歯並びが悪いせいで、自分の笑顔に自信を持つことができない。
こんな悩みを抱える人は決して少なくありません。
私自身も幼い頃から歯並びが悪いことに悩み続け、長年のコンプレックスを解消するために、社会人になってから大人歯列矯正をしました。
この記事では大人歯列矯正の治療までの流れ・費用・期間について紹介します。
また、矯正後10年以上経過した現在の歯の状態についても記述しているので、矯正後の後戻りが気になる方は参考にしてみてください。
目次
大人歯列矯正を決めた背景
矯正前の私の歯並びは、大きな前歯2本の出っ歯に下の歯がガタガタというものでした。
小児歯科で検診を受けるたびに先生に「すごい歯並びだねー」と言われ続け、歯科助手の人が興味深げに口の中を覗き込むということがよくあり、幼い時から「私の歯って変なの…?」と深く傷ついてきました。
小児矯正をしなかった理由
親も私の歯並びの悪さを気にしていましたが、お金がかかることに加え、私自身が矯正装置を装着することに強い抵抗感を示していたことから、幼少期の歯列矯正は見送りとなりました。
小学校の時に小児矯正をしていた友人がいたのですが、とても大変そうだったので、「絶対、嫌!」と強情に言っていました。
しかしながら、コンプレックスはどんどん大きくなるばかり….。
「やっぱり綺麗になりたい!」気持ちから大人矯正へ
自分の笑顔に自信が持てないことに嫌気がさし、社会人になってからコツコツ貯金をして、大人歯列矯正をする決心をしました。
前置きが長くなりましたが、以下に私がどのように歯列矯正歯科を選び、どれだけの費用と期間がかかったのかについて紹介します。
矯正治療開始前準備①(リサーチ編)
歯列矯正を成功させ、満足のいく結果にするためには、治療開始前までのリサーチや歯科選びが重要です。
以下に歯科選びのポイント、チェック項目などについて紹介します。
歯科選び

歯科の数はコンビニの数より多いと揶揄されることもあるくらい、巷にはたくさんの歯科で溢れています。
歯列矯正をするのであれば、評判の良い歯列矯正専門歯科を選ぶことをおすすめします。
先生の技術力によって結果に大きな差が出るためです。
大袈裟ではなく、本当です。
矯正期間中に担当の先生が不在で、他の先生にワイヤーを取り替えてもらったことがあるのですが、ワイヤー交換中の痛みや苦痛、手際の違いに加え、その後の歯の動き方が全然違った…という経験をしたことがあります。
下手な先生と上手な先生、こんなに差があるものなのかということを実際に経験し、技術力と経験のある先生に任せることがどれだけ大切であるのかを実感しました。
無料相談を利用

矯正専門歯科の多くは、無料相談を受け付けています。
実際に矯正を行うとなると、大きな出費となります。
そのため、無料相談を利用して、先生の治療方針の見立てや費用について、納得するまで質問してみてください。
無料相談は先生の人柄を見る絶好のチャンス!
矯正には時間がかかります。
質問に対して、面倒くさそうに対応する先生であれば、長いお付き合いをしていく上で障害になることもあるため、無料相談は、先生の人柄や相性を見るチャンスでもあります。
無理に決断を迫ってくる先生には注意が必要です。
料金、設備のほかにも、先生とのフィーリングをチェックしてみてください。
私はこのカウンセリングの段階で、自分に合う先生であるのかどうかの見極めをしました。
無料相談ではどのような質問・相談をすれば良い?
あらかじめネットで情報を収集して、聞きたいことをまとめておくと、スムーズに質問することができます。
自分で調べていくうちに、どんなことを聞いたら良いかということがわかってきますが、参考までに、私は下記のポイントに絞って各無料相談で先生方に確認しました。
費用について明確に答えないような歯科は避けた方がベターです。
また、矯正の指導医、専門医、認定医など、先生がどのような資格を保持しているのかついて、ウェブサイトで事前に確認することも忘れずに行いました。
私が選んだのは矯正の指導医の資格を持つ先生です。
セカンドオピニオンを忘れずに
一つの矯正専門歯科だけではなく、いくつかの矯正専門歯科に相談をすることをおすすめします。
セカンドだけではなく、サードオピニオンやそれ以上のオピニオンがあっても良いと思います。
先生によって、治療方針が大きく異なったり、費用に差があるためです。
費用の合見積を取るという意味においても重要です。
実際に、歯科によって見積額に数十万円の差があり、治療方針も大きく異なりました。
口コミを利用
周りに歯列矯正をしている人がいれば、その人が通っている矯正歯科の情報や費用、効果について聞くことをおすすめします。
評判の良い先生は、技術力が高く、患者への対応も良いケースが多いため、信頼できる人の情報は大いに参考になります。
矯正治療開始前準備②(歯科医の選定編)
無料相談を受けて、比較検討の材料が揃ったら、それぞれの歯科から提案された見積金額、治療方針を比較して、歯科医の選定を行います。
見積・治療方針比較

