マレーシア旅行に行く前に、
マレーシアの通貨ってどんなもの?
…こんな疑問が湧くことがあるかもしれません。
この記事では、マレーシアの通貨であるRinggit(リンギット)の詳細について紹介します。
マレーシアの通貨とは?
カラフルで綺麗なマレーシアの紙幣。
マレーシアのBank Negara Malaysiaが発行する通貨になります。
マレーシアの通貨記号
マレーシアの通貨に使われる記号は、
- RM
- MYR
…の2種類です。
RMはRinggit Malaysia、MYRはMalaysian Ringgitがベースになって名づけられたものになります。
RMとMYRの違い
- RM:公式名称(シンボル)
- MYR:通貨コード
…になります。
ただ、どちらの記号も日常生活でよく使われています。
また、硬貨については、Sen(セン)という単位が使われていて、1リンギット=100senになります。
Senは英語のCent(セント)が由来になっているマレー語になります。
Ringgitの読み方と発音
Ringgitを日本語表記にする時に、
- リンギ
- リンギット
…という2パターンで記載されます。
Ringgitのtの音はかなり軽めに発音するため、tを発音するかしないかくらいのリンギッという発音が一番近いと言えます。
リンギットと呼ばれるようになった背景
マレー語のRinggitが持つ元々の意味は「ギザギザした」や「ギザギザの」。
これは”Piece of Eight“と呼ばれたスペイン銀貨の形状を意味するものとして使われていました。
16世紀以降に世界的に広く流通したスペイン銀貨は、ヨーロッパ諸国の植民地化にあった東南アジアでも使用されていて、その形状からRinggitと呼ばれ、のちにそれが通貨を意味する言葉として定着しました。
マレーシアリンギットの紙幣の種類
- 1リンギット
- 5リンギット
- 10リンギット
- 20リンギット
- 50リンギット
- 100リンギット
昔は500リンギットや1000リンギットの紙幣が存在していたものの、現在は造幣が廃止されています。
また、過去には2リンギットという紙幣も存在していて、造幣自体は廃止されていますが、通貨としての価値は有効となっています。(ただ、日常生活で見かけることはほとんどありません)
紙幣の大きさは、金額によって異なります。
基本的には金額が大きいほどサイズが大きいものの、例外としてRM10とRM20は同じサイズで、RM50はRM100よりも少しだけ大きいサイズになっています。
RM50と千円札の比較。
RM50は千円札よりも少しだけ小さいサイズ感です。
紙幣のシリーズとデザイン
マレーシア国立銀行(Bank Negara Malaysia)により発行された紙幣は、第1〜第4シリーズまであり、最も新しいデザインは4世代目の第4シリーズになります。(2023年1月時点)
ただ、現状は旧シリーズの第3シリーズの紙幣も流通しています。
第1シリーズ(1世代)
1967年6月にRM1/RM5/RM10/RM50/RM100を発行。1968年9月にRM1000を発行。
第2シリーズ(2世代)
1982年9月にRM20とRM500の紙幣を新たに追加。1983年9月にRM10/RM50/RM100を発行。1984年1月にRM1/RM5/RM1000を発行。
第3シリーズ(3世代)
1996年2月にRM2の紙幣を新たに追加。1998年にRM10/RM50/RM100を発行、1999年9月にRM5、2000年11月にRM1を発行。
第4シリーズ(4世代)
2009年7月にRM50を発行。2012年6月にRM1/RM5/RM20/RM100を発行。
第4世代の紙幣の特徴
第4シリーズのテーマは、’Distinctively Malaysia’。
多様な文化や伝統、動植物、自然など、マレーシアの特有性を取りれたデザインになっています。
第4シリーズの全ての紙幣の表面には、
- マレーシアの初代国王であるTuanku Abdul Rahman ibni Tuanku Muhammad
- 国花であるハイビスカス
…が描かれています。
裏面のデザインは紙幣ごとに異なるので、それぞれの特徴について以下に紹介します。(各紙幣の特徴はBank Negara Malaysiaに記載されている説明文を元にしています)
