マレーシア4番目の世界遺産として登録されたレンゴン渓谷。
世界遺産であるものの、現地の人でさえ意外と知らない“隠れた世界遺産スポット”でもあります。
この記事では、レンゴン渓谷への行き方と観光情報について紹介します。
世界遺産・マレーシアのレンゴン渓谷とは?
マレーシアには、
- キナバル自然公園(2000年)
- グヌン・ムル国立公園(2000年)
- ジョージタウン&マラッカ(2008年)
- レンゴン渓谷(2012年)
…という4つのユネスコ世界遺産があります。
2012年6月に「レンゴン渓谷の考古遺産」としてユネスコ世界文化遺産に登録されたものが、レンゴン渓谷(Lenggong Valley)。
古くは200万年前もの人類が居住していた遺跡群が発掘された考古学的に意義のある場所になります。
レンゴン渓谷はどこにある?
レンゴン渓谷はマレーシアのペラ州に位置し、州都のイポーから約77kmの距離にあります。
ペラ州北部はタイとの国境に隣接していて、かつてレンゴンはパッタニー王国(現在のタイ)に属していたと言われています。
イギリスがマラヤを統治していた時に国境を北に押し上げたことから、現在はマレーシアに属する形になっています。
レンゴン渓谷の行き方
レンゴンへのアクセス方法は色々ありますが、代表的な行き方がKuala Kangsar(クアラカンサー)経由で行くルートになります。
車でアクセスする場合
レンゴン渓谷へのアクセスで最もはやく&最も便利な移動手段は車。
- イポーから車で約1時間
- クアラルンプールから車で約3時間〜3時間半
- ペナンから車で約2時間〜2時間半
…が目安の所要時間になります。(渋滞がない場合)
クアラルンプールからアクセスする場合
クアラルンプールから高速道路でアクセスする場合、Kuala Kangsar(クアラカンサー)で高速を降り、レンゴン渓谷方面に40分ほど運転すると到着します。
クアラカンサーからレンゴン渓谷に向かう道中の風景が既に美しくドライブを楽しめること、レンゴン渓谷内の移動には車がないと何かと不便であるため、運転に抵抗がない場合は車でのアクセスをおすすめします。
イポーからレンタカーを利用したい場合は、上記リンクの「ペラのレンタカー」を選択してください。
ペナンからアクセスする場合
ペナン島からレンゴン渓谷はそれほど遠くなく、ペナンを起点にイポー観光のついでにレンゴン渓谷をまわるプランもおすすめです。
ペナン島からは高速を使ってタイピンを超え、クアラカンサーで高速を降りて行くルート(上記地図のオレンジのルート)のほか、一般道(旧道)を使ってアクセスするルートもあり、いずれも2時間〜2時間半程度の所要時間になります。
私自身はペナン州のNibong Tebalという街を経由(上記地図の緑色のルート)して、旧道利用でレンゴン渓谷からペナン島にアクセスしましたが、もっと直線的なルートで移動するとより短い所要時間でアクセス可能です。
バスでアクセスする場合
クアラルンプールからレンゴンに直行するバスがあるか調べてみたところ、チケット情報を確認することができませんでした。
そのため、クアラルンプールからクアラカンサーまでバスで行き、クアラカンサーからレンゴン行きのバスに乗りかえる形になるかと思います。
クアラルンプール発の場合、TBSやHentian Dutaのバスターミナルからクアラカンサー行きのバスが利用でき、約3時間40分で到着します。
マレー鉄道(ETS)とバスでアクセスする場合
マレー鉄道とバスを組み合わせてアクセスする方法もあります。
例えば、KLセントラル駅からETSに乗車しクアラカンサーまで行き、バスや車でレンゴンにアクセスする方法があります。
ETS利用で、KLセントラルからクアラカンサーまで3時間程度かかります。
クアラルンプールからイポー方面に遊びに行くことを考えている場合は、ETS利用でレンゴンに立ち寄るプランもアリかもしれません。
公共交通機関利用でレンゴンにアクセスするのは不便であるため、レンゴン渓谷に宿泊することを考えている場合、レンゴンへの送迎(例えばイポーやクアラカンサーから送迎車をアレンジしてもらえるか、往復のタクシーをアレンジしてもらえるかなど)について、宿泊先に交渉したり問い合わせてみることをおすすめします。
レンゴン渓谷の観光スポット
上記画像はレンゴンジオパークの地図。
代表的な観光スポットは、
- 洞窟(Batu Kajangなど)
- 滝(Lata Kekabu)
- 湖(Tasik Raban)
- 考古学博物館(Lenggong Archaeological Museum)
…などになります。
考古学的要素が強い場所もありますが、滝やせせらぎで遊んだり、大自然に触れるアクティビティもできるところがレンゴン渓谷観光の特徴です。
