新鮮な魚介類と肉、野菜や果物が非常に安い価格で販売されているChow Kit(チャウキット/チョウキット)の朝市。
早朝から多くの人で溢れ、活気づいているクアラルンプールの有名な伝統市場(ウェットマーケット)です。
この記事ではChow Kitの朝市と市場で楽しむグルメについて紹介します。
目次
Chow Kit(チョウキット)はマレーシアの有名な朝市
1955年にオープンしたChow Kit Market。
60年以上の歴史を持つ伝統市場です。
一般客も多いものの、卸売市場でもあることから、レストラン関係者など業者の人の出入りが多く、朝早くに市場に行くと、大量の食材を購入している人を見かけることもよくあります。
クアラルンプールにある朝市としては、TTDIやPuduの市場も有名で、どの市場も活気があるものの、物の豊富さと人の多さという意味においては、Chow Kit市場が抜き出ています。
Chow Kit Marketの名前の由来
Chow Kit市場の「Chow Kit」は、ペナン生まれのストレーツチャイニーズ(海峡華人)である陸秋傑(Loke Chow Kit)という大富豪の名前が由来になっています。
陸秋傑(Loke Chow Kit)は、錫鉱業で財を成したほか、かつてクアラルンプールで最大規模の百貨店であったChow Kit & Co.のオーナーになった実業家としても知られています。
ジャメモスク周辺にはChow Kit & Co.があった建物のほか、陸秋傑(Loke Chow Kit)の豪邸があった建物が現存しています。
Chow Kitの読み方(発音)はチャウキット
ローマ字をそのまま読むとチョウキットになりますが、マレーシア現地における正しい発音としてはチャウキットになります。
チャウキット市場は、英語でChow Kit Market、マレー語でPasar Chow Kitと呼ばれています。
ウェットマーケットのチャウキット市場
Wet Market(ウェットマーケット)として知られるChow Kitの市場。
ウェットマーケットは、新鮮な魚介類や肉、野菜や果物を取り扱う伝統市場になります。
魚や肉をさばく時に水で洗い流したり、氷を使ったりすることで、市場の地面が水で濡れていることから、Wet Marketと名付けられています。
ウェットマーケットスタイルの伝統市場はマレーシアに限らず、東南アジアで一般的です。
ウェットマーケットと異なる市場として、Dry Market(ドライマーケット)も存在し、ドライマーケットは洋服などを取り扱う市場として知られています。
ウェットセクションとドライセクション
ウェットマーケットのなかでも、水をたくさん使う海鮮類と肉類のコーナーはウェットセクションとして、そのほかの野菜や果物などはドライセクションとして分かれています。
Chow Kitの市場を正面(Jalan Raja Alang側)から見た時に、前方にウェットセクションがあり、その奥にドライセクションがあります。
市場のウェットセクション
市場のウェットセクションで販売されている魚介類。
魚や肉を取り扱うウェットセクションはどうしても生モノのにおいがしますが、新鮮なものが豊富です。
市場のドライセクション
野菜や果物があるドライセクション。
英語で臭い豆を意味するStink Beansと呼ばれるPetai(プタイ)も、市場では安く購入することができます。
メキシコが原産だと言われるJicama(ヒカマ)。
ペナンのRojak(ロジャ)やPopiah(ポピア)のフィリング、ニョニャ料理のJiu Hu Char(ジューフーチャー)など、マレーシアの料理によく使われている素材です。
果物がとにかく安い!