1リンギット紙幣
2012年6月に登場した第4シリーズの1リンギット紙幣。
大きさは120mmx65mm。
日常生活のなかでよく使う紙幣です。
1リンギット紙幣のデザインの特徴は、マレーシア伝統デザインの凧。
凧上げはマレーシアの東海岸にあるクランタンで伝統的なスポーツの1つで、Wau Bulanと呼ばれる伝統の凧がRM1の紙幣に描かれています。
ポリマー紙幣になった
第4シリーズにおける1リンギット紙幣の最大の変化点は、ポリマー紙幣になったことで、合成樹脂を使用したプラスチックの紙幣になっています。
第3シリーズの旧デザイン(上)と第4シリーズの新デザイン(下)の1リンギット紙幣。
紙の紙幣と比較して、丈夫で長持ちするところがポリマー紙幣のメリットだと言われています。
5リンギット紙幣
1リンギット紙幣と同じ2012年6月に登場した第4世代の5リンギット紙幣も、ポリマー紙幣になっています。
サイズは135mmx65mm。
日本語ではサイチョウと呼ばれるホーンビル(Rhinoceros Hornbill)が描かれた5リンギット紙幣。
マレーシア・サラワク州の伝統的な行事で重要な役割を担うホーンビルは、Sarawak州の原住民の人々にとって勇気や力の象徴となっています。
第4シリーズのなかで、ポリマー紙幣となっているのは、1リンギットと5リンギットの紙幣のみで、ほかの紙幣は紙ベースのままです。
10リンギット紙幣
2012年6月に登場した第4シリーズの10リンギット紙幣。
サイズは140mmx65mm。
世界で一番大きい花として知られるラフレシアが描かれています。
20リンギット紙幣
2012年6月に登場した第4世代の20リンギット紙幣。
サイズは140mmx65mmで、10リンギットと同じサイズになります。
Hawksbill Turtle(タイマイ)とLeatherback Turtle(オサガメ)という2種類のウミガメが描かれています。
50リンギット紙幣
2009年7月に登場した第4世代の50リンギット紙幣。
サイズは145mmx69mm。
第4シリーズの紙幣のなかで、一番先に導入された紙幣になります。
裏面には、初代首相のTunku Abdul Rahman Putra Al-Hajが、クアラルンプールにあるスタジアムでイギリスからの独立を宣言している歴史的シーンが描かれています。
ちなみに、マラヤ連邦の独立にともない、ユニオンジャックを降ろし、マラヤ連邦の旗をはじめて掲揚した場所がムルデカ広場になります。
100リンギット紙幣
現行の紙幣のなかで、最も高額な100リンギット紙幣。
サイズは140mmx65mm。
RM50とほぼ同じサイズ感ですが、縦幅も横幅も少しだけ小さくなっています。
裏面には、サバ州にあるマウントキナバル(キナバル山)とサラワク州にあるMount Api(マレー語でGunung Api)というユネスコ世界自然遺産の風景が描かれています。
日常生活であまり使うことがないものがRM100で、ほかの紙幣と比較して目にする機会が少ないものになります。
硬貨(コイン)
現行の硬貨には、
- 5セン
- 10セン
- 20セン
- 50セン
…があります。
硬貨でよく使うものは10セン、20セン、50センになります。
硬貨は第1〜第3シリーズまであり、最新のものは第3世代になります。
第1シリーズ(1世代)
1/5/10/20/50センは1967年6月発行。1リンギットのコインは1971年5月発行。
第2シリーズ(2世代)
1989年9月発行。
第3シリーズ(3世代)
2012年発行。
昔は1リンギットのコインがあったものの、現在は廃止されています。
また、1センには通貨価値はありますが、第3シリーズから造幣されなくなり、ほとんど目にすることはありません。
大きなサイズの第2シリーズの50センと、小さくなった第3シリーズの50セン。
大きさが異なるほか、硬貨の素材も変更されています。
どちらも流通していて、ともに使用することができます。
まとめ:どの紙幣を持っておくと便利?
マレーシアを旅行で訪れる場合、紙幣については、RM1、RM5、RM10、RM20、RM50あたりを所持していると便利です。
また、低価格のものが多いコピティアムやホーカーセンターで飲食する時は、RM1、RM5、RM10あたりを使うことが多いので、少額の紙幣を持っていくと役立ちます。