「台湾で暮らしたい」
「台湾に住むことになった」
こんな時、考えるべきことの一つに住居の問題があります。
台湾に住むといっても、どの地域に住むかによって住宅事情は異なり、例えば、 台北市内の場合、他の地域よりも家賃が圧倒的に高くなっていることから部屋探しが大変です。
もちろん、台北市内でも少し不便な場所であったり、物件のコンディションが良くないものであれば、比較的安いものもありますが、日本人の一般的な衛生感覚で許容できるレベルの部屋を探そうとすると…
予算オーバー!
…ということもよくある話です。
この記事では台北で部屋探しをする方法と物件のチェック項目について紹介します。
目次
台湾での部屋探しには591が便利
台湾では真っ赤な紙に「租」という一文字が書かれたものが、空き物件に貼られていることがあります。
これは昔ながらの慣習で、今でも街を歩いていると見かけることがありますが、現在ではやはりネットが主流です。
台湾で部屋を探すなら591というサイト&アプリの利用がおすすめです。
591に類似したサイトもありますが、多くのローカルの人も591を使っている上、これ一つで大体カバーできます。
不動産業者の利用は?
台湾には日系の不動産屋がたくさんあるため、言葉に不安があるという場合には不動産屋の利用も選択肢になるかもしれません。
ただし、不動産屋は駐在員向けの高級物件をたくさん扱っていて、そのような高い物件を契約してくれそうな客層を主なターゲットにしているケースが多いです。
お手頃価格の物件を探していたり、予算によっては不動産屋に全く相手にしてもらえない場合もあるので、その場合は自分で探した方がずっと簡単です。
591(アプリ)の使い方
591はサイトの他にアプリもあるため、アプリをスマートフォンにダウンロードして使うことができます。
ここでは、スマホアプリのダウンロードや一連の操作について説明します。
まず、スマートフォンのアプリダウンロード検索画面に「591」と入力します。
検索すると、上記のようにヒットするので、アプリをダウンロードしてください。
591房屋交易(香港)というアプリが下に出てきていますが、これは香港版の591になるため、間違えないように気をつけてください。
アプリの基本操作
ダウンロードしたアプリを開くと、以下のページが表示されます。
賃貸で探す場合は、「租屋」をタップします。
エリアを選択する画面が表示されます。
台北市内で検索したい場合は、「台北市」を選択します。
タップすると、物件情報がずらっと並んだ画面が出てきます。
この状態で一つ一つ目を通していくのは大変なので、希望する条件で絞っていきます。
エリアで条件を絞る
台北市の中でもエリアを限定して検索したいのであれば、「區(区)」で絞っていきます。
どのエリアに住みたいか具体的に決めている場合は、この方法が便利です。
「台北市」となっているところをタップすると、画面の右側に台北市内の「區」が表示されるようになっています。
部屋のタイプで条件を絞る
「類型」は住居の形態です。
色々ありますが、一般的な部屋探しで関係があるのは、「整層住家」、「獨立套房」、「分租套房」、「雅房」です。
「店面」や「辦公」は店舗やオフィス用の物件になります。
住居用のカテゴリーは下記の通りです。
- 整層住家
- 獨立套房
- 分租套房
- 雅房
それぞれの特徴を簡単に説明します。
①整層住家
マンションやアパートの1ユニットや一軒屋。
②独立套房
ワンルームタイプの部屋。
③分租套房
共有の玄関があり、中にそれぞれ独立した個別の部屋があるタイプ。
④雅房
分租套房に近いものの、バスルームが共有タイプ。
下に行くほど、家賃が安くなります。
ただ、実際には分租と雅房の定義がはっきりしていなかったりすることもあるので、内見の前に電話で確認するか、実物をきちんと見ることが大切です。