Chow Kit市場で特に安いと感じているものは、果物。
マレーシアのスーパーで購入する時と比較して半額というものもあります。
ただ、全ての果物が安いというわけではなく、マンゴー、オレンジ、ドラゴンフルーツなどの果物は市場の方が断然安いものの、逆にブルーベリーなど輸入物の果物などはスーパーの方が安いです。
フルーツに関しては、味見させてくれるお店もあります。
上記画像のマンゴーは1キロでRM4(日本円にして120円前後)という安さです。
上記画像の果物はRambai(ランバイ)。
ランバイはランサやドゥクに似ている果物ですが、ランサやドゥクよりも酸味が強めのフルーツになります。
ドゥクランサなどは、旬の時期になると路上で果物を販売している露店をはじめ割と色々なところで目にするものの、ランバイはそれほど見かけません。
このように、Chow Kitの市場では少し変わった果物も手に入ります。
また、旬が少し過ぎたかな…と思う果物も、Chow Kitの市場に並んでいたりすることがあるので、品揃えという意味ではかなり充実しています。
新鮮で豊富なローカルハーブ
Chow Kit市場にはマレーシアのローカル料理に使うハーブ類が揃っています。
ガランガル(左)とターメリック(右)。
Galangal(ガランガル)はタイ料理のトムヤムクンに使う食材の1つとして、その名前を聞いたことがあるかもしれませんが、マレーシアの料理にも欠かせない素材です。
フレッシュターメリック(ウコン)は素手で取り扱うと、指と包丁が真っ黄色になりますが、麺料理やカレー料理のベースとなるスパイスミックスペーストを作ったりする時に欠かせない素材の1つになります。
マレーシアの料理にはターメリックパウダーよりもフレッシュターメリックを使うことが多いです。
ターメリックの葉(左)とパンダンの葉(右)。
ターメリックリーフはターメリック(ウコン)の葉で、RendangやNasi Ulam(ナシウラム)に使うハーブの1つです。
ターメリックと言うと、根にあたるウコンを使うことをイメージすることが多いかもしれませんが、葉も料理に使います。
パンダンリーフ(パンダンの葉)は、Nasi Lemakやクエなどの香りづけと色づけに欠かせない葉になります。
マレーシアで大定番の素材になります。
左側にある葉はKaffir Lime Leaves(コブミカンの葉)。
コブミカンの葉もトムヤムクンに使うことで知られていますが、マレーシアの料理にもよく使います。
料理に爽やかな香りを加えてくれる葉です。
緑色のゴツゴツしたものはコブミカンの実(Kaffir Lime)。
マレーシアではコブミカンの実よりもコブミカンの葉の方を料理に使うことの方が多いものの、チーズの削り器(グレーター)などを使ってコブミカンの実の表面を削り、料理のアクセントにしても美味しいです。
ピンク色をした色鮮やかなものは、マレー語でBunga Kantan(ブンガ カンタン)と呼ばれるTorch Ginger Flower。
ペナンアッサムラクサに使うことから、ラクサフラワーと呼ばれることもあります。
ペナンアッサムラクサに使うハーブ類としては、asam kepingやベトナミーズミントのdaun kesumも欠かせませんが、ジンジャーフラワーも味のポイントとなるハーブの1つです。
レモングラス。
上記で紹介したローカルハーブ類はスーパーでも購入できるものの、市場の方が新鮮で価格が安いです。
また、スーパーにはないハーブ類もChow Kitの市場には揃っています。
乾物
乾物を扱うお店では、乾燥させた小魚・海老・唐辛子などのほか、エシャロット、にんにく、白玉ねぎ、赤玉ねぎなどが販売されています。
Nasi Lemakに添えられているアンチョビのIkan Bilis(イカンビリス)も乾物のお店で手に入ります。
乾物は重量単位で購入できます。
Chow Kitの市場で楽しむローカルグルメ
Chow Kitのウエットマーケットの近くにある建物に、コピティアムなどの飲食店が入った建物があります。
それがRaja Bot通りに面した上記画像の建物。
このビルにも市場が入っていて、乾物や魚、肉、花、鳥などが販売されています。(ただし、メインの市場と比較して、お店の数は少ないです)
市場の飲食店エリアにアクセスする場合は、Pasar Transit Zon 1Cという入口の利用が便利です。
入口をまっすぐ進んでいくと、下と上に繋がる階段があるエリアにつきます。
上下どちらにも飲食店があります。
階段を下ったところには複数のKopitiam(コピティアム)があります。
人気のお店はNasi Lemakのお店と米粉湯のお店。
米粉湯は優しい味で、米粉湯についてくるチリソースが美味しいです。
上記画像は階段を上に登ったところにあるコピティアム。
80代のオーナーがいる海南粥のお店が有名で、ほかにも板麺(パンミー)、雲呑麺(ワンタンミー)、咖喱麵(カリーミー)、炒飯、クエを販売するお店などいくつかのお店があります。
