ボルネオ島にあるサバ州には原住民に関するカルチャーセンターがいくつかありますが、おすすめしたいのがモンソピアド文化村。
この記事ではモンソピアド文化村の概要と見どころについて紹介します。
サバ州のモンソピアド文化村とは?
カダザン・ドゥスン族の文化や歴史を学ぶことができるモンソピアド文化村(Monsopiad Heritage Village)。
1996年にオープンした文化村になります。
モンソピアド文化村の入口。
スタッフの人が温かく迎え入れてくれるモンソピアド文化村。
受付で料金を支払うと担当のガイドさんが来て、内部を案内してくれます。
また、追加料金が発生しますが、モンソピアド文化村ではショー(パフォーマンス)も行われています。
モンソピアドとは?英雄の伝説
伝説の英雄として語り継がれるカダザン族のモンソピアド(Monsopiad)。
今から数百年前に生まれたモンソピアドは、不思議な力を授かって誕生したと信じられています。
モンソピアドが育ったKuai(クアイ)の村では戦士が不足していたことから、度々敵に襲われる問題に直面していたところ、モンソピアドは幼少期から特別な訓練を経て戦士となります。
勝利の勲章として持ち帰った首
村を出て戦うようになったモンソピアド。
勝利の勲章として敵の首を持ち帰り、それらを自宅の屋根に吊るしました。
悲しい最期と英雄化
村を襲う敵を退治して英雄になったモンソピアドですが、村に帰ってから人に手をかける癖が悪化します。
村人は次第に恐れるようになり、最終的に村の戦士たちによりモンソピアドは処分され、その生涯を終えます。
悲しい最期を迎えたものの、亡き後もカダザン族の伝説の英雄として語り継がれるようになったというエピソードを持ちます。
モンソピアド文化村の見どころ
House of Skulls
モンソピアド文化村の最大の見どころはHouse of Skulls。
モンソピアドは全部で42の首を持ち帰ったと言われ、House of Skullsの屋内には実際にモンソピアドが持ち帰ったとされる頭蓋骨が吊るされています。
また、House of Skullsの内部には、亡くなった時に身体を入れる棺も展示されています。(本物は1つだけで、そのほかはレプリカになります)
モンソピアドや祖先への敬意を表するため、House of Skulls内部は撮影禁止とガイドさんに言われたので写真撮影はしていませんが、不思議な雰囲気を持つ空間です。
原住民の飲食物の試食&試飲
モンソピアド文化村には原住民の食べ物や飲み物を試食&試飲できるスペースがあります。
カダザン族に伝わるお酒。
3種類のお酒があり、手前からLihing、Talak、Sikatという名称になります。
アルコール度が高く、Lihingは12%〜21%、TalakとSikatは25%〜30%になっています。
中国の白酒のような、飲むと胸が熱くなる強さがある蒸留酒です。
炒めた野生の生姜や野生マンゴーなどの伝統料理。
タンパク質源として、原住民の人々の間で食べられていた芋虫。
生きた状態の芋虫をお皿に盛って見せてくれ、試食も可能です。
ただ、食べれない…という人が大半だと思うので、無理強いされることはありません。
近代化の影響なのか、芋虫を手でコロコロ転がしながら紹介してくれたガイドさんも「芋虫は食べない…」と言っていました。
原住民の生活様式を表す展示物
カダザン族の人々が暮らしに使ってきた農具や道具が展示されているコーナー。
ラタンのかごを編んだり、農作業をするカダザン族の女性の写真。
脱穀機。
スパイス&ハーブ。
農作物を入れるかご。
Baraitと呼ばれるかごバッグ。
竹で作られています。
吹き矢体験
吹き矢体験コーナー。
ガイドさんがお手本を見せてくれて、軽々と吹き矢を扱っていましたが、吹き矢の筒自体がかなり重たく、一人で支えるのが大変なくらいです。
ゴムがついたY字型の道具を使って石を飛ばし、目の前にある缶を倒すY字型パチンコ体験もできます。
火起こし
火起こしのデモンストレーションも行っています。
スタッフの人がはじめにお手本を見せてくれます。
火起こしをはじめてから、3分くらいでささっと火をつけていました。
吹き矢、Y字型パチンコ、火起こしをさらっとこなすガイドさんたちの姿を見て、「自分にもできそう…」と感じるのですが、何一つ上手くできず、自分のサバイバル能力のなさを実感せずにはいられませんでした。
吊り橋
敷地内にある吊り橋。
短い橋ですが、グラグラ揺れるので、ちょっとしたスリルを味わえます。
楽器演奏
伝統楽器を使った演奏。
とても美しい音色で、心が癒されます。
お土産ショップ
受付近くにあるお土産ショップ。
頭蓋骨のお土産もあります。
原住民のアクセサリーやかごバッグの販売に加え、カダザン族の民族衣装のレンタルを行っています。
なお、モンソピアド文化村では入場して料金を支払うと、無料でキーホルダーをサービスしてくれます。
好きなデザインのキーホルダーを選ぶことができます。
ロケーション&アクセス方法
住所:Kampung Kuai Kandazon, Jalan Putatan Ramayah, 89507 Penampang, Sabah
コタキナバル市内中心部から車で30分、コタキナバル国際空港からは車で20分程度でアクセス可能です。
ただ、コタキナバル市内中心部から少し離れた場所にあるため、Grabを利用して個人で行く場合、早めに帰りの車を手配しておく方が良いと思います。
Monsopiad Heritage Villageのツアー
ホテル送迎つきのオプショナルツアーがあります。
ツアーには原住民の人々によるパフォーマンスも含まれています。
また、サバ州には原住民の人々について学ぶ様々な文化村があり、規模の大きさではマリマリ文化村が有名です。
まとめ:サバ州で訪れる価値がある場所
モンソピアド文化村は他の原住民カルチャーセンターよりも小規模ですが、アットホームな雰囲気が魅力で、足を踏み入れた瞬間、スタッフの方々のホスピタリティーを感じることができる場所です。
私が足を運んだ時は他のお客さんが文化村にいない貸切状態で、完全にプライベートツアーだったので、時間をかけてゆっくりを見学できました。(パフォーマンスなしで2時間ほど滞在しました)
また、火起こしをしている時に他のガイドさんたちも集まってきて、敷地内から採ってきたランブータンをお裾分けしてもらいつつ火起こし体験をするなど和気藹々とした時間を過ごすことができとても楽しかったです。
以上、モンソピアド文化村についての紹介でした!