家賃で条件を絞る
「租金」は家賃です。
予算に応じて、物件を検索することができます。
さらに細かい条件で絞る
「更多」では、更に細かい条件を設定することができます。
とても便利な機能です。
以下に、「更多」にある項目について、一つ一つ紹介します。
格局
部屋数を指定することができます。
坪数
住居の坪数で、大きさを選択することができます。
来源
大家さん自ら投稿している物件、仲介業者や代理人が間に入って掲載している物件をそれぞれ指定して選択することができます。
仲介業者にコミッションを支払いたくない場合は、大家さんが直接投稿している物件を選んでみるという方法もあります。
型態
住居の形態です。
ポイントは「公寓」と「電梯大樓」です。
「公寓」はアパート、「電梯大樓」はエレベーター付きマンションという感じです。 「公寓」だと、ほぼエレベーターがついていません。
樓層
マンションやアパートの階層を選択することができます。
台湾には蚊が多いので、低層階よりも高層階の方がおすすめです。
ただし、大家さんが屋上に建て増しして作った頂樓加蓋と呼ばれるタイプの部屋が台湾にはよくあるのですが、これは最上階でも避けた方が良いと思います。
夏場は直射日光ですごく暑くなる上、頂樓加蓋の部分だけ作りが安っぽかったり、その場合、台風の時にすごく危険です。
なかには建築法的に違法のものもあると聞くので、頂樓加蓋は避けた方が無難です。
其他
其他はその他の条件を意味します。
このカテゴリーでは以下の選択が可能です。
- 有車位:駐車場付き
- 有陽臺:ベランダ付き
- 可養寵物:ペット可
- 可開伙:調理可
物件によっては、ベランダがなかったり、調理不可となっているところがあります。
また、キッチン自体がない部屋もあり、キッチンがあったとしても、部屋が汚れることを嫌う大家さんの場合、油を使う料理はしてはダメなど、細かい指定をしていることもあります。
台湾で家探しする時の内見チェックポイント
物件を見る時には最低限、下記のチェックポイントに留意して、不明な点があれば、大家さんや仲介業者・代理人に確認するようにしてください。
設備・環境
設備や環境をしっかりチェックすることが大切です。
興味のある物件を見つけたら、内見の前にグーグルマップのストリートビューの機能を使って、周辺環境をチェックすることもおすすめです。
そのほかにチェックするべきことは以下になります。
備え付けの家具・電化製品
テレビ、エアコン、ソファー、ベッド、ダイニングテーブル、冷蔵庫、洗濯機など、何が部屋についてくるのか確認しましょう。
水回り
キッチンの水周りやシャワーの水圧、トイレの水はきちんと流れるかなど、水回りの確認もした方が良いです。
騒音
不動産が高い台北ではよくある話なのですが、アパートの1ユニット(1フロア)やアパート1棟を所有する大家さんが、家賃収入を増やすために、部屋を小さく区切り、部屋数を増やす工事をしているケースがよくあります。
こういう部屋の場合、そもそも隣の部屋との距離が近かったり、壁に使われる素材が安いものであったり、特に防音対策をしていない場合は、隣の人の声が筒抜けということもあるようです。
防音対策がどれだけしてあるかをについて確認することは難しい問題ではありますが、大家さんに聞くなどして確認してみても良いと思います。
また、住宅が大通りに面していると夜でも交通量が多く、車やバイクの音が気になることがあります。
公共料金など
管理費、清掃費、水道代、ガス代、電気代、ケーブルテレビ・インターネット通信費は家賃に含まれているのか、何が家賃に含まれ、何が含まれていないのか細かいところまで確認してみてください。
マンションの場合、高い管理費が家賃とは別に設定されていることがあります。
電気代に注意!
