がハルマニスマンゴーを2011年にMyIPO(Intellectual Property Corporation of Malaysia)に申請。
2011年以降、ハルマニスという商標はPerlisで栽培されたマンゴーのみに限定する…という規定になっています。
ハルマニスマンゴーはどんな味?美味しい?
ハルマニスマンゴーはほかのマンゴーと比較して、より強い香りと味を持ちます。
一言で形容すると…
とにかく濃い
味も香りも濃厚です。
ハルマニスマンゴーを食べると、なぜHarum Manisと名づけられたのか「なるほど…」と理解できます。
滑らかな口あたり
ハルマニスマンゴーのもう1つの特徴は食感。
非常に滑らかな食感です。
ハルマニスマンゴーはシルクのような滑らかな口あたりが特徴です。
マレーシアにおけるハルマニスマンゴーの価格
ハルマニスマンゴーの値段は収穫年によって変動します。
高い時は1キロあたりRM40という値段がつくこともあります。
2021年6月8日づけの為替レート(1MYR=26.54円)でRM40を日本円に換算すると1キロあたり約1,062円という価格になります。
マレーシア国内で流通しているほかの品種のマンゴーと比較するとかなり高額になるものの、日本で販売されているマンゴーと比べると安いと感じる価格帯です。
上記画像はマレーシアのスーパーで販売されているインドネシア産のハルムマニスマンゴー。
時期によって価格は異なるものの、ほかのマンゴーよりも価格は高めです。
アップルマンゴーとの比較
日本人の間で認知度の高いマンゴーの品種、アップルマンゴー。
台湾だと「愛文芒果」としてその名前を聞いたことがある人が多いと思います。
アップルマンゴーもハルマニスに匹敵する香りの高さと甘さを持ち、非常に滑らかな食感のマンゴーです。
個人的に感じている違いを挙げるとすれば、酸味の部分。
アップルマンゴーの方が甘みと酸味のバランスが良いと感じています。
マレーシアではオーストラリア産やタイ産のアップルマンゴーを見かけることがありますが、ハルマニスマンゴーと比較すると、価格はずっと安価です。
まとめ
ハルマニスマンゴーは甘みと香りが際立っているという点が最大の特徴です。
マンゴーには様々な商品があり、甘みが強いもの酸味が強いものなど、それぞれ特徴があり、人によって味の好みが異なるため、ハルマニスマンゴーが一番美味しい…と言えるわけではありませんが、マンゴーが好きな人は年に1回の旬の時期に試してみても良いかもしれません。
以上、マレーシアのハルマニスマンゴーについての紹介でした!