また、考古博物館は2024年は改装中となっていて、本館は閉鎖されているとの情報があります。
おすすめモデルコース(1泊2日コース)
1日目①:洞窟を見学
旧石器時代〜青銅器時代にかけて人類が生活していた遺跡があるレンゴン渓谷の洞窟群。
レンゴン渓谷における重要な遺跡になりますが、どちらかと言うと、考古学に深い興味がある人向けの場所になります。
洞窟の見学には、事前の許可取りが必要です。
1日目②:養蜂場で針なしミツバチのハチミツを買う
針なしミツバチ養蜂場のLADANG TERNAKAN MADU KELULUT KAB。
酸っぱくて美味しい新鮮なはちみつを購入することができます。
スティングレスビーは日本にはいない蜂で、そのはちみつは希少とされています。
1日目③:カフェで一休み
上記で紹介した養蜂場から車で1分の距離にあるPio’Kopi。
素朴な雰囲気の山道に、突如おしゃれな雰囲気のカフェがある…というユニークなスポットです。
1日目④:熱帯雨林の森に行く
レンゴンの熱帯雨林。
ラフレシアが自生していて、タイミングが合えば開花しているラフレシアを見ることができます。
また、付近にはゴムプランテーションもあります。
2日目①:滝や小川で遊ぶ
滝や小川があるレンゴン渓谷。
小川に面した場所にあるシャレーに泊まると、気軽に水遊びを楽しむことができます。
2日目②:湖をクルーズ
レンゴン渓谷には、Sungai Perak(ペラ川)の近くに大きな湖があります。
代表的な湖の1つがTasik Raban。
周辺に山脈が連なるTasik Rabanは、景観がとても良く、映画撮影にも使われたことがある場所になります。
事前予約が必要になりますが、湖のクルーズを楽しむことが可能です。
レンゴン渓谷観光の注意点
洞窟の見学など、一部のアクティビティには事前の許可取りや予約が必要になるので、その点に注意してください。
また、クアラルンプールなどの都市部と異なり、どこでも英語が通じるわけではなく、マレー語が主体になるので、可能であればマレー語ができる人と一緒に行く方が何かと便利な場所でもあります。
レンゴン観光は日帰りそれとも泊まりがおすすめ?
旅程に余裕がある場合、1泊2日や2泊3日など、泊まりをおすすめします。
レンゴン渓谷では自然に触れるアクティビティが多く、割と体力を消耗するため、泊まりでのんびり過ごす旅程にする方がレンゴン滞在を堪能できます。
また、レンゴン渓谷に宿泊してみて、すごく良かったなと感じたことは、朝の雰囲気。
小鳥のさえずりで起床し、森林に囲まれた風景を見て、澄みきった空気でゆっくり深呼吸する
…こんなスローライフを楽しむことができる場所なので、急ぎ足でまわるよりも、泊まりでのんびりする旅程がおすすめです。
レンゴンの宿泊施設
レンゴン渓谷周辺の宿泊施設は、川の近くにあるシャレーやグランピング施設、ホームステイ型など、自然を楽しむことを主体とした簡素な宿泊施設がほとんどです。
観光客がすごく多い場所ではないため、宿泊施設によってメンテナンスが行き届いていないことがあったり、設備がイマイチというケースもあります。
そのため、宿泊施設にはあまり期待せず、あくまで自然を楽しむというスタンスで遊びに行くとガッカリしないと思います。
また、マレー語しか通じない宿泊施設もありますが、調べてみたところRumah Tiang 16は海外からのゲストも受け入れていて英語が通じ、宿泊者向けに独自のパッケージツアーも開催しているようです。
Rumah Tiang 16には英語のウェブサイトがあるので、興味がある方は詳細をチェックしてみてください。
まとめ
マレーシア現地の人でも知らない人が多いレンゴン渓谷。
海外からの観光客には不便な面が多い点が否めませんが、商業的要素が強い観光地と異なり、ありのままの自然と田舎の良さが残る場所で、これこそがレンゴン渓谷の魅力です。
マレー語で田舎のことをkampung(カンポン)と言いますが、レンゴン渓谷はまさに地元の人の優しさに触れることができるカンポンライフと自然の美しさを堪能できる場所です。
個人的にはキャメロンハイランドやフレーザーヒル、ゲンティンハイランドよりも、「自然が美しい!」と心の底から感じた場所です。
万人受けする場所ではないものの、マレーシアの美しい自然に触れたい人には興味深く過ごすことができるスポットです。
以上、マレーシアのレンゴン渓谷についての紹介でした!
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世界遺産を目的にマレーシアを訪れる場合、気軽に楽しめるのはペナン島のジョージタウンやマラッカになります。
はじめてマレーシアに遊びに来る時は、ペナンまたはマラッカに足を運ぶ方が色々な面で便利です。