近年、台湾で買い物する時によく聞かれるようになった載具。
コンビニ店員さんが聞いてくる「載具」って何?
店員さんに何と答えればいい?
…と疑問に感じることがあるかもしれません。
この記事では載具の概要について紹介します。
台湾の載具(ザイジュー)とは?
台湾のコンビニなどで買い物する時に聞かれる「載具」とは、
電子領収書の雲端發票をクラウド上に保存ツール
…を意味します。
正確には「發票載具」になりますが、口頭では単純に載具と言うことが多いです。
従来の紙ベースの發票(領収書)も使われていますが、
- 環境面を考慮したペーパーレス化の促進
- より簡単な發票管理や当選金受領システム
…という観点から近年台湾で載具を利用する人が増えています。
載具に保存する雲端發票
電子發票には2種類あります。
載具に保存する電子レシートが雲端發票、レジで印刷してもらう電子レシートが電子發票證明聯になります。
電子式領収書に対応したお店では、雲端發票として保存する形も電子發票證明聯で印刷してもらう形も、どちらの対応も可能です。
一方、電子發票を発行していないお店では、伝統發票と呼ばれるものが使われています。
載具の発音
載具の発音は、中国語でzǎi jù。
載具の「載」は第三声で発音
本来、載はzàiという第四声で発音しますが、載具という時は第三声のzǎiで発音し、zǎi jùになることが一般的です。
実際に台湾の店員さんの発音を聞いていると、zài jùではなくzǎi jùと言っています。
【注意】戴具ではなく載具
似ている漢字の「戴 Dài」と混同されることがありますが、戴具ではなく載具になります。
載具の読み方
カタカナにするとザイジューやザイジュィーです。
ただ、jùの音が日本語にはない音で、日本語を話す時とは異なる口の使い方をするので、正確な音はグーグル翻訳の音声機能で確認してください。
載具って実際にどんなもの?
載具=雲端發票を保存できるツール
…という概念は理解したものの、
「ツールって具体的に何?」
…という疑問が湧くと思います。
答えは、スマホアプリで提示するバーコードのほか、しかるべき登録をした悠遊カード、クレジットカードや会員カードなども載具になります。
載具の種類
載具には、
- 共通性載具
- 非共通性載具
…という2種類があります。
便利なものは共通性載具です。
共通性載具
共通性載具には、
- 手機條碼
- 自然人憑證條碼
…があり、よく使われているのはスマホバーコードの手機條碼。
バーコードを提示してスキャンしてもらえば、電子レシート(雲端發票)がデータで保存できます。
雲端發票を発行しているお店ではどこでも共通して利用可能で、例えばセブンでもファミマでも、1つのバーコードを提示すればOKです。
非共通性載具
悠遊カードやお店の会員カード、クレジットカード/デビットカードなどが非共通性載具になります。
載具として利用するには登録が必要ですが、統一發票兌獎のアプリなどから手続きできます。
旅行者の人も利用することが多い悠遊カードですが、登録していない場合は載具として機能しないため、この場合、印刷した電子レシートの電子發票證明聯を受け取る必要があります。
悠遊カードを支払いに使うと、發票を印刷する必要があるか聞かれると思うので、「いります!」と答えて受け取ってください。
集中管理できる載具歸戶
様々な非共通性載具を共通性載具(スマホのバーコード)に結びつけて管理することも可能です。
中国語で載具歸戶と呼ばれている機能です。
便利なおまとめ機能
載具歸戶は異なる載具の集中管理ができるおまとめ機能です。
悠遊カードで払った雲端發票やクレジットカードで払った雲端發票を別々に管理する必要がなく、当選結果もまとめて通知してくれます。
財政部電子發票整合服務平台や統一發票兌獎のアプリなどから手続きできます。
載具登録(スマホバーコード取得申請)に必要なものは?
