マレーシアで広く普及しているDuitNow。
買い物する時にDuitNowのQRコードを目にして、
DuitNowってなに?
…と疑問に思うことがあるかもしれません。
この記事では、マレーシアのDuitNowのサービス内容や特徴について紹介します。
マレーシアのDuitNowとは?
マレーシアのPayNet(Payments Network Malaysia)が運営するDuitNow。
DuitNowはIDで簡単に送金や受領ができるマレーシアの決済システムになります。
DuitNowの発音
DuitNowはドゥイッ ナウと発音し、Duitの最後のtの音は微かに発音するだけです。
Duit(ドゥイッ)にはどんな意味がある?
Duit(ドゥイッ)はマレー語やインドネシア語でお金を意味します。
ちなみに、マレーシアで使われている福建語(閩南語)でお金はLui(ルイ)。
福建語で、
- いくら?→Kui Lui(クイ ルイ)?
- お金がない→Boh Lui(ボー ルイ)
…のような形でルイという言葉が使われていているほか、マレーシアで使われている広東語でもお金のことをLuiと言ったり、Loi(ロイ)と発音することがあり、これらはマレー語のDuitがベースになっていると言われています。
Duit(ドゥイッ)の元々の語源を巡ると、たどり着くのはオランダ語。
17世紀頃のオランダで使われていた銅貨がDuitと呼ばれていて、マレーシアやインドネシアでDuitが使われているのはオランダ東インド会社(VOC)によるアジア貿易やオランダによる植民地時代の名残になります。
IDで簡単に送金できるDuitNow Transfer
DuitNow Transferは、
- DuitNowのIDで送金できる
- IDが電話番号、ICナンバー(マレーシア人の場合)、パスポート番号(外国人の場合)などに紐付けできる
- 銀行口座だけではなく、eWalletにも送金できる
- すぐに送金&受領できる(日付を決めた振込指定も可)
- RM5,000までの取引は手数料無料(他行への振込も手数料無料)
…という利点があり、例えば送金したい相手の銀行口座番号がわからなくても、DuitNow IDやIDに紐付けした電話番号などで簡単に振込が可能です。
一般的にRM5,000までは手数料無料で、RM5,000以上の取引には50セントの手数料がかかります。
他行宛の振込も無料で行えるところが便利なポイントです。
日本だとオンラインバンキングを利用しても他行宛は手数料がかかることが大半なので、基本的に振込手数料無料で振込できるDuitNowはすごく便利です。
相手に送金する時は自分のIDなしでもできる
送金や振込をするだけであれば、自分がDuitNow IDを持っていなくても、相手のDuitNow IDがわかれば手続きができます。
お金を受け取る時はIDが必要
反対に、相手からお金を受け取る時は自分自身のDuitNow IDが必要で、登録する必要があります。
DuitNow IDはお使いのマレーシアの銀行アプリから登録可能です。(登録はすごく簡単にできます)
DuitNow Transferが利用できる銀行やeWallet
- AEON Bank
- AFFIN Bank
- AGRO Bank
- Alliance Bank
- AmBank
- Bank Islam
- Bank of China
- CIMB Bank
- Maybank
- HongLeong Bank
- Standard Chartered
- HSBC
- ICBC
- MUFG
- OCBC
- Pubic Bank
- RHB
- SMBC
- Touch n Go eWallet
- ShopeePay
- bigpay
- Boost
…など、マレーシアにあるインターネットバンクやモバイルバンクに対応した銀行のほか、マレーシアで利用可能なeWalletで広く利用できます。
一覧はDuitNow公式サイトで確認できます。
DuitNow IDの登録方法
DuitNow IDの登録はマレーシアで銀行開設していれば簡単に手続きできます。
まず、マレーシアでお使いの銀行口座のモバイルアプリを開きます。
ここではHongLeong Bankのアプリを使って説明します。
まずは、Account Settings & Limitsをタップ。
Manage DuitNow IDを選択。
銀行に登録した携帯番号やパスポート番号が表示されるので、DuitNow IDに紐付けたいものを選択し、Registerをタップ。
内容に間違いがなければ、Nextボタンを押します。
タップするとTerms & Conditionsへの同意が求められるので、Agreeを押します。
Save Changesをタップ。
Authoriseをタップ。
これでDuitNow IDの登録が完了です。
DuitNowは即時送金ができるので、振込があると銀行のアプリ経由ですぐに通知を受け取ることができます。
DuitNow QRコードとは?
マレーシアで買い物する時に便利なQRコードによる支払い。
そんな時によく使われているものがDuitNowのQRコード。
こちらがDuitNowのQRコード。
Malaysia National QR(マレーシアナショナルQR)と記載されているように、DuitNowに参画している銀行やeWalletの支払いが1つのQRコードで可能となります。
利用する人みんなに便利なQRコード
- 銀行やeWallet別に異なるQRコードを準備する必要がない
- 統一した1つのQRコードで運用できる
お客さんの立場で言えば、タッチアンドゴーeWalletで支払いたい時はタッチアンドゴーのアプリで読み取る、オンラインバンキングで支払いたい時は銀行のアプリで読み取る…という使い方ができます。
銀行名と口座番号が記載されたQRコードもある
一見、DuitNowと同じように見えるピンク色のQRコードであるものの、よく見ると銀行名や口座番号が記載されているタイプのQRコードが使われていることもあります。
夜市や市場など、個人経営の小さなお店で使われていることが多いQRコードです。
この場合、お使いの銀行アプリでQRコードを読み取り、支払い手続きする方法が簡単です。
銀行のアプリを使う時は、QR PayやScanのアイコンをタップしてQRコードをスキャンして支払いを進めます。
上記画像はHongLeong BankのQR Payのアイコン。
こちらはMaybankアプリのScanのアイコン。
QRコードを読み取り、支払金額を入力して決済します。
なお、このタイプのQRコードでも、タッチアンドゴーeWalletは使えるものの、QRコードを読み取って口座番号を手入力する必要があります。
もしタッチアンドゴーeWalletの支払いで上手くいかない時はお店の人に聞いてみてください。
クロスボーダーQR支払いにも対応
マレーシアでDuitNowを利用している場合、
- インドネシア
- シンガポール
- タイ
- 中国
…でもQRコードによる支払いが可能です。
- インドネシア→QRIS
- シンガポール→NETS
- タイ→PromptPay
- 中国→Alipay
…のQRコードをスキャンすることで支払いができます。(両替レートは各銀行やeWalletに基づきます)
逆にインドネシア、シンガポール、タイ、中国からマレーシアを訪問する旅客も、DuitNowのQRコードで決済が可能となっています。
以上、マレーシア在住者に便利なDuitNowについての紹介でした!