合見積をとってみるとわかりますが、各歯科によって、見積価格に幅があります。
もちろん、どの矯正方法で治療を進めていくのかにもより、料金は異なります。
ブラケット矯正なのか、マウスピース矯正なのか、ブラケット矯正の場合は、一般的なものか、それとも裏側につけるものなのかなど、どの矯正装置をつけるのか、どのようなやり方をするのかにより、料金のギャップが大きくなります。
「矯正装置は絶対に歯の裏側に付けたい!」という強いこだわりがあると、それだけ料金も高くなります。
治療方針や費用をじっくり検討
私が無料相談でカウンセリングを受けた歯科は、全部で3つです。
2つの矯正専門歯科では、

と言われました。
残りの1つの矯正専門歯科は、

と言ってくれました。
その先生曰く、親知らずの他に4本も抜歯してしまうと、今度は逆に口元がしぼんでしまって、バランスが悪くなるという説明でした。
先生の見立により、これほどまで治療方針が異なるということにすごく驚いたことを今でも覚えています。
歯並びによっては、抜歯が必須となるケースもあるので、抜歯をしない方針が良いというわけではありません。あくまでも、個人に最適な治療方針を示してくれる先生を見つけることが大切です。
治療の流れと各諸費用
下記の流れで治療が進められました。
- 初診相談
- 精密検査
- 診断
- 治療開始(前準備)
- 治療
- 保定および予後観察
私自身が支払った治療費用を以下に記載していますが、矯正歯科ごとに費用が異なります。あくまで参考情報としてください。
初診相談
無料相談の後、即決せずに、一旦検討したいと伝えていました。
そのため、後日正式に治療を受けたいと歯科に連絡したところ、初診を受けることになりました。
初診相談料は3,500円でした。
精密検査
口腔内写真、顔写真、レントゲン写真を撮りました。
レントゲン写真は、セファロ、パノラマ、顎関節と今まで一般の歯科では撮ったことがないような写真をたくさん撮った上、歯形を取ったり、噛み合わせのチェックなどいくつかの検査がありました。
精密検査料は50,000円。
たくさんの検査があったため、1時間以上かかりました。
診断
精密検査の結果、先生から治療方針と費用について、改めて説明がありました。
私の場合、下記のように提示がありました。
- 一般的なブラケットを歯の表面に装着
- 装着期間は約1年〜1年半
- 基本矯正料金は80万円
ブラケット自体は透明で、ワイヤーも白色を選択することができるとのことで、目立たない装置をつけることができると、嬉しくなりました。
この時の診断にも3,500円かかっています。
治療開始(前処置)
ブラケットを装着する前に、セパレートゴム(通称、青ゴム)と呼ばれるものを歯と歯の間につけることから始まります。
装置を装着するために必要となる歯間スペースを確保するための処置です。
この青ゴムは歯列矯正をする人の間では有名で、見た目は本当に小さなゴムなのですが、その威力は凄まじく、多くの人がかなり痛い思いをします。
私もこの青ゴムの洗礼を受け、数日間、痛みに悶えていました。(私は歯の痛みに加え、酷い頭痛にも悩まされ、涙しました…。)
青ゴムの次は、金属のリングを歯にはめ込みます。
治療
青ゴムと金属のリングをはめ込むという前処理をした後、歯にブラケットを付けていきます。
一つ一つ付けていくので、かなり時間がかかりました。
この後、固定したブラケットにワイヤーを通して、歯を動かしていきます。
私の場合、上顎を広げて歯を並べていく治療方針であったため、ブラケットの他に「急速上顎拡大装置」というものを装着しました。
ワイヤーの交換は約1ヶ月に1回の頻度で行い、毎回治療費として3,500円の支払いをしました。
保定および予後観察
ブラケットが取れたら、今度は保定に入ります。
ブラケットを取りたての歯列は、後戻りしやすく、リテーナーを使って、保定をする必要があります。
歯形を取り、リテーナーの作成をしました。
予後観察は歯が安定してきたら、1年に1回程度になります。
実際にかかった期間とトータルコスト