- 台湾の電話番号
- Eメールアドレス
- パスワードの設定
手機條碼の申請に絶対必要なものは、台湾の電話番号です。
手機條碼を申請する段階では台湾の銀行口座情報は必要ありません。
ただ、載具の使用を開始してから台湾の銀行口座を登録すれば、当選時に自動振込の機能が使え、当選金受領時に印紙税も免除になるので、口座を持っている場合は自動振込の設定をすることをおすすめします。
手続き方法
手続きは、
- 財政部電子發票整合服務平台
- 統一發票兌獎APP(アプリ)
…で可能です。
財政部電子發票整合服務平台で手続きする時は、「手機條碼申請」で行います。
「同意」ボタンをクリックして手続きを進めます。
財政部公式アプリの統一發票兌獎からも手続き可能です。
はじめて利用する時は、アプリダウンロード後に、註冊新帳號をタップ。
必要事項を入力の上、登録を進めていきます。
- 手機號碼→電話番号
- 電子信箱→Eメールアドレス
- 自打驗證碼(密碼)→認証コード(パスワード)を設定
…という形で入力します。
必要事項を入力すると、ワンタイムパスワードが送信されるので、ワンタイムパスワードを入力して設定手続きを進めると、バーコードが利用できるようになります。
載具を使うことのメリット
雲端發票利用でくじ当選チャンスがアップ
雲端發票にはより多くのくじが設けられています。
具体的な当選金と本数は以下の通り。
- 100万元:30組
- 2000元:1万6000組
- 800元:10万組
- 500元:165万組
雲端發票を利用することで、一般の發票の当選数に加え、雲端發票の当選数も加算され、当選のチャンスが上がる形になります。
ただ、近年は雲端發票を利用する人が増えたことにより、くじに当たる確率は実はそこまで高くないとも言われています。
当選を通知してくれる
財政部電子發票整合服務平台や統一發票兌獎アプリで登録の上、載具を利用すると、手動で1つずつ確認する必要がなく、当選を自動的に検知し通知してくれます。
紙ベースで發票を管理していると、紛失したり、結果確認を失念したりすることがありますが、載具を使えばこのような心配がなくなります。
自動的に銀行口座入金も可能
載具に台湾の銀行口座を登録すれば、コンビニや銀行に行くことなく、当選した賞金を自動的に振り込んでくれます。
また、載具で雲端發票を利用することで、当選金額から印紙税が免除される特典もあります。
反対に、銀行口座を登録しないと載具で雲端發票を利用していても、換金時に印紙税が徴収されます。(800元の場合は3元、500元の場合は2元を徴収)
載具は台湾でどのくらい普及している?
台湾の財政部が2023年10月に発表した情報によると、2023年9月時点で載具の利用率は53.22%。
すでに目標値の52%を超えていて、2024年には55%には到達すると予想されます。
載具を使う人がグッと増えた理由
デジタル化という時代の流れと利便性、そして雲端發票を利用することの特典により、載具利用者が増えたと考えられます。
また、發票載具のアプリも近年すごく増え、使いやすくなったことも要因です。
台湾のコンビニで聞かれる載具に関わるフレーズ
台湾のコンビニなどで買い物をする時に、必ずと言っていいほど載具に関わるフレーズが使われます。
そのため、旅行者の人でも「こんなこと聞かれるんだな」ということを事前に把握しておくと、実際聞かれた時に焦ることがなくなります。
色々な聞き方がありますが、
- 發票要存載具嗎?(fāpiào yào cún zǎi jù ma)
- 發票要不要存載具?(Fāpiào yào búyào cún zǎi jù ma)
- 有會員載具嗎?(Yǒu huìyuán zǎi jù ma)
- 有載具嗎?(Yǒu zǎi jù ma)
…という言葉が使われることが多いです。
難しく思えるかもしれませんが、お店の人が聞いているのは、
- 發票を載具に保存したいのか?
- 載具を使っているのか?
…ということで、確認したいことはシンプルです。
旅行者の場合「載具はない&持っていない」という答えになるので、
回答としては、要(ヤオ)で聞かれた質問には不用(ブーヨン)、有(ヨウ)で聞かれた質問には、沒有(メイヨウ)で答える形になります。
例えば、有載具嗎?(ヨウザイジューマ)と聞かれたら、沒有(メイヨウ)と答えます。
外国人旅行者も載具について聞かれる?
台湾で暮らし、載具を使っている外国人も多いので、確認のために聞いてくる店員さんが多いです。
ただ、質問が理解できず、「?」のような顔をしていると、何も言わず發票を印刷して手渡してくれると思います。
また、中国語で「載具是什麼?(ザイジューって何ですか?)」と聞いても、「載具とは…」と説明してくれるような時間に余裕のある店員さんはほぼいないので、質問しても苦笑いされるか「沒關係(大丈夫)」と言われて終わりになるケースが多いです。
特にコンビニでは「有會員載具嗎?」や「發票要存載具嗎?」というフレーズが常套句になっているので、レジで載具について聞かれることを知っておくと心の準備ができるので、旅行者の人も載具という概念を知っていて損はありません。
以上、台湾の載具についての紹介でした!