フランスに凱旋門あり、台湾に北門あり
…と認識されるべく、台湾の新しいランドマークにしたいという台北市の計画をベースに、2017年に新しく生まれ変わった北門。
この記事では台北の北門について紹介します。
台北の北門(ベイメン)とは?
正式名称は承恩門。
かつて台北府城には、
- 東門(景福門)
- 西門(寶成門)
- 南門(麗正門)
- 小南門(重熙門)
- 北門(承恩門)
…という5つの城門がありました。
その5つのうち、北門は清の時代から原形を留めている唯一の城門になります。
夜間はライトアップされ、幻想的な北門の姿を見ることができます。
130年以上の歴史を持つ城門
北門は1882年に着工、1884年に完成。
130年を超える歴史があり、台湾の第一級古蹟として認定されています。
北門以外の城門については、戦中や戦後に取り払われたものや、現存しているものは修復され原形を留めていません。
北門は歴史的価値のある特別な城門になっています。
上の画像は北門広場にある地図ですが、原本の出典は日本の遠野市立博物館となっています。
各城門がどこに設置されていたのか、よくわかります。
4つの方角を示す北門、南門、西門、東門があるのはわかるものの、なぜ小南門という門ができたのか?これにも理由があります。長くなってしまうので、ここでは割愛しますが、歴史に興味がある方は調べてみると面白いと思います。
北門が生まれ変わったプロセス
北門はその歴史から、昔から有名な観光スポットであったものの、
- 北門周りの交通の流れが非常に悪い
- 北門の目の前に高架があり、北門の景観を損ねている
- 北門周辺の店舗・商店街が廃れてきている
…など、様々な問題を長年抱えていて、北門は住民からも忘れ去られる存在になりかけていました。
この問題に目をつけ、テコ入れをしたのが当時の台北市長だった柯文哲さんです。
台北市の取り組み
8年間使用されていなかったバス専用レーンを取り払ったり、北門の視界を塞いでいた高架(忠孝橋高架引道)を全て撤去するという大規模な工事を実行しています。
高架の撤去作業については2016年の旧正月に夜通しで作業して、ものすごいスピードで撤去工事を完了させたという仰天エピソードがあります。
地道にそして着実に周辺一帯の整備を進めて行った結果、新しい北門広場として開幕したという背景があり、以前の北門の画像と現在の画像を比較して見ると、その違いは明白です。
現在の北門はその視界を遮るものは何もなく、北門広場は人々の憩いの場となっています。
北門の歴史や過去と現在の姿を知るには、こちらの動画がおすすめです。
6分弱の動画で英語のナレーションに中国語字幕となっていますが、動画を見ているだけでも、北門周辺環境がどんなものであったのか、テコ入れ後にどのような姿に変わったのかを知ることができます。
歴史に肌で触れることができる北門
北門は実際に門を通り抜けることができます。
中に入ってみると、清の時代にタイムスリップしたかのような不思議な気持ちになります。
歴史あるものに直接触れることができるということは、とても貴重な体験になります。
このように通り抜けできるようになっています。
こちらは北門の中。
台北の北門周辺にある歴史的建造物
日本統治時代の影響を感じることができる建物があります。
北門観光とセットにしてまわってみてください。
台北郵便局
1898年に建てられたあと、1913年に火事により損傷していますが、日本人設計士の栗山俊一さんが関わり、1930年に完成した建物です。
2010年から修復が行われ、2014年に工事が完了、第三級古蹟に認定されています。
現在も臺北郵局として実際に業務が行われています。
臺博館鐵道部展示館
こちらは臺博館鐵道部展示館。
建物自体に趣があります。
台北府城北門のロケーション&アクセス方法
住所:台北市中正區忠孝西路一段
MRT北門駅または台北駅からアクセスができますが、北門駅の利用が一番便利です。
北門駅からアクセスする場合は、1番または2番出口を出て、少し歩くと北門に着きます。
1番出口からだと、北門がすぐに視界に入るので、わかりやすいと思います。
北門の近くに問屋街の迪化街があるため、迪化街観光とセットにして行く形がおすすめです。
ちなみに、北門駅の3番出口付近に北門の歴史を学ぶことができる小さなコーナーがあります。
北門がかつてどのような姿であったのか、貴重な資料を見ることができます。
こちらは台北駅の移り変わりを示す資料です。
現在とは全く異なる姿をしています。
まとめ:台北の北門はふらっと立ち寄れる観光スポット
台湾を訪れる機会があれば、新しくなった北門広場に足を運んでみてください。
ここでしか触れることのできない歴史があります。
以上、台北の北門についての紹介でした!