アパートの場合は電気代の計算方法を聞いておくことも大切です。
台湾では電力に「度」という単位を使っています。 度=kwh(キロワット時)です。
一度あたりの電気代は、使用状況によりいくつかのランクに分けられています。また季節により料金設定が異なっています。
「台湾電力公司」のウェブサイトによると、2017年現在、家庭用の電気代は下記のように設定されています。
※スマホの方は表を指で横に動かすとスクロールすることができます。
電気使用量分類(/月) | 夏季(6/1〜9/30) | 夏季以外 |
120度以下 | 1.63 | 1.63 |
121〜330度 | 2.38 | 2.10 |
331〜500度 | 3.52 | 2.89 |
501〜700度 | 4.61 | 3.79 |
701〜1000度 | 5.42 | 4.42 |
1001度以上 | 6.13 | 4.83 |
この場合、台北市内の場合1度あたりNT$4〜NT$5で設定している人が多いのですが、それよりも高く設定している人もいます。(私が以前住んでいたところはNT$6でした。)
小さな差に思えますが、積み重ねるとかなり大きな金額の差になるため、電気代についてもしっかり確認してみてください。
特に夏場のエアコン代に大きさな差が出ます。
ゴミ捨ての方法やルール
住んでいる住居により、ゴミ捨ての方法が異なります。
マンションの場合
住民用のゴミ捨て場が設置されていて、24時間いつでもゴミ捨てができるようになっているところが殆どです。
ゴミ捨て場がマンションのどこにあるのか確認すると良いと思います。
アパートの場合
アパートで回収するのではなく、個人で捨てることになっているところが多いです。(場合によって、大家さんが人を雇ってゴミを回収してくれるケースもありますが、その場合は家賃の他、ゴミ処理費などを支払うことになると思います。)
自分で捨てる場合、決められた曜日・時間に決められた場所に捨てに行く必要があります。通常は夕方から夜にかけてゴミの収集を行っていて、ゴミ収集車が音楽を流しながらやってきます。
アパートから最寄りのゴミ捨て場と時間については、大家さんなどに確認してみてください。 また、一般ゴミは台北市が指定するゴミ袋(有料)に入れてゴミ出しする必要があります。
❤︎台北のゴミの分別、ゴミ出しの詳細についてはこちら↓↓↓
家賃の支払方法
銀行振込なのか、手渡しなのか、確認しましょう。
手渡しを指定してくる大家さんもいます。
契約期間と保証金
契約期間は通常1年単位となっています。
契約の途中で引越したりすると、保証金(押金)が返金されなくなってしまいます。
保証金は通常2ヶ月分ですが、交渉により1ヶ月分にできることもあります。
短期の留学などで一年未満の滞在になる場合には、契約期間に注意してください。
交渉次第では家賃が割高になる可能性はありますが、短期の契約に応じてくれる大家さんもいます。
大家さんの人柄
交渉する人が仲介業者や代理人の場合は、大家さんの人柄を内見の時に確認することが難しいものの、それでも大家さんの情報を聞き出してみた方が良いと思います。
大家さんにも当然ですが、良い人・悪い人がいます。
良い人であれば、テナントが困った時に気持ちよく助けてくれたりします。
悪い人であったり、ケチな大家さんだと、退去時にトラブルになることもあるため、可能な限り、大家さんの人柄をチェックすることも大切です。
台湾で内見する際の注意事項
治安の良い台湾ですが、部屋の内見をする際は、女性一人で行くことは出来るだけ避けた方が良さそうです。
これは、台湾人の友達から指摘されたことですが、悪意のある大家さんや代理人がいた場合、女性一人で内見に行くことで、身の危険に晒されるリスクがゼロとは言えないためです。
また、外国人をターゲットに高い家賃設定をしてくる人もいるため、出来るだけローカルの友人を一緒に連れて内見に行った方が良いと思います。
その他の注意事項
以前、部屋がホテルのようにとても広く内装も豪華なのに、相場と比較して信じられないくらい格安という物件(画像)が591にたくさん掲載されていることがありました。
これは実在しない物件を載せて、デポジットなどを騙し取る悪徳な手口です。
よく見てみると、「この物件、台湾のものじゃないよね…」と、写真に違和感を感じることができますが、写真と家賃だけを見て、「安い!お得!」と飛びつくのではなく、普段から591を見て、相場をある程度把握しておくことが重要です。
私もはじめの頃は相場が全くわかりませんでしたが、591で物件をたくさん見ることで、だんだんと相場感を掴めるようになってきました。
まとめ:台湾の物件探しには591の活用がおすすめ
以上、591の使い方やチェック項目をまとめて紹介してみました。
台北での部屋探しはこだわりが強いほど大変になりがちですが、妥協できるところ、妥協できないところを少しずつ明確にしていくと、比較的納得のいく物件に巡りあえると思います。
頑張ってください!
❤︎台北での部屋探しには他にも色々なポイントがあります↓↓↓