先生の予想よりも歯の動きが早く、11ヶ月でブラケットを卒業することができました。
歯列矯正に費やした期間は前処置の期間を含め、トータルで1年強です。
歯列矯正に費やした全ての治療費は、矯正基本料金の80万円に加え、初診料、精密検査料、診断料の他、毎月のワイヤー調整費などを含めて、100万円以内に収まっています。
費用の支払いについては、利息無しで分割払いが可能だったので、分割払いを利用しました。
歯科によって、一定期間は利息無しで分割払いを認めてくれるところがあります。余裕がある人は一括払いでも良いかもしれませんが、分割払いにすると、歯列矯正を行う経済的ハードルがかなり低くなります。是非、歯科医選びの際のチェックポイントにしてみてください。
矯正後の状況(歯の後戻りについて)

ブラケットを外してから、10年以上経過しています。
驚くべきことに、まだ下の歯が動こうとしています。
2・3日おきに就寝時のリテーナーを継続しているため、大きな歯列の乱れはありませんが、少しでもリテーナーをサボると下の歯列が乱れてくるので、リテーナーは欠かせません。
後戻りは絶対に防ぎたいので、リテーナーを頑張って続けていくつもりです。
矯正中に使って便利だったアイテム
ブラケット矯正中は、歯磨きが難しく磨き残しが多くなりがちです。
そのため虫歯が増えてしまったという人もいます。
私も矯正中のブラッシングはいつもよりも念入りに行っていました。
当時、愛用していたものはプリニア。
歯科医に勧められ、口コミも良かったので、迷うことなく購入を決めました。
ブラケットがついた歯は磨きにくい箇所が多いので、磨き残しを防ぐために、別売りのワンタフトブラシも購入して使用することをおすすめします。
現在は、ドルツの電動歯ブラシを使っていて、こちらも使いやすいです。
リテーナーのお手入れには、入れ歯用の洗浄剤を使用しています。
水洗いだけでは十分に汚れが落ちているか不安なので、洗浄剤でしっかりお手入れをしています。
歯列矯正を終えて思うこと
ブラケットを装着している時は、人の目が気になり、思い切り笑えなかったり、痛くて辛い思いもしましたが、終わってみると、そんなこと「どうでもいい!」と思えるくらい、本当に歯列矯正をやって良かったと感じています。
それに、自分が意識するほど、他人はブラケットの存在を気にしていなかったりもします。
矯正をしている本人からすると特別なことでも、他人から見ると全く気にならないレベルのことであるのだな…と実感しました。
それよりも、歯が動くにつれて、目に見えて歯並びが改善される喜び、そして歯並びの改善に比例して自分の姿に自信を持つことができるようになったことは、自分の中で最も大きな変化でした。
まとめ
現在、痛い思いをしながら歯列矯正を頑張っている人はもう少し先に輝かしいゴールが待っています。
頑張ってください!
そして、今まさに歯列矯正をやりたいけど迷っているという人には「歯列矯正は大人になってからでも、遅くはない!」ということを伝えたいです。
大切なことは信頼できる先生を見つけ、全ての治療をこなすことです。
少しでも歯列矯正に興味を持っていたら、ぜひチャレンジしてみてください。
以上、大人の歯列矯正体験についての紹介でした!
ちなみに、親知らずは矯正終了後、落ち着いてから抜歯しました。
恐怖心により長年親知らずの抜歯ができずにいましたが、気になっているのであれば早めに専門医に相談して、抜歯する方がおすすめです。
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歯列矯正専門歯科の数だけでも相当な数があります。しかしながら、徹底的に口コミを調べて自分に一番合った先生を見つけることが、満足の行く歯列矯正への成功ポイントになります。この段階でのリサーチが重要です。