上記画像の料理は左上から時計まわりに、伊麺、雲呑麺、廣府炒鸳鸯、咖喱麵。
海南粥は優しい味です。
同じエリアにあるクエを販売するお店では油條(ヨウティアオ)も販売していて、そこで油條を購入してお粥にいれるとさらに美味しくなります。
どのお店も早い時間帯に営業が終了してしまうので、このコピティアムで食事がしたい場合は朝早めの時間帯に足を運ぶことをおすすめします。
海南粥のお店は月曜日と火曜日が定休日になっています。
また、コピティアムなのでドリンク類もあり、コーヒーのKopi(コピ)も美味しいです。
市場の場外にあるグルメ
Chow Kitはインドネシアのスマトラの人が多く移り住んできた場所で、周辺にはNasi Padang(ナシパダン)やBakso(バクソ)をはじめ、インドネシアの料理を販売しているお店がたくさんあります。
インドネシアの料理ではありませんが、おすすめはMurtabak(ムルタバ)を販売するMurtabak Ana。
1個あたりRM4(120円程度)という安さです。
安くて美味しいグルメです。
チョウキット市場のロケーション&行き方
住所:Jalan Raja Alang, Kampung Baru, 50300 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur
朝市であるため、昼過ぎには市場の営業が終了します。
市場に足を運ぶ時は営業時間に注意してください。
アクセス方法(公共交通機関を利用する場合)
公共交通機関を利用する場合、最寄駅はモノレールのChow Kit駅になります。
Chow Kit駅のA出口を出て、そのまままっすぐ大通りのJalan Tuanku Abdul Rahmanに沿って歩くと、ヒルトンのホテル(ヒルトンガーデンインクアラルンプール)が道路を挟んだ左手側に見えてきます。
ヒルトンのホテルはNorth(ノース)とSouth(サウス)の2つの建物があり、奥にあるSouth(サウス)の建物を曲がったところがJalan Raja Alangという通りで、ここがChow Kit市場の正面がある道路になります。
道路を挟んだ市場の対面には、Safuan Plazaというショッピングモールがあります。
また、少し距離がありますが、モノレールのMedan Tuanku駅やLRTのPWTC駅からもアクセス可能です。
アクセス方法(車を運転して行く場合)
朝早く行っても市場の付近は車が多く、タイミングによっては市場の近くに車を停めることもできりるものの、駐車スペースを見つけることが難しいケースの方が多いです。
駐車スペースが見つからない時は、すぐ近く(市場の対面)にあるヒルトンホテルの駐車場(有料)を使うと便利です。
コピティアムサイドに直接足を運ぶ場合
市場にあるコピティアム側に直行する場合は正面のJalan Raja Alangよりも、Jalan Raja Bot側からアクセスする方がわかりやすいと思います。
市場の正面の通りを歩いて行き、シーク教徒の礼拝所(Gurdwara)が見えたら、角を左に曲がり、さらにそのまままっすぐ歩き左に曲がるとJalan Raja Botのゲートが目に入ります。
左手側に警察の交番(Balai Polis Komuniti Jalan Raja Bot)があるので、これを目印にしてみてください。
Jalan Raja Botをまっすぐ歩いていくと左手にPasar Transit Zon 1Cの入口があります。
このエリアもすごく混んでいて交通量が多いので、車に注意してください。
Chow Kitの治安について
Chow Kitは、かつて治安がかなり悪いと言われていた場所になります。
朝の時間帯に市場のなかで買い物をする分には特に危険だと感じたことはありませんが、とにかく人が多いので、貴重品の管理には十分注意する方が良いと思います。
また、ウェットマーケットを歩くと、地面の水が飛んで靴や洋服が泥水で汚れることがあるので、市場に行く際はサンダル履きなどカジュアルな格好をすることをおすすめします。
チョウキット市場で綺麗めの格好をするとすごく目立つので、防犯の面でも華美な格好をするよりもラフな服装がおすすめです。
まとめ
Chow Kit(チャウキット)市場は雑踏する場所で、ごちゃごちゃ感はあるものの、人の流れが活発で生き生きとした場所でもあります。
なによりも新鮮で安いものが豊富なので、ふらっと立ち寄って市場をのぞいてみると楽しいものがあります。
以上、Chow Kit(チャウキット)市場についての紹介でした!
Chow Kitエリアには美味しいお店が多いので、グルメを堪能する場所としておすすめです。
朝市とグルメという組み合わせで、食事面を重視する場合、Chow Kitよりも、プドゥにあるICC Puduの方がおすすめです。
ICC Puduの市場の方が規模は小さいものの、Chow Kitよりも清潔感があり、グルメに関してはICC Puduの方